菅原美優らと王座戴冠を喜ぶ伊藤盛一郎(C)ゴング格闘技
2023年12月24日(日) 神奈川・横浜武道館にて、パンクラス30周年記念大会・第2弾『PANCRASE 340』(U-NEXT配信)が開催された。
▼第14試合 PANCRASEウェルター級王座戦 5分5R (※選手名から会見コメント)
×林 源平(和術慧舟會IggyHandsGym)王者 76.9kg
[5R 2分09秒 TKO] ※パウンド
〇住村竜市朗(TEAM ONE)挑戦者・2位 77.1kg
※住村がウェルター級新王者に
林は、第15代ウェルター級キング・オブ・パンクラシスト。2012年11月のMWJ杯JMLオープントーナメントウェルター級優勝からプロに。2014年の第20回ネオブラッド・トーナメント決勝で佐藤天に敗れ準優勝も、以降4連勝もマーク。2020年9月、雑賀ヤン坊達也と暫定ライト級KOPを争い、KO負けし、2022年にライト級からウェルター級に転向。2022年12月の『PANCRASE 330』で押忍マン洸太を初回KOに下し、2023年6月のウェルター級王者決定戦で村山暁洋に判定勝ちで新王者となった。
対する住村は、リーチある打撃に加え、青木真也らとの練習で組み技も強化。いまや組み技を軸に相手をドミネートするスタイルで第9代DEEPウェルター級王座についている。2022年5月にDEEPウェルター級のベルトを返上し、2023年7月の『PANCRASE 336』で草・MAXに判定勝利。9月に藤田大をTKOで下して、PANCRASEウェルター王座挑戦を決めた。
前日計量では、林が「ブッ倒します」、住村が「格闘技人生、すべて賭けてベルトを獲ります」とシンプルに意気込みを語っている。
1R、いきなり詰めてボディロックテイクダウンの住村に、すぐに立つ林。スタンドバックにつく住村にクラッチを切る林。背後からヒザを突く住村に、正対する林。
左手でフレームを作って離れるが、林が左を突いたところで、カウンターのダブルレッグテイクダウン! ここもすぐに立つ林が正対も脇を潜る住村がスタンドバックに。ヒザをこつこつ突き、踵も足に落とす。ここも正対する林だがホーン。ジャッジ3者10-9、住村を支持。
2R、林のローに合わせてテイクダウンは住村。そのままサイドを奪い、左肩で首を殺して押さえ込み。ハーフからエビを打ち、背中を見せて立とうとする林のバックに乗る住村を背負う林が立ち上がり。右腕を両手で持ってチョークを防ぐ。
着地してスタンドバックにつく住村。正対した林は左右から右ミドルハイ。住村の組みを切ると、住村も左の蹴り。組みを警戒する林は詰めにくくなる。3者10-9、住村を支持。
3R、組んでくる住村。右アッパーを突いた林。さらに組んできた住村にスイッチから立ち上がった林は、四つから小外がけの住村の投げに内股で返して投げた林。住村もすぐに立ち上がると、スタンドでワンツーを打つ林。しかし住村は林が左を振って右ローを蹴ったたところにシングルレッグテイクダウン!
立ち上がる林はローブロー。再開から住村はダブルレッグテイクダウン。下の林は腕十字狙い。それはかわした住村に林は立ち上がり、跳び蹴りもホーン。3者10-9で住村を支持。
4R、すぐに組んで四つから小外がけテイクダウンは住村。左で差して寝かせてハーフから押さえ込み。フルガードに戻す林だが、背中を着かされる。
腰を抱いて寝かせる住村に、上体を立てて右手を差し込もうとスイッチを狙う林を再び寝かせる住村。左肩でアゴを殺し、ヒザをこつこつ突いて、肩固め狙いの動きも見せてマウント。残り5秒でヒジを落とすもホーン。3者10-9で住村と、ここまで全ラウンドを住村が取る。
5R、早々に詰めてダブルレッグテイクダウンは住村。パスガードからマウントでヒジ! 抱き寄せる林は亀になり立とうとするが、すぐにバックにつく住村は、両足をかけてマウントからパウンド! 左右ラッシュにレフェリーが間に入った。
林に打撃を打たせず、テイクダウンからしっかり削って最後はフィニュシュした住村がウェルター級王座奪取。セコンドの青木真也とハイタッチをかわし、同じくセコンドの松嶋こよみ、ケージサイドの皇治、イゴール・タナベらとエールをかわした。
試合後、新王者は「すごい悔しい思いもしましたが、こうして新しい目標ができて形になって、何かひとつでも頑張ればいいことがあるんだなと思いました」と語った。