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インタビュー

【UFC】平良達郎、日本人初のUFC世界王座獲得ならず。勝者ヴァン「日本人ファイターはとにかくハードに練習することだね。僕が戦った二人の日本人ファイターは、根性があった」「平良はタフだ。彼には尊敬しかないよ」=試合後会見全文

2026/05/10 16:05
 2026年5月9日(日本時間10日・朝6時開始)米国ニュージャージー州ニューアーク・プルデンシャル・センターにて『UFC328』(U-NEXT/UFC Fight Pass配信)が開催された。  UFC世界フライ級(56.7kg)選手権試合5分5Rで、挑戦者・平良達郎(日本)に5R1分32秒、TKO勝ちした王者ジョシュア・ヴァン(ミャンマー)が試合後インタビューに答えた。以下は一問一答の全文。 ▼UFC世界フライ級(56.7kg)選手権試合 5分5R 〇ジョシュア・ヴァン(ミャンマー)王者 17勝2敗(UFC10勝1敗)※UFC7連勝[5R 1分32秒 TKO]×平良達郎(日本)挑戦者 18勝2敗(UFC8勝2敗)3位※ヴァンが初防衛に成功 忍耐が鍵だったよ ──UFC世界フライ王座の初防衛に成功したジョシュア・ヴァンです。おめでとう。肉体的にも感情的にも、初めての王座防衛に成功した今の気分はどうですか。 「最高だよ。最高の気分だ。ファンにとっても素晴らしい試合だったと思う。ただ一つ、みんなには『3ラウンド以内に仕留める』と言っていたんだけど、平良はタフな男だった。彼には尊敬しかないよ」 ──最初の3ラウンドで、彼を仕留める寸前まで行ったと思った? 「最初にダウンを奪った時は、逆に彼を(衝撃で)起こしてしまったような感じだった。二度目の時は、どうやって彼が立ち上がったのか分からないよ。さっきも言った通り、彼はタフだ。サブミッションも狙っていたんだけど……彼は上手かったよ。 ──特にカウントダウンやメディアデーで、彼は「グラウンドなら自分に分がある」と言っていたね。あなたは彼のグラップリングを凌ぎ切ったわけだが、彼の寝技は予想通り手強かった? それとも、その場で対応しなければならないようなトリックをたくさん持っていた? 「さっきも言ったけど、僕も“袖の中に隠し持っているグラウンド技術”があるんだ。やりたいことはたくさんあったけど、できないこともあった。グラウンドの技術も少しは見せられたけど、次は確実にもっと良くなるよ」 ──彼がもっと早く倒れなかったことに驚いた? 2、3ラウンドあたりでは、彼は全く頭を振っていなかった。あなたは彼の鼻を突き続けていたのに、彼は前に出続けていました。 「そうだね。彼について言えるのは、彼は下がり方とか、そういうことをよく分かっている。だから、タイミングや距離を掴むのが少し難しかった。彼が下がり続けたりしていたからね。それが、ある意味彼を救ったんだと思う」 ──平良のローキックは何か影響した? 序盤、彼はかなり蹴っていたように見えました。 「彼が最後に放ったやつは、クソ痛かったよ。でもそれ以外、最初の2ラウンドのは、それほどハードなものではなかった。でも最後のは、神経かどこかに当たったんだと思う」 ──向こうでインタビューを聞いていましたが、パントージャのインタビューか、あるいはダナ・ホワイトが、パントージャがあなたの次の相手になるだろうと認めていました。パントージャはこの試合を5ラウンドまで持ち込みたいようで、あなたにとって「苦痛な5ラウンドにしたい」と言っている。あなたの返答は「(負傷した)彼は牛乳でも飲んでおいた方がいい」だったと思うけど、それで合ってるかな? 「そうだ。ああ。彼は牛乳でも飲んでおいた方がいいよ(笑)」 ──おめでとう。この勝利の感触は、パントージャ戦と比べてどうだ? フィニッシュの仕方も含めて。もっと気分が良いものか、それとも君にとっては「勝ちは勝ち、ベルトはベルト」なのか? 「勝ちは勝ちだけど、今回の勝ちの方がずっと甘美(スウィート)だね。パントージャ戦の後は……あんなことは最悪の敵にだって願わないよ。だから、今回の方がずっと嬉しいのは確かだ」 ──パントージャ戦の後、ファンからの批判を受けて気分が悪かったということ? 「そうだね、気分が悪かった。彼にも言ったんだ。喜んでいる時は、彼の腕があんな状態になっているなんて知らなかったから。スクリーンで彼の腕を見て、彼のところへ行って『すまない』と言ったんだ。彼も『こちらこそ』なんて言っていたのに、3カ月経ったらいくつかインタビューを受けて、根に持っているみたいで。今は色々とクソみたいなことを言っている。彼が何を考えているのか分からないよ。昨日も彼に会ったけど、僕に恨みはない。彼と話したし握手もした。でも、彼の頭の中がどうなっているのかは分からない」 ──私からは最後だ。いつかバンタム級でのあなたを見られるだろうか? まだフライ級でやるべきことがたくさんあるのは分かっているけど、いつか階級を上げることは目標の一つでしょうか。 「イエスでもあり、ノーでもある。自分の階級でもっと成し遂げたいことがあるからね。ベルトを獲るとすぐに階級を上げようとする人が多いけど、僕は歴史を作りたいんだ。まだ多くの人がフライ級のことをよく知らない。今は注目され始めているところだ。だから、フライ級で素晴らしいことを成し遂げたい」 ──マイティ・マウス(デメトリアス・ジョンソン)の記録を破りたいかい? 「記録は記録だ。あれは昔のことだし、今は新しい世代の戦いになっている。今とは少し違うと思うよ」 ──ジャブを突き続け、忍耐強く戦い、3ラウンドのサブミッション・アテンプトを経て、最終的に5ラウンドでフィニッシュを見つけることがあなたにとってどれほど重要だった? 「忍耐が鍵だったよ。コーチたちもそうだし、トレーニングキャンプの間中ね。試合が延期になって、イライラしていたんだ。『誰かを痛めつけてやりたい』って感じで。でもコーチたちが、練習相手を痛めつけるのをやめるように言ってくれた。キャンプ中ずっと、忍耐強く、冷静になれと言われ続けていた。それが今日みんなが見た姿だよ」 [nextpage] 自分自身の歴史を刻むよ ──今年初め、Xでマネル・ケイプとやり合って、ヒューストン大会への出場を求めていたね。将来、ヒューストンのペイ・パー・ビューでメインを務める自分を想像できるかい? 「もちろんだ。それがゴールだよ。ヒューストンは僕を育ててくれた場所だ。ミャンマーで生まれたけど、ヒューストンが僕を育てた。ヒューストンは僕の街だと思っている。だからヒューストンでメインを張りたい」 ──それに関連して、ミャンマーのファンに向けてメッセージを送っていたけど、ヒューストンのファンには何かメッセージはあるかな? 「さっきも言った通り、世界が僕たちのことを知ることになる。ミャンマーの人々、そしてテキサス州ヒューストンの人々、僕らにはUFCチャンピオンがいるんだ。「713(ヒューストンの市外局番)」、行くぜ!」 ──試合中に何度も平良をダウンさせた。彼が立ち上がり続け、その後さらに君からテイクダウンを奪ったことに驚いたかい? 「ああ、彼はタフだ。彼には尊敬しかないよ」 ──王座に就くと活動ペースが落ちる選手もいるけど、君には当てはまらなそうだね。次にオクタゴンに戻るのはいつ頃になりそうかな? 「分からない。チームと話さなきゃいけない。少し体を休めたりもしなきゃいけないしね。でも、今年中には少なくとももう一試合はしたい」 ──この試合、特に平良との戦いが、これまでで最高のジョシュア・ヴァンを引き出したと感じるかい? 「僕はいつも……特定の試合を“大きな試合”として特別視することはないんだ。目の前にある試合が、常に僕にとって最大の試合なんだ。だから、これが最大の試合だった」 ──試合前、君はコメント欄の批判やアンチについて、自分の名前を広めてくれるから好きだと言っていたね。ファンはこの試合について何て言うと思う? 「気に入ってくれていると思うよ。そう願ってる」 ──試合前に、二人の年齢を合わせても50歳、史上最年少のタイトルマッチだという話をしていたね。君たちはまだ若いから、いつかまた戦うことになるのではないかと聞いたけど、実際にケージの中で彼と向き合ってみて、彼が再び這い上がってきて、君とのリマッチに辿り着く実力があると感じたかい? 「もちろん。もちろん。平良はオールラウンダーだ。彼はタフな若者だ。尊敬しているよ」 ──今夜、あなたは「ファイト・オブ・ザ・ナイト」のボーナスを獲得した。もう聞いたかな? 「ああ、聞いたよ」 ──昨年はブランドン・ロイバルと「ファイト・オブ・ザ・イヤー」級の素晴らしい試合をしたね。君がより注目を集めるためのチケットは、こうした「ボーナスをかっさらっていくアクションファイター」としての姿にあると思うかい? 「僕の試合で退屈なものは一つもない。今やコ・メインのような高いレベルで戦えるようになった。以前よりずっと多くの人が僕を見てくれる。それは恵まれていることだよ」 ──君は普段のんびりしているように見えるけど、こうしたメディアとのやり取りには慣れてきたかい? 「ああ、もちろんだ。ずっと楽になってきたよ」 ──あなたは鶴屋をはじめUFCで日本人ファイター相手に全勝している。日本人ファイターがチャンピオンになるには何が必要だと思う? 「日本人ファイターが……とにかくハードに練習することだね。僕が戦った二人の日本人ファイターは、根性(heart)があった。一番大切なのは、ハードに練習することだと思う」 ──試合後、君が最初に話したことの一つが「信仰」についてで、それがどれほど重要かということだった。チャンスや成功が大きくなっていく中で、どうやってスピリチュアリティ(精神性)が君を支えているんだい? 「信仰がすべてだ。イエス・キリストがいなければ、僕は何も持っていないも同然だ。常に彼に栄光を捧げている。信仰は僕のすべてだ」 ──今夜の君は、一週間ずっと言っていた通り、まさにオールラウンダーであることを証明したと思う。君の成長は目を見張るものがあるけど、君の限界(天井)はどこにあると思う? スキルセットをさらに進化させる余地はどこまであるだろう? 「この試合からさらに良くなるのは間違いない。改善すべき点はたくさんある。もっと素晴らしいジョシュア・ヴァンをすぐに見られるはずだ」 ──デメトリアス・ジョンソンとの面白いインタビューがあったね。彼がこの階級の歴史を君に教えようとしていた。長期政権を築いて、君自身の歴史を作る準備はできているかい? 「そのためにここにいるんだ。自分自身の歴史を刻むよ。ありがとう」
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