(C)GLORY
GLORY 89
2023年10月8日(日)ブルガリア・ブルガスアリーナ
※U-NEXTで配信
▼第9試合 GLORY世界フェザー級タイトルマッチ 3分5R
〇ペッチ(=ペットパノムルン・ギャットムー9/タイ/王者)
判定4-1 ※49-46、46-49、48-47、50-45×2
×ダビド・メヒア(スペイン)
※ペッチが7度目の防衛に成功。
ペッチことペットパノムルンはサウスポーで2011年にプロムエタイ協会バンタム級王者、2013年にスーパーフェザー級王者となって2階級制覇。2015年にはトーナメント戦の『トヨタ・ムエマラソン』-64kg級で優勝、2016年にWMC世界ライト級王者となった。セクサン、サムエー、ペットモラコット、チャムアックトーンらスター選手としのぎを削って勝利を収め、2016年8月からはGLORYに参戦。ザカリア・ゾウガリーやアブデラ・エズビリらから勝利を収めると、2018年9月に ロビン・ファン・ロスマレンに挑戦し、判定勝ちでGLORY世界フェザー級王座を奪取した。
また、2018年にはGLORYの“ノックアウト・オブ・ザ・イヤー”に輝いた。2021年11月にRISEに初来日を果たし、原口健飛に勝利すると、2022年8月の原口との再戦を制してRISE世界スーパーライト級(-65kg)初代王者との二冠王となった。12月の来日では山田洸誓に勝利。2023年3月には同時二階級制覇を狙い世界ライト級王者ティジャニ・ベスタティに挑戦したが、4RにKOで敗れた。5月にアフマド・チク・ムーサの挑戦を退け、6度目の防衛に成功している。戦績は169勝(27KO)39敗3分。
この絶対王者に挑戦するのは、スペイン系コロンビア人の新星ダビド・メヒア。ISKA世界ウェルター級王座を保持しており、近年は中国のクンルンファイトやWLF武林風でも活躍している。クンルンファイトでは、近代ムエタイのトップ選手であるタワンチャイ・P.Kセンチャイムエタイジムとフルラウンドの激闘を演じ、判定で敗れるもパンチ主体のスタイルで左フックからの右アッパー、顔面とボディに打ち分ける右ストレートでタワンチャイを苦しめた。2020年3月にはK-1に来日しているが、ウェルター級で野杁正明に判定3-0で敗れている。GLORYには今回が初参戦となるが、ヨーロッパとアジアでの活躍から挑戦者に抜擢されたという。戦績は61勝(18KO)15敗。
1R、ペッチは左ローと左インローを蹴り、前へ出ると左ミドル。メヒアも右ミドルを蹴ってペッチを押し戻す。左ストレート2発でメヒアを下がらせたペッチはコーナーを背負わせるとヒザを突き刺す。初回は静かな立ち上がりとなった。
2R、メヒアは右ミドルからの右ハイを軽くヒットさせる。ペッチは左ミドルを連打しての左ボディストレート。ペッチに左ミドルを蹴られると、すぐに右ローを蹴り返すメヒア。両者組みが多くなり、ペッチはヒザを蹴る。やや距離を広めにとったペッチは、踏み込んでの左ミドルをヒットさせてこのラウンドを終えた。
3Rも左ミドルでメヒアの右腕を蹴っていくペッチ。メヒアは左右ボディとフックを打つが、前蹴りと組みからのヒザを使うペッチに後退を余儀なくされていく。ペッチが左ミドルを蹴って、そのまま両者が組み合うという展開が続いた。
4Rも前に出るペッチが左ミドルから組んでのヒザ。メヒアは右ハイを蹴るが、これはガードされて左ローを蹴られる。ペッチは左ミドル、左ストレート、左インローと蹴っていき、メヒアは右ストレートを打つもペッチの左ミドルとクリンチワークに連打を防がれる。
5Rも同じ展開。遠い間合いから右フックで突っ込んでいくメヒアだが、空振りが続く。逆にペッチは左ミドルキックから組んでのヒザ。ペッチの左ミドル2連打にメヒアは飛びヒザを発射するがこれもかわされた。
上手さを見せつけたペッチが判定4-1で勝利。歴代2位となる7度目の防衛に成功した。「今回しっかり戦略を練ってきたので勝ててよかったです。判定の時も自分が勝ったのは分かっていました」と勝利コメントした。