2022年8月13日(日本時間14日)米国カリフォリニア州サンディエゴのペチャンガ・アリーナにて「UFC Fight Night: Vera vs. Cruz」が開催された。
UFC Fight Night: Vera vs. Cruz 速報
現地時間2022年8月13日(土)、日本時間14日(日)米国カリフォリニア州サンディエゴ /ペチャンガ・アリーナ
【メインイベント】
▼バンタム級 5分5R〇マルロン・ヴェラ(エクアドル)22勝7敗1分(UFC14勝6敗)135.5lbs/61.46kg[4R 2分17秒 KO]×ドミニク・クルーズ(米国)24勝4敗(UFC7勝3敗)135lbs/61.24kg
メインイベントのバンタム級では、同級5位のマルロン・ヴェラ(エクアドル)と、初代同級王者のドミニク・クルーズ(米国)が5分5Rで対戦。
ヴェラは、MMA21勝7敗1分(UFC13勝6敗)でUFC3連勝中。2020年12月にジョゼ・アルドに判定負けも、以降、デイビー・グラントに判定勝ち、フランク・エドガーに前蹴りでKO勝ち、2022年4月の前戦ではロブ・フォントから3度のダウンを奪う判定勝ちを収めている。
今大会の会場のサンディエゴが地元のクルーズは、MMA24勝3敗(UFC7勝2敗)でUFC2連勝中。2014年9月の水垣偉弥戦で約3年ぶりのブランクを経て61秒 KO勝ち。その後も1年3カ月開けて、TJディラショーと対戦し王座奪取。「MMA史上最大のカムバック」を成し遂げた。その5カ月後にはユライア・フェイバーにも判定勝ちで初防衛に成功するなど、驚異の13連勝をマーク。
しかし、2016年12月にコーディ・ガーブラントに判定負けで王座陥落。2020年5月に3年半のブランク明けでヘンリー・セフードと対戦も2RKO負け。王座獲得に失敗し、自身初の連敗を喫した。
その後もキャリアを続けるクルーズは、2021年3月にランク外のケイシー・ケニーにスプリット判定勝ちで約4年7か月ぶりの白星を飾ると、2021年12月の前戦では、8位のペドロ・ムニョスと対戦。1Rに左ジャブと左フックでダウンを奪われるも、2Rと3Rに手数と有効打で上回って3-0の判定勝ち。ファイト・オブ・ザ・ナイトを受賞している。
29歳、常にハイペースで動き続け、エドガーをKOした右前蹴り、フォントを下したヒザ蹴り、サイドキックなど蹴り技も多彩な“チート”ヴェラに対し、37歳のクルーズは、スイッチして、レスリングと打撃を融合させ、相手の打撃を受けないスタイルを現在のコンディションでいかにその場で判断して正しく実行できるか。かつてのようなステップワークとフェイントでテイクダウンを奪えないなか、新たなしぶとさも見せている“ドミネーター”はアンダードッグとしてメインを戦う。
1R、タッチグローブで互いに視線を逸らさず。いきなり歩いて左ハイから入るクルーズ。さらに蹴りから左右と繋ぐ。ブロッキングのヴェラに、細かいステップで頭を振ってフェイントのクルーズ。ヴェラはオーソドックスに変えるとすぐにクルーズは右ロー。
すっと近づきニータップでテイクダウンも追わないクルーズはヴェラを立たせる。
左ストレートでダウンを奪うヴェラ。すぐに立つクルーズ。左右で前に詰めるが、かわすヴェラ。足を触るフェイントから右を振るクルーズだが、見切るヴェラ。
サウスポー構えのヴェラに左ローを突くクルーズ。ヴェラは左前蹴り。クルーズは左右連打から前蹴りでケージの反対側まで押し込む。
素早いダブルレッグテイクダウンを奪うクルーズ。下からエルボーのヴェラは腕十字狙い。すぐに抜いて離れるクルーズ。ブザー。
2R、今度はヴェラから先に左ハイで入る。ワンツーから右カーフを当てるクルーズ。右ハイ、右インローと連続で打ち、離れる。
右カーフを当てるクルーズ。右の蹴りは空振り。しかし続く右ミドルはガード上。ヴェラは詰めていくが、左ボディストレートを突くクルーズ。ヴェラの入りに、すっとかわして右に抜ける。
クルーズのワンツースリーのアッパーをかわすヴェラだが、反撃の手は出ず。左前蹴りから前進も。右ボディはクルーズ。左オーバーハンドで飛び込むクルーズ。右のフェイントから右ミドルを打ち込み、シングルレッグに入るも、切られるとすぐに立て直すクルーズ。詰めて左から右ハイを繰り出すヴェラだが捕らえきれず。
3R、左カーフを当てて左右を振って詰めるクルーズ。ここはさばくヴェラが右前蹴りで牽制。ニータップのフェイントから戻して右の蹴りはクルーズ。
ヴェラは左から右でダウンを奪取。すぐに立て直すクルーズは、ダブルレッグのフェイント。スイッチしながら歩いて左右。ジャブで詰めるヴェラ。ダブルレッグに入るクルーズ。切られてすぐに左右を振るが、左を当てるのはヴェラ。
金網に詰まり押し戻すクルーズ。徐々に足より先に手が出るように。しかし左右で詰めてダブルレッグへ。金網背に防ぐヴェラはヒジを頭に落とす。離れたクルーズ。ダウンを奪ったヴェラのラウンドに。
4R、関節蹴りから入るクルーズ。ダブルレッグで走るが、足を飛ばすヴェラ。クルーズの右にバランスを崩すもすぐに立つヴェラ。
右ボディ、右顔面のクルーズ。詰めるヴェラ。マットに足を滑らせるクルーズだが、ここまでは居着かず、蹴りはもらわないクルーズ。
しかし、ヴェラは右手ではたいてクルーズの頭を左に落とさせてから左ハイ! 前方にダウンしたクルーズは立てず。ヴェラのパウンドにすぐにレフェリーが間に入った。
4連勝をマーした“チト”ヴェラは、「ヘイ、サンディエゴ! 最初に言いたいのは、レッグキッカーなのに出させてくれず苦労した。パンチの打ち終わりに蹴れとセコンドに言われて当てた。もうタイトル戦線に行っていいところまで来てる。世界チャンピオンになるんだ」と王座挑戦をアピールした。
また、試合後には、「コーチはパンチの後に強打を放てば彼に当たると言っていた。コーチ、ありがとう。自分は世界チャンピオンになるためにこのスポーツをやってきた。自分にはハートとハードトレーニングがあり、そして今、そこに導いてくれる人たちがいる。すべてはパフォーマンス次第だと信じている。最高のフィニッシュ、最も派手なフィニッシュをした者がタイトルショットを手にすることができる。このままの調子でいきたい。エクアドル、自分がチャンピオンになるんだ」とあらためてエクアドル人初のUFC世界王者になると宣言した。
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【コ・メイン】
▼フェザー級 5分3R〇ネイト・ランドワー(米国)16勝4敗(UFC3勝2敗)145.5lbs/66.00kg[判定2-0] ※28-28, 29-27×2×デビッド・オナマ(ウガンダ)10勝2敗(UFC2勝2敗)145lbs/65.77kg
ノーランカー同士のフェザー級戦。
ランドワーは15勝のうち8つのKOをマークする激闘ファイター。M-1 Challengeから2020年1月にUFCデビューし、ハーバート・バーンズに1R KO負け。ダレン・エルキンスに判定勝ちも、ジュリアン・エロサに1R KO負け。2021年10月の前戦でルドヴィト・クレインにアナコンダチョークで一本勝ちしている。UFC2勝2敗。
ウガンダ出身のオナマは、2021年10月のUFCデビュー戦でメイソン・ジヨンズに判定負けも、そこからガブリエル・ベニティス、ガレット・アームフィールドを相手に2試合連続フィニッシュ勝利。アームフィールドには肩固めで一本勝ちしている。
1R、ともにオーソドックス構え。ジャブ、右カーフはランドワー。スイッチするオナマ、オーソドックスに戻して、ランドワーの打ち終わりを狙う。
右オーバーハンドを打つオナマ。ワンツーの右でダウンを奪うと、すぐに立つランドワーの首をがぶるも抜くランドワー。
オナマは鋭い踏み込みで右から左! もんどりうって後方に倒れるランドワーのバックを奪いパウンドも、リバーサルして上を取り返すランドワー。
しかし体を放し、スタンドに戻すと近距離でヒジ、右ストレートを見せる。10-8がついてもおかしくないラウンド。
2R、オナマの打ち終わりに右を当てるランドワー。そのまま前進。組むオナマを剥がし、ボディロックテイクダウン。疲労したか動きが鈍いオナマの首をがぶり、アナコンダチョーク! 首を抜いたオナマはダブルレッグも、潰してバックのランドワー。
抜けるオナマは足元がおぶつかない。右を当てたランドワーはオナマの投げを潰して再びアナコンダチョーク! 首を抜くオナマは立ち上がれず。バック、正面からギロチンチョーク! ここも抜けてしまうと、ランドワーは右フック! 背中を見せたオナマにバックマウントのランドワーはパウンド。ランドワーもバテバテ。1Rと逆の10-8がついてもおかしくないラウンド。
3R、サウスポー構えになるオナマ。前に出るオナマに首相撲ヒザを突くランドワーは崩してもグラウンには行かず。スタンドを要求。なおも崩してパウンドに動かないオナマに、再びスタンド。
最後のスタミナを使い左右で前に出るオナマ。しかしランドワーも凌ぐとオナマの組みを両脇差しで入れ替え、左ハイ。左右で前に出るオナマを潰してテイクダウンするランドワー。またも両手を広げてスタンドを要求。
最後にオナマが左を当ててランドワーに尻餅を着かせてラッシュも、ランドワーが立ち上がり応戦しブザー。何とも荒々しく大味な試合の判定は2-0(28-28, 29-27×2)でランドワーが勝利。試合後、勝者は「ここに来た、単純明快に。UFCのネイト "ザ・トレイン"、最もラフでタフなのは自分だ。いい戦いもできる。この階級で一番かっこいいのは自分なんだ! これからももっと上にいくぜ」と吠えた。
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【メインカード】
▼女子ストロー級 5分3R〇ヤスミン・ハウレギ(メキシコ)9勝0敗(UFC1勝0敗)114.5lbs/51.94kg[判定3-0] ※30-27, 29-28×2×ラスミン・ルシンド(ブラジル)13勝5敗(UFC0勝1敗)116lbs/52.62kg
UFCデビュー戦同士の女子ストロー級戦。
1R、ともにオーソドックス構え。互いの右が交錯するなか、ハウレギの右ローに左から右を打つルシンド。右を差して崩そうとするが、崩れないハウレギ。ハウレギの左右にルシンドも踏みとどまり、逆に左右の連打で押し戻す。
ハウレギは右ロー。そこに左右のワンツーを狙うルシンド。粗くも大きな左右を振って下がらない。左ハイを当てるハウレギ。それを肩で受けて右を振るルシンドは組んで金網まで押し込むが、脇が硬いハウレギ。ルシンドは後ろ蹴りをついてブザー。
2R、ハウレギの蹴りに右から左のパンチで詰めるルシンド。互いに左の相打ち! 効かされたか組むルシンドに、体を入れ替えるハウレギが離れ際に蹴りを狙う。
ルシンドの後ろ蹴りをかわして左インローから左右を顔面に狙うハウレギ。精度で勝る。しかしルシンドも左跳びヒザでハウレギのバランスを崩す。さらに休まず左右のパンチを打ち込む。
3R、ハグしてからスタート。フック系のルシンドに、ワンツーから右ストレートを当てるハウレギ。右から左を返すルシンド! ハウレギの前蹴りに、左右フックを返すルシンド。右の精度はハウレギ。打って離れる出入りで右から左の返し。ルシンドもボディから右の強力なオーバーハンドをガード上に当てる。
ハウレギの後ろ廻し蹴りをかわして、自分も後ろ廻し蹴りを打つなど負けん気の強さを見せるルシンド。ブザーにマットに跪いて祈りるように手を合わせた。
判定は3-0(30-27, 29-28×2)でハウレギが勝利。UFC初陣を勝利で飾り、MMA戦績を9戦無敗とした。
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▼ライトヘビー級 5分3R〇アザマト・ムルザカノフ(ロシア)12勝0敗(UFC2勝0敗)204lbs/92.53kg×デビン・クラーク(米国)13勝7敗(UFC7勝6敗)205lbs/92.99kg
1R、サウスポー構えのムルザカノフはコンテンダーシリーズからUFC入り。オーソドックス構えのクラークはレスリングベース。左オーバーハンドを当てるムルザカノフ! サークリングするクラーク。追うムルザカノフは今度は左ストレート。
クラークはスイッチしての左ローを当てる。金網を背負わせるムルザカノフはまたも左オーバーハンドをヒット! 右ジャブもダブルで当てる。金網背にしながらも右のスナップを効かせたハイキックを当てるクラーク! ムルザカノフは組んで凌ぐ。
2R、踏み込み速く左ストレートを突くムルザカノフ。さらにワンツー! 左フックも浴びたクラークは金網に釘付けに。ムルザカノフはボディロックからスタンドバックでヒザを突き、離れたクラークに左をあてると、クラークがダウン!
ハーフからパウンドするムルザカノフに蹴り上げで立とうとするクラーク。その立ち上がりにエルボーで飛び込むムルザカノフ。
3R、挽回したいクラークが前に。しかしムルザカノフの左ボディストレートに後退。クラークは左前蹴りを突くが、ムルザカノフは金網に詰めて強烈な左ボディ! クラークがダウン。ムルザカノフがUFC2連勝。戦績を負け無しの12勝無敗とした。
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▼女子バンタム級 5分3R〇プリシラ・カショエイラ(ブラジル)12勝4敗(UFC4勝4敗)135lbs/61.24kg[1R 1分05秒 TKO]×アリアネ・リプスキ(ブラジル)14勝8敗(UFC3勝5敗)135.5lbs/61.46kg
1R、ともにオーソドックス構え。先に圧力をかけるカショエイラはリプスキの左に左のカウンターを当てると、金網に詰めて左右を連打。リプスキも打ち合いに応じるが、カショエイラの右を浴びてダウン! 鉄槌連打に頭を押さえて丸くなるリプスキを、ハーブ・ディーンレフェリーはしばらく見て、間に入った。
2月のキム・ジヨン戦に続いて連勝したカショエイラは、「みんなありがとう、チームフィゲイレードのおかげよ。ここに来ている、メキシコのみんのために戦った。やられたって巻き返す、それが私のやり方よ。ダナ、来週にだって試合をしたい!」とアピールした。
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▼ミドル級 5分3R〇ジェラルド・マーシャート(米国)35勝15敗(UFC10勝7敗)185lbs/83.91kg[3R 1分39秒 ギロチンチョーク]×ブルーノ・シウバ(ブラジル)22勝8敗(UFC3勝2敗)186lbs/84.37kg
ミドル級。UFC3勝1敗のシウバはキックがバックボーンだが、2022年3月の前戦では元GLORY世界ライトヘビー級王者のアレックス・ペレイラに判定負け。対するマーシャートはUFC9勝7敗、8つの一本勝ちをマークするグラップラー
1R、サウスポー構えのマーシャートは左ミドル。オーソドックス構えのシウバも右ミドルを当てる。圧力をかけるシウバにカウンターのダブルレッグテイクダウンで背中を着かせるマーシャート。インサイドから中腰になる頭を抱えながらパウンド。ヒジを打ち込み、体を離して連打する。
2R、サウスポー構えにスイッチしながら圧力をかけるシウバ。左ストレート、ミドルで追うが、左ミドルを当て返すマーシャート。さらに左ロー。シウバのワンツーをスウェイでかわし、左ハイ、左ミドルをヒットさせる。
オーソドックスに戻したシウバ。右ジャブを突き、前ががりになってストレートを放つが、マーシャートがさばいて倒してブザー。
3R、シウバのワンツーをスウェイでかわすマーシャート。前に出てシウバの首に手をかけて引き寄せ、放れたところに左フックを当てると、シウバはヒザから崩れ落ちてダウン! 座り込んだシウバの首を獲り、ノーアームギロチンチョークでタップを奪った。
「27回目の一本勝ち? 最高だよ。ブルーノはタフな相手だった。1、2R目はスローでちょっと危なかったけど、しっかり極められてよかった。彼がいいジャブを持ってたけど、開くチャンスを待っていたよ。次? アンドレ・ペトロフスキーが僕とやりたがっているようだから」と語った。
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【プレリム】
▼キャッチウェイト 5分3R〇アンジェラ・ヒル(米国)14勝12敗(UFC9勝12敗)120lbs/54.43kg119.5lbs/54.20kg)[判定3-0] ※29-28×3ルーピー・ゴディネス(メキシコ)8勝3敗(UFC3勝3敗)119lbs/53.98kg
120ポンドキャッチウェイト。女子ストロー級13位のヒルはムエタイがバックボーンのストライカー。2021年3月にアシュレイ・ヨーダーに判定勝ちも、テーシャ・トーレス、アマンダ・ラモス、ヴィルナ・ジャンジローバの強豪相手に3連敗中。
柔道ベースのゴディネスは2連勝中。緊急参戦した2021年10月のルアナ・カロリーナ戦こそ階級上のフライ級で判定負けも、10月にPANCRASEでも活躍したローマ・ルックブンミーに判定勝ちすると、2022年5月7日の前戦でもアリアナ・カーネロッシに判定勝ちを収めている。
1R、ともにオーソドックス構え。右オーバーハンドを当てたゴディネスに下がるヒルだが、組んでの右の小手で凌ぎ、スタンドに。なおもヒルの打ち終わりに左右をまとめるゴディネス。ワンツーの右が当たる。ヒルも長い左ジャブを突くが、飛び込みが速いゴディネス。
ヒルは右ストレートを返すと、ハイキックもガード上に当てると手数を増やして応戦。さらに距離が空くと、左の跳びヒザをボディに突く。残り1分を切ると、ダブルレッグで前に。離れ際に左ハイを当てて、右ロー、跳びヒザ、ヒジと多彩な攻撃をと散らして反撃。
2R、ワンツーの飛び込みはゴディネス。左ジャブの刺し合いは長いヒル。ゴディネスはシングルレッグも、ヒルは首を抱えて後方にスイープ! スタンドに。今度はヒルからシングルレッグに入るも深追いはせず足を離す。右ボディストレートのヒル。近くなるとワンツーのゴディネスだが攻撃が単調に。
上中下に散らすヒルが圧力をかけ、ゴディネスのパンチを見切り、左ハイをガード上に打ち込む。右で差して組んだヒルが前方に崩してテイクダウン! 亀になるゴディネスにバックマウントからパウンド、腕十字を狙いブザー。
3R、右ストレート、ワンツーを打ち込むゴディネス。互いに右の相打ちから前に出るのはヒル。左ジャブを突く。手数を増やしてきたゴディネスだが、ヒルの右を被弾。前に出て来たヒルにダブルレッグを決めるが、すぐに立ち上がるヒルは右ハイ!
ガードしたゴディネスだが、ヒルはシングルレッグに入って放して右を狙い、左ハイ、跳びヒザ、左ハイ。体を入れ替えるゴディネスだがヒルは金網を背にせず、中央に押し戻してブザー。ヒルが判定勝ちで連敗から脱出した。
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▼ヘビー級 5分3R〇マルティン・ブダイ(スロバキア)11勝1敗(UFC2勝0敗)266lbs/120.66kg[判定2-1] ※29-28×2, 28-29×ルーカス・ブジェスキー(ポーランド)8勝2敗(UFC0勝1敗)236.5lbs/107.27kg
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▼女子フライ級 5分3R〇ニーナ・ヌネス(米国)11勝7敗(UFC5勝4敗)125.5lbs/56.93kg)[判定2-1] ※29-28, 30-27, 28-29×シンシア・カルビーヨ(米国)9勝5敗(UFC6勝5敗)125.5lbs/56.93kg)
女子フライ級12位のカルヴィーヨと、ストロー級9位のヌネスの対戦。7月9日に組まれていたが、ヌネスの体調不良で今回に延期となっていた。
女子フェザー級王者アマンダ・ヌネスがパートナーのニーナ・ヌネス。テコンドーをベースに、UFCではストロー級でクラウディア・ガデーリャに判定勝ちするなど4連勝していたが、2019年6月にタチアナ・ソウザに判定負けすると、出産からの復帰初戦となった2021年4月のマッケンジー・ダーン戦でテイクダウンを奪われ腕十字で一本負け。2連敗でフライ級に上げて、再起戦に臨む。 ニーナのコーナーにはパートナーのアマンダがつく。
対するカルヴィーヨは、MMA8勝5敗1分け。ストロー級で5勝1敗1分けの戦績を残したが、体重超過もあり、20年6月からフライ級転向。ジェシカ・アイに判定勝ちも、ケイトリン・チョケイジアン、ジェシカ・アンドラージ、アンドレア・リーを相手に3連敗中。
1R、ともにオーソドックス構え。右ローを当てるヌネス。カルビーヨはワンツーの右を届かせる。ヌネスは右のカーフをこつこつと当てる。
さらに右カーフも、その蹴り足を取ってテイクダウンも押さえ込めず、すぐに立ち上がるヌネス。逆にカルビーヨも右ローを返すが、ヌネスの右カーフに、足が止まりがちになる。
ヌネスの左のサイドキックの打ち終わりに組むカルビーヨだが、崩すことが出来ず。突き放すヌネス。カルビーヨは右から左の入りも。
2R、右の前蹴りを突くヌネス。カルビーヨも廻し蹴りを見せる。右カーフキックを当てるヌネス。カルビーヨの遠間からの組みは突き放す。右から左ストレートを伸ばすカルビーヨ。ヌネスは左の蹴りを出すが、カルビーヨの掴みに蹴りを繰り出すのを警戒。
ヌネスの右ローを掴んでテイクダウンはカルビーヨ。クローズドガードのヌネスは足を解いて胸を蹴り上げて立とうとするが、カルビーヨはすぐについて上をキープ。インサイドから細かいパウンドだが手数足りない。
下からの蹴り上げで立つことに成功したヌネスは逆にダブルレッグを見せてから打撃に。左ハイをガード上に当てる。
3R、左サイドキックを突くカルビーヨに、右の廻し蹴りを見せるヌネス。カルビーヨの入りをさばき、右カーフキックを当てる。続く右ローの打ち終わりにシングルレッグに入るかるだが、後ろを向いて足を抜くヌネス。
ブーイングのなか、こつこつ前足を蹴るヌネス。右フックを振ると、そこにダブルレッグを合わせたカルビーヨが尻餅を着かせるが、すぐに金網まで這い立ち上がるヌネス!
みたび右カーフキックを当てると、右アッパー、左ハイも狙う。その打ち終わりに足を取りに行くカルビーヨだが組めず。ワンツーを返す。
右の飛び込み、左ハイと攻めるヌネスは、左ハイをガード上にヒット。右ローを取りに来たカルビーヨも突き放しブザー。
判定は2-1(29-28, 30-27, 28-29)に割れ、ヌネスがフライ級で勝利。
試合後、ヌネスはグローブをマットに置き、「戦うために必死にやってきました。ファイターとして、やりたいことはやったと思う。もともと趣味で始めたことなのに、ここまで来ました。今後はコーチングに集中し、今苦しんでいる女子ファイターたちを育てるつもりです。それに、もっと子供も欲しいですし、もう一人産むために身を退きます」と引退を表明。愛娘を抱き上げ、ケージのなかでアマンダ・ヌネスと記念撮影。
MMA戦績11勝7敗、UFC5勝4敗と勝ち越して、オクタゴンを降りた。
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▼ライト級 5分3R〇ガブリエル・ベニテス(メキシコ)23勝10敗(UFC7勝6敗)155lbs/70.31kg[1R 3分35秒 TKO] ※マウントからのパウンド×チャーリー・オンティベロス(米国)11勝9敗(UFC0勝3敗)155lbs/70.31kg
1R、オーソ構えから入るオンティベロスの踵落としの打ち終わりに組みに行くベニテス。放し際にヒジを突く。ともにサウスポー構えに。
右前蹴り、左ミドルを当てるオンティベロス。ベニテスも左ストレートを蹴りに合わせに行く。左の後ろ廻し蹴りを見せてから、そのままミドルに繋ぐオンティベロス。
踵落としもかわすベニテスは右で差して左ヒジ。オンティベロスは左目下から出血。ベニテスのローブローに中断、再開。
ベニテスは詰めて左ストレートを当てると、金網に詰めて左右の打ち合いから一転、リフトしてのダブルレッグテイクダウン! すぐにマウントを奪いパウンド連打! レフェリーが間に入った。
ライト級に戻したベニテスは連敗脱出。試合後、「打ち合いになると思っていた。これまでより強くなっている。金網に詰めたらテイクダウンはプランだった。何でも出来る。すべてを極わめていくよ」と笑顔で語り、多くのメキシコ系観客の歓声に応えた。
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平良達郎のフライ級で注目カード
▼フライ級 5分3R〇タイソン・ナム(米国)21勝12敗(UFC3勝3敗)126lbs/57.15kg[1R 2分59秒 TKO]×オデー・オズボーン(ジャマイカ)11勝5敗(UFC3勝3敗)5125lbs/56.70kg
平良達郎の階級のフライ級で、オデー・オズボーン(ジャマイカ)vs.タイソン・ナム(米国)が組まれている。
MMA11勝4敗でUFC3勝2敗のオズボーンは、「Contender Series 2019」からUF入りし、ジェロム・リヴェラに左クロスで26秒 KO勝ちすると、2021年8月に元RIZINバンタム級王者のマネル・ケイプと対戦。オーソにスイッチしたケイプの跳びヒザ蹴りを受けてKO負けも、以降、2021年10月15日に平良が対戦するC.J.ヴァルガラに判定勝ち、2022年6月には、ザルク・アダシェフを下がりながらの右オーバーハンドで61秒KO勝ちを決め、自身初のUFC2連勝をマークしている。
対するナムは、MMA20勝12敗でUFC2勝3敗とオクタゴンでは黒星先行。ハワイX-1でショージン・ミキに判定勝ちするなど活躍後、2019年9月にUFCデビューし、セルジオ・ペティスに判定負け、2020年2月にカイ・カラフランス判定負けで苦い2連敗を喫した。しかし、2020年6月にオズボーン同様にアダシェフにカウンターの右で32秒 KO勝ちすると、リヴェラも右クロスでTKOに仕留め、2連勝。2021年1月の前戦ではマット・シュネルにスプリット判定で敗れており、今回のオズボーン戦で星を五分に戻すことが出来るか。
C.J.ヴァルガラに判定勝ちし、ケイプに敗れているオズボーンの戦いから、フライ級ランカー以外の選手の実力測定にもなるであろうこの戦いは、10月の平良戦も見据える上で、注目の1戦だ。
1R、サウスポー構えのオズボーン。オーソドックスのナム。左三日月蹴りで前に出るオズボーン。さらに右前手のフック。ブロッキングのナムは右を振って足を触るが切るオズボーンは左の前蹴りを腹に突く。
右前蹴りを返すナムだが、オズボーンは左ミドルをすぐに返す。右ボディストレートを狙うナム。オズボーンの素早い右と交錯する。
ワンツーの右をスピーディなスウェイでかわすオズボーン。回転速くパンチ、しかしナムは笑顔で近い距離で戦う。圧力をかけ始めたナム。跳びヒザを見せたオズボーンだが、それをバックステップでかわしたナムが、オズボーンが着地したところに右フック! 倒れて後転したオズボーンにすぐにパウンドし、レフェリーが間に入った。
試合後、ナムは「キツかったけど、あの跳びヒザは2回目。分かっていたからかわしたよ。次に戦いたい相手? SNSで言うよ(笑)」と語った。
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▼キャッチウェイト(180lbs)5分3R〇ジョシュ・クインラン(米国)6勝0敗(UFC1勝0敗)175lbs/79.38kg[1R 2分09秒 KO]×ジェイソン・ウィット(米国)19勝9敗(UFC2勝4敗)179.5lbs/81.42kg
オーソドックスのウィットの踏み込んでの左ミドルに、クインランがカウンターの左フック!
ウィットは後方に大の字で倒れ、鉄槌で飛び込んだクインランはぎりぎりのところで追打の拳を止めた。UFCデビューを鮮烈KO勝利で決めたクインランはMMA6戦全勝に。
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▼バンタム級 5分3R△ユーセフ・ザラル(モロッコ)10勝5敗1分(UFC3勝3敗1分)135.5lbs/61.46kg[判定1-0 ドロー] ※29-28, 28-28×2△ダモン・ブラックシア(米国)12勝4敗1分(UFC0勝0敗1分)134lbs/60.78kg