▼セミファイナル(第10試合)寺戸伸近 引退エキシビションマッチ
―寺戸伸近(Booch Beat/第2代RISEバンタム級王者、元ISKA K-1ルール世界スーパーバンタム級王者、第5代Krushスーパー・バンタム級王者、第2代M-1バンタム級王者、第24代全日本バンタム級王者)
勝敗なし
―那須川天心(TARGET/Cygames)
寺戸は2003年12月に全日本キックでプロデビュー。2009年1月に全日本バンタム級王座に就くと、3月にM-1バンタム級王座、11月にRISEバンタム級王座に就き三冠王となった。2010年からはKrushを主戦場とし、2014年8月にISKA K-1世界バンタム級王座も獲得、2016年3月にKrushスーパー・バンタム級王座も奪取した。ダウンを奪われてからの逆転勝利も多く、数々の名勝負を残している。
2017年11月のKrushタイトルマッチで久保賢司を延長戦の末に破り、2度目の防衛に成功したのが最後の試合となった。生涯戦績は40勝(16KO)11敗1分。
試合当日の正午まで「X」とされていたその対戦相手は那須川天心だった。寺戸は2009年11月に第2代RISEバンタム級王者となり、その後タイトルを返上。那須川は2015年5月に第6代同王座に就いており、歴代の王者同士が拳を交えることになった。また、寺戸が最後の試合を行った当時(2017年11月)には、両者の対戦を臨む声もあったドリームカードが3分1Rのエキシビションマッチながら実現することに。
1R、パンチ&ローの寺戸に那須川はジャブを突き、寺戸のパンチをボディワークでかわしていく。さらに突然ギアを上げての連打で前へ出るとスピーディーなコンビネーション。寺戸もこれにパンチと蹴りで応戦する。那須川は寺戸を首相撲で転がすとトリケラトプス拳。那須川はノーガードになって寺戸のパンチを顏で受ける(スリッピングアウェー)場面も。那須川は最後まで蹴りを一発も出さずパンチのみで寺戸と拳で語り合った。
エキシビションを終えた那須川は「昔から活躍していた寺戸さんが引退ということで、こういった形で最後に拳を交えられて嬉しく思います。僕はキックボクシングを離れたんですけれども、心の中ではRISEの選手ですし、またこういったことがあればRISEに戻って来たいと思います。寺戸選手は自分で団体をやられていて、若い選手を育てて強くなったらRISEに上げてという育成をしていただいていて。キックボクシングのためにも格闘技のためにもなると思うので、寺戸さんの今後の活躍を期待しています。
あと、僕はいつボクシングに行くんだと言われてますが、今しっかり準備していくので面白い発表が近々出来るかもしれないので楽しみにしておいてください。テレビに出ていますが、毎日絶対に練習しているので、誰よりも練習している自信があるので今後も期待してもらえればと」と、寺戸にエールを送り、自身の今後についても触れた。
続いて寺戸の引退セレモニーが行われ、寺戸は「自分は20歳を過ぎて格闘技に出会い、20歳を過ぎてから練習を始めて23歳でデビューして頑張ってきました。RISEでも王座を獲らせてもらってキックボクシングの世界で輝くことが出来ました。今日も県外からたくさん応援に来ていただいています。ここに立っているのは応援してくれる皆さん、協力してくれる関係者の皆さんのおかげだと思っています。自分は実力のない人間ですが、周りの人のおかげで立たせていただいています。
自分の格闘技人生は幸せでした。皆さんに出会えて最高でした。この舞台に上がるにあたってチーム黒船で練習させてもらって最高でした。全日本キック時代から尊敬している大先輩の小林聡さん、MMAのレジェンド川尻達也さんも来ていただいてありがとうございます。現役を退いて後輩の育成に励みたいと思います。今は新空手の久保坂代表とStand UPというイベントを立ち上げてGMとして活動させてもらっています。若手の選手に経験を積んでもらってRISEの舞台、大きなリングで、世界で活躍する選手が育っていくのを期待しています、この後もキックボクシングに関わらせていただいて精進していきたいと思います。皆さんに出会えて最高でした」と挨拶。