シュートボクシング
レポート

【シュートボクシング】海人がヒジでカットされ流血の大苦戦も延長2回で勝利、笠原弘希もロンペットに辛勝、笠原友希が常陸飛雄馬に衝撃のKO負け

2022/09/17 22:09

▼53.5kg契約 エキスパートクラス特別ルール 3分3R延長無制限R
〇HIROYUKI(RIKIX/元新日本バンタム級&フライ級王者)
TKO 2R 2分41秒 ※3ノックダウン
×伏見和之(RIKI GYM/SB日本バンタム級2位)


 伏見は2008年5月28日にプロデビュー。2012年6月に第12代SB日本スーパーバンタム級王座決定戦でタイトルに初挑戦するも藤本昌大に判定負け。2014年2月に王者・藤本に挑戦し、判定勝ちでリベンジ&ベルト奪取に成功した。2013年11月にはMA日本バンタム級暫定王座も獲得、SB王座は2014年11月に内藤大樹に奪われ、その後、王座奪還に向け現王者の植山征紀とは2度に亘る激闘を繰り広げた。前戦となった昨年12月には、階級を下げSB日本バンタム級王座決定戦で佐藤執斗と対戦し、4RKO負けを喫している。戦績は32勝(8KO)21敗1分。


 HIROYUKIは目の良さと身体能力の高さを活かし、打たせずに打つ試合が持ち味。時折、派手な蹴り技も見せる。新日本キックボクシング協会の第6代日本フライ級王者&第12代日本バンタム級王者。様々な団体に参戦しており、2021年7月には『NO KICK NO LIFE』でムエタイ五冠王の鳩を鮮やかなハイキックでマットに沈め、9月のBOMでは二冠王の稔之晟に判定勝ち。今年1月には大ベテランの藤原あらしをTKOに降すと、4月にSB初参戦。内藤啓人と延長戦にもつれ込む接戦を制した。続く6月にはSB日本バンタム級王者・佐藤執斗からバックドロップでシュートポイントを奪うなどして延長戦で勝利。王座挑戦は決定的と見られていた。戦績は30勝(13KO)10敗4分。


 1R、右ローの蹴り合いからスタート。HIROYUKIはステップを踏みながら少しずつ距離を詰めていく。伏見は右を打って下げさせ、右カーフを蹴る。HIROYUKIは右ローを狙い撃ち、伏見は得意の左ボディブローを打つ。またもジャブを打ちながらジリジリと前へ出るHIROYUKIへ伏見は右クロスを狙うがHIROYUKIはかわす。伏見が入ってきたところにHIROYUKIが右フックから左フック。これでグラついて伏見は下がる、伏見が右ストレートから左フックを返したところへ、HIROYUKIが左フックのカウンターでダウンを奪う。


 2R、HIROYUKIは前蹴り、右ローそしてジャブ。伏見は左フックをヒットさせると一気にラッシュを仕掛けて打ち合いに持ち込むと、HIROYUKIもこれに応じて打ち合いとなるが左フックでダウンを奪ったのはHIROYUKIの方。立ち上がった伏見は左右ボディを打つが、HIROYUKIは鋭角なヒザを突き刺し、ワンツーを打つ。左フックを空振りした伏見に右ハイでダウンを追加するHIROYUKI。伏見は左右フックでなおも打ち合いを挑むが、HIROYUKIはよく見て右フックで3度目のダウンを奪い伏見を介錯した。


 試合後には伏見の引退セレモニーが行われ、恩師である鈴木剛生・初代RIKI GYM会長も車椅子でリングイン。伏見は「俺が初めてジムに行ったのが14歳で、その時に無料で地域の問題児に無料で教えてくれて。僕は先生に教えてもらったことを次につなげたくて。金もなかったし何もなかったけれど自分でジムやれて、俺は先生みたいに無料で教えられないしお金をとっちゃってるけれど、少しでも人の心に残るファイターで、人の心を動かせるファイターになりたくて。今日負けちゃったけれど誰かの心に残れたかな? ひとつ形になったと思います。だから俺、これでプロの仕事終えようと思います。先生の教えは次の誰かに託します」と挨拶。


 最後に10カウントを聞き、リングに深々とお辞儀をして現役生活に別れを告げた。

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