カラクァートのヒジをカウンターで迎え撃った海人。紙一重の攻防が続いた 撮影/安村発
SHOOT BOXING 2022 act.4
2022年9月17日(土)東京・後楽園ホール
▼70.0kg契約 エキスパートクラス特別ルール 3分3R延長無制限R ※ヒジあり
〇海人(TEAM F.O.D/S-cup2018世界王者)
延長2R 判定3-0 ※10-9×3
×ケンダル・カラクァート(ベルギー/トルコ/MAX MuayThai-76kg級王者)
※本戦の判定は30-30×3。
シュートボクシング(以下SB)の絶対的エースの海人は2014年2月にデビュー。2017年11月にトーナメントを制してSB日本スーパーライト級王座を獲得し、2018年11月にはS-cup2018 -65kg世界トーナメント優勝。その活躍はSB内だけに留まらず、RISEでは緑川創や“ブラックパンサー”ベイノアを破り、REBELS(現KNOCK OUT)では日菜太との70kg級日本人最強決定戦を制し、RIZINでも3戦全勝。4月のRISEではベイノアとの再戦で1Rわずか41秒でKO勝ちし、6月の『THE MATCH 2022』ではK-1 WORLD GPウェルター級王者・野杁正明を延長R判定3-0(10-9×3)で破り国内頂上決戦を制すると、8月のRISEではvs.日本人無敗を誇ったサモ・ペティにも延長戦の末に勝利して現在13連勝中。戦績は47勝(21KO)6敗1無効試合。
その海人が今回迎え撃つカラクァートは、タイで人気のムエタイイベント『MAX MUAYTHAI(マックス・ムエタイ)』を主戦場とする選手。現在7連続KO勝ちしており、35勝8敗の好戦績を誇る。得意技はヒジ打ち。
1R、海人は強い右カーフを狙い撃ちしていき、カラクァートはジャブ。海人が右カーフを蹴るとカラクァートはパンチで前へ出てくるが、そこへ海人はカウンターの右ヒジを合わせるが、カラクァートも左の縦ヒジ。ジャブの突き合いからカラクァートも右ヒジを出すが海人は腕で受ける。海人は左右ローでカラクァートの前足カーフを蹴り続け、左ボディも。海人はカラクァートのヒジで鼻から出血が見られる。
2R、カラクァートは左縦ヒジを見せながら、ジャブと右ロー。海人はカーフを蹴りながら前へ出ていくがジャブに押し戻される。カラクァートは海人の前蹴りをキャッチすると足を引いて崩しての左ボディ。カラクァートの左フックをかわした海人は左フックをクリーンヒット。
3R、カラクァートは両手を前に出すようにして海人のジャブを受け、ローを蹴っていく。前に出てくるカラクァートに左フックを打つ海人だが、カラクァートはパンチをもらいながらも前に出て来る。海人の右カーフで左足が流れるカラクァート。しかし、カラクァートはすかさず左ボディを打つ。左右フック、右ストレートと海人がパンチを当てていくが、カラクァートは下がらず前へ出続ける。
海人のパンチのヒットはあったが、ジャッジ三者とも30-30でドロー。延長戦へ突入する。海人のワンツーにカラクァートは左右ボディ。海人は右ストレートを当てるが、カラクァートはやはり下がらず前へ出続ける。同時に左の縦ヒジを出す両者。入り込んでのヒジを狙うカラクァートに海人は左ストレートから右フック、さらにワンツーと右のパンチを当てていくが、カラクァートは海人が左ボディを打とうとしたところへ左の縦ヒジ。これで海人は右まぶたをカットされて流血、ドクターチェックを受ける。再開後、前へ出てカーフを蹴る海人。ボディから顔面へのコンビネーションをつなげると、カラクァートは蹴りを返す。
延長戦の判定は10-10×2、10-9(海人)で再延長戦へ突入。カーフを蹴る海人に前へ出るカラクァート。海人は右カーフを徹底連打していく。それでもジャブを出して前へ出てくるカラクァートに海人がワンツー、カラクァートはヒザ。海人の右フックにカラクァートは右ヒジを思い切り打つ。終了間際、カラクァートは再び思い切り右ヒジを打つが、そこへ海人がカウンターの右ストレートをクリーンヒットさせる。
判定は3-0で辛くも海人が勝利。カラクァートは納得がいかない表情で首を横に振るが、海人と抱き合って健闘を称え合った。
右まぶたを切られ、顔も腫れた海人はマイクを持つと「自分でも納得がいってないです。でも自分はシュートボクサーが最強やと世界へ向けて証明していきます。もっともっと強くなります。これからも世界の強い人を倒していきます。僕に期待してください。必ず証明します」と、8月のサモ・ペティ戦に続く苦闘に笑顔はなく、もっと強くなると誓った。