メインイベントでは、英国大会出場が危ぶまれていたロシアのアレクサンドル・ヴォルコフと、地元・英国のトム・アスピナルが対戦した。
ヘビー級(5分5R)で、ヴォルコフは6位、アスピナルは11位。
サンボでヒョードルに勝利したブラゴイ・イワノフをBellator時代にリアネイキドチョークで極めている元Bellator王者のヴォルコフ。極真空手出身の33歳で、201cmの長身から高くて長い蹴りを武器とする。
UFCではステファン・ストルーフ、ファブリシオ・ヴェウドゥム、アリスター・オーフレイムらをKOしており8勝3敗。
戦時下にある母国から出場するヴォルコフは試合前に「どんなに辛い状況に身を置かれていても、プロフェッショナルでいなくてはならない。僕はそうであった。練習し、来るべき試合に備えていた。そしてファンのために、UFCのためにしっかりと試合をする。それがプロだ。たとえこんな情勢でも」とコメントしており、気持ちを作れているか。
対する英国のアスピナルは初メイン。ポーランド系英国人の家庭に生まれ、チーム・カオボンの柔術インストラクターである父から学んだ柔術で黒帯。レスリング・ムエタイ・ボクシングなどを学び、22歳から元WBAスーパー・IBF・WBO世界ヘビー級統一王者。現WBC世界ヘビー級王者のタイソン・フューリーのスパーリングパートナーを務めた。
Cage Warriorsでの連勝から、2020年7月にUFCデビューし4連勝。全試合フィニッシュ勝利している28歳。今回が初の上位ランカーとの対戦となる。
▼ヘビー級 5分5R
〇トム・アスピナル(英国)12勝2敗(UFC5勝0敗)252lbs/114.31kg
[1R 3分45秒 ストレートアームバー]
×アレクサンドル・ヴォルコフ(ロシア)34勝10敗(UFC8勝4敗)253lbs/114.76kg
1R、ともにオーソドックス構え。ワンツーで右を打ち込むアスピナル! ヴォルコフは長い左の蹴りで距離を取り、右を突こうとするがアスピナルはボディロックテイクダウン! ハーフガードのアスピナルにヒジを打ち込む。さらに鉄槌。
左で差してきたヴォルコフにキムラグリップを組もうとするアスピナル。ヴォルコフは腕を外して金網背に立ち上がる。
早い左ジャブのダブルから右を突くアスピナル。ヴォルコフは左ハイもそれをスウェイでかわしたアスピナル。続く右ストレートを潜ったかわしたアスピナルはそのままダブルレッグテイクダウン! ヴォルコフはハーフガードだったが、心が折れたか、足を効かせることなくストレートアームバーにタップした。
That's that Andy Aspinall BJJ! #UFCLondon pic.twitter.com/dH3Fx6abHP
— UFC Europe (@UFCEurope) March 19, 2022
試合後、アスピナルは地元の観衆に「みんな聞いてくれ、俺はこのために生まれてきたんだ。(最強の相手を瞬殺した秘訣は?)自分、父、チームメイトみんなを信じてきたことさ。みんな俺にビールをおごってくれるよな?」と語りかけると大歓声。
「ビールを飲むのはUKが最高、オーストラリアじゃなくってね、さあタイ・トゥイバサ、UKでやろうじゃないか!」とヘビー級3位のトウィバサの名前を挙げた。