ぱんちゃんが気迫満点の右フックでダウンを奪って勝利 撮影/安村発
KNOCK OUT vol.2
2022年3月12日(土)東京・後楽園ホール
▼メインイベント(第8試合)初代KNOCK OUT-BLACK女子ミニマム級王座決定戦 3分3R延長1R
○ぱんちゃん璃奈(STRUGGLE/元KNOCK OUT-BLACK女子アトム級王者)
判定3-0 ※30-26×2、30-27
×喜多村美紀(テツジム)
※ぱんちゃん璃奈が初代王座に就く。二階級制覇。
ぱんちゃんはアマチュアで優勝経験を積み、2019年2月にプロデビュー。パク・シウ、ペットチョンプーらを相手に無敗の快進撃を続け、2020年8月にシュートボクシングのトップ選手であるMISAKIを破ってREBELS-BLACK女子46kg級初代王座(REBELSとKNOCK OUTの統合により現在はKNOCK OUT-BLACK女子アトム級王者)に就いた。2021年5月、二冠王のMIREYを右ストレート一発でマットに沈めると、この試合がバラエティー番組『ノブナカなんなん』で地上波放映され反響を呼ぶ。7月には最強の敵と目されたミネルヴァ・ライトフライ級王者sasoriをも退け、9月にはRIZIN初出場で百花に判定勝ち。デビュー以来無敗の12連勝(2KO)をマーク。
喜多村は、“魔人”と呼ばれ90年代に活躍したキックボクサーであるガルーダ・テツの弟子。約7年のアマチュアキックでの下積み時代を経て、2015年、29歳にしてプロデビュー。遅咲きながらもメキメキと頭角を現し、これまでに小林愛三、寺山日葵などのトップ選手と対戦経験がある。2月のNKBでは同門のsasoriとタイトルマッチで対戦して引き分けた。8月のKNOCK OUT-EXではERIKOに判定2-0で惜敗。ガルーダ・テツ譲りの決して折れないファイトスピリット、テクニックに定評がある。
1R、ぱんちゃんはバックステップで喜多村の攻撃をかわしつつ、左ローを蹴って右ストレートを伸ばしてヒットさせる。得意の前蹴りがヒットすると一気にワンツーで攻め込むぱんちゃん。ワンツーをヒット、そして前蹴りとリーチの長さを活かしたぱんちゃんの攻撃が当たる。喜多村はぱんちゃんが入ってくるところへ左フックを合わせる。以前よりも相手をよく見て、ステップで相手の攻撃をかわすぱんちゃん。
2R、前に出てパンチを放ってくる喜多村にぱんちゃんは前蹴りで突き放しての右ストレート、ワンツーで対抗。前蹴りをフェイントしての右ストレートも。リーチを活かした真っ直ぐの長い攻撃を当てて自分の距離で戦うぱんちゃん。喜多村は飛び込んでの左フック。ぱんちゃんはその入ってくるところに右のカウンターを合わせ、バランスを崩した喜多村にもう一度右フックを入れてダウンを奪う。その後も右ストレートを何度もまともにもらう喜多村だが、それでも前に出る。ワンツーから右ロー、入ってくる喜多村へ右ストレートとぱんちゃんの右が冴えわたる。
3R、前に出てボディを打とうとする喜多村にぱんちゃんが顔面前蹴り。前蹴りで突き放してジャブを打つぱんちゃん。喜多村はガムシャラにフックで攻めるが組みが多くなる。距離が空くとぱんちゃんの右ストレート、前蹴りがヒット。喜多村は突っ込んで一発当てるがクリンチ。ラスト30秒、ぱんちゃんはランランと目を輝かせ、前蹴りと右ストレートを何度もクリーンヒット。特に右のカウンターの精度かなり上がり、何度も強烈にヒットする。
終了のゴングが鳴ると、勝利を確信したぱんちゃんは笑顔。その通り、判定3-0でぱんちゃんが2階級制覇に成功した。
新たなベルトを巻いたぱんちゃんは「本当にこんなに大勢の人が来てくれると思っていなくて、めちゃめちゃ気持ちよかったです。半年ぶりにリングに立てて、怪我もあっていろいろ難しいこともあったんですが、私はリングの上でしか輝けないので、少しでも皆さんが何かを感じ取っていただけたら幸せです。倒せなかったんですがダウンをとったので、前進できたのでよしとしてまた頑張ります。KNOCK OUTの看板選手として引っ張っていけるようにスターになるので、これからもよろしくお願いします」と、時折声を詰まらせ目を潤ませながらアピールした。