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プロフェッショナル修斗公式戦
2022年1月16日(日)東京・後楽園ホール
▼第11試合 環太平洋バンタム級チャンピオン決定戦 5分3R
〇小野島恒太(同級1位/CWD)
[判定3-0] ※29-28×2, 30-2
×藤井伸樹(同級3位/ALLIANCE)
現環太平洋バンタム級王者・安藤達也が同王座の初防衛を果たし、今後の目標を世界タイトルに絞ることを理由に王座返上。第10代環太平洋バンタム級チャンピオン決定戦が同級1位・小野島恒太(CWD)と同級3位・藤井伸樹(ALLIANCE)で争われることとなった。
小野島はこの2年、よしずみと一條貴洋に判定勝ち、石井逸人と野尻定由にドローと負けなしで抜群の安定感を誇り、インフィニティリーグでも2勝2分。ポイント差で優勝とはならなかったが、長らくバンタム級のトップに君臨する実力者。デビュー13年目を迎え初のタイトルショットに挑む。
対するは毎回泥試合となり、バンタム級で“最も戦いたくない相手”と言わしめる“ゾンビ”藤井伸樹。この2年では田丸匠に判定負けも後藤丈治、加藤ケンジに判定勝ちで2連勝中だ。超攻撃型+無尽蔵なスタミナを誇り、試合開始から終了まで常に動き止めない“アンストッパブル”がいよいよベルトに王手をかける。
修斗最激戦区のバンタムで一つ抜きん出るのは小野島か? 藤井か? 最終ラウンドまで終わることのないエンドレスファイトに注目だ。
1R、サウスポー構えの小野島、オーソドックス構えの藤井。小野島はスイッチしての右カーフキックを当てる。オーソドックス構えとなる小野島。オーソから左の蹴りも見せる。
左を振る小野島。右にさばく藤井。小野島は右で差して前に。金網い押し込みいったんクラッチを組むが、切る藤井が体を入れ替えると、すぐに小野島がまた金網に押し込む。ブレーク。すぐに詰める小野島。その離れ際に両者、打撃を狙いブザー。
2R、右オーバーハンドの小野島を避け、前足にシングルレッグも切る小野島が右で差して前に。体を入れ替える藤井に、すぐに小野島は体を入れ替え、藤井のしつこいタックルの連続アタックを切ると、逆にダブルレッグテイクダウン! 立つ藤井だが、そこをすぐに詰めてケージレスリングを挑む小野島。藤井の右に、小野島も左を返すと、シングルレッグへ!
顔を剥がす小野島は左で小手に巻き、右手をおっつけて前に出る。右ストレートを打つ藤井に右をかぶせる小野島は、離れ際に左ミドルを打ち込みブザー。接戦もここまでは小野島が試合を作る。
3R、左右の蹴りを見せる小野島。早めにシングルレッグは藤井だが、すぐに差し上げる小野島。藤井は左ジャブの連打、しかし小野島もジャブ、右フックを返す。低いタックルをスプロールして切る小野島。
右の前蹴りをダブルで突く藤井。さばく小野島は左に回りボディ! フックを的確に当て、藤井のテイクダウンを切る。シングルレッグで片足を上げる藤井だが、差し返す小野島。藤井の左に右をかぶせる小野島! さらに左の蹴りも。
藤井はシングルレッグを掴み、中央に引き出し、その戻し際に背中に乗った藤井! リアネイキドチョークに行くが、前に落とし気味にし、正対しながら首を抜いた小野島はすぐに組んでボディロックからバックへ。正対した藤井に左右を振り、ブザー。
判定は3-0(29-28×2, 30-27)で小野島が勝利。第10代環太平洋バンタム級王者に輝いた。
約8年ぶり2度目のチャレンジで戴冠した小野島は、試合後、「ありがとうございました。感謝の言葉とポエムは後でSNSでたっぷり書きますので、ここではチャンピオンになって守りに入っちゃいけないんで、2人、戦いたい相手を挙げたいと思います。もちろん、チャンピオンは指名された相手とやるんですけど、一人目は、以前敗れた手塚基伸選手(2019年11月)。コロナ禍で試合がキャンセルされたりましたが、彼は連勝していて、彼がいなかったから獲れたベルトだと思っています。
もう一人は、インフィニティリーグで戦った野尻選手を、今日倒した中村倫也選手。3戦目なのにタイトルマッチで早いと言われるかもしれませんが、十分な実力があると思います。3月はちょっと早いんで、5月に組んでください。自分は3日天下になっても強い選手と戦いたい。盛り上げますんで、組んでください」と、手塚と中村の2選手を挑戦者候補に指名。ファイターとして強さを求める、漢気溢れるコメントで次戦をアピール。続けて、「実はいま、生きていて一番、幸せです」と語り、子供をケージの中で抱き上げた。