得意の前蹴りでパンチの距離に入りたいMIOをストッピングする菅原(左) 撮影/小久保松直
Krush.131
2021年11月20日(土)東京・後楽園ホール
▼メインイベント(第10試合)Krush女子アトム級タイトルマッチ 3分3R延長1R
○菅原美優(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ/王者)
判定3-0 ※30-28×2、29-28
×MIO(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/挑戦者)
菅原は第5回K-1アマチュア全日本大会チャレンジBクラス女子-50kg優勝、第6回・第7回K-1アマチュア全日本大会チャレンジBクラス女子-45kg優勝の実績を引っ提げて2019年1月にプロデビュー。2戦目で初黒星を喫したがその後は負けなしで、2020年11月の女子アトム級王座決定トーナメント決勝戦で第3代Krush女子アトム級王座に就いた。2020年3月に美容技術専門学校を卒業し、“戦う美容師”として活動している。今年3月には3戦全勝のホープNOZOMIからダウンを奪って勝利し5連勝を飾ったが、5月のMIOとの初対決で判定負け。今回は初防衛戦にしてリベンジマッチとなった。戦績は6勝2敗。
MIOはシュートボクシング女子軽量級のエースとして活躍したが、2019年7月に突如シュートボクシングからの引退を発表。同年8月24日にK-1電撃参戦を表明し、2020年9月のK-1大阪大会でK-1デビュー戦を行ったが、高梨knuckle美穂に判定3-0で敗れた。今年3月、2戦目でボクシング&キックボクシングで15戦無敗だった元プロボクシングWBO女子世界ミニフライ級王者・山田真子からダウンを奪って初黒星を付けると、5月には菅原にも判定勝ちした。戦績は40勝(4KO)5敗。
この試合は8月21日の『Krush.128』で行われるはずだったが、菅原が感染症拡大防止のため、一定の待機期間を設ける必要のある選手(本人または同居人が陽性者、濃厚接触者、濃厚接触者の疑いがある者、発熱等の体調不良である者等)に該当することが判明したため欠場。仕切り直しでの対戦となる。
1R、横蹴りで突き離そうとする菅原にMIOは接近して左右フックをねじ込むように打つ。菅原は右ローを蹴るとパンチの4連打、MIOは右ローを蹴る。菅原が積極的にパンチを仕掛けていき、MIOも左右フックで迎え撃つ。MIOは菅原の前蹴りを防ぐために、菅原が前足を上げると同じく前足を上げるが、菅原の顔面前蹴りをもらってしまう。右ローで菅原を転倒させるMIO。
2R、前蹴りのフェイントを織り交ぜながらパンチで前へ出ていく菅原。MIOが前蹴りを出すと菅原は左ミドルをヒットさせる。菅原の前蹴りに吹っ飛ぶMIO。左右フックを繰り出すMIOだが、菅原のリーチの長いワンツーと蹴りに入ることが出来ない。残り10秒で、一瞬組み付くような動きを見せた菅原はその場で回転、バックハンドブローでダウンを奪う。
3R、菅原が左右ストレートから前蹴り、MIOは右ローを蹴ってジャブを突く。菅原はワンツー、そして右ボディ。MIOは右フックを放つが、攻撃が一発で終わって菅原の反撃を喰う。菅原はボディへの前蹴り、すぐに顔面への前蹴り。MIOはパンチで勝負をかけ、右ストレートを強打するが菅原も負けじと打ち返す。
判定は3-0で菅原の勝利。リベンジを達成すると共に初防衛に成功した。笑顔で抱き合った両者だったが、菅原は自軍コーナーへ戻ると号泣。
得意の前蹴りにパンチを織り交ぜ、パンチの技術も向上していた菅原。ずっと涙を流し続け、マイクを持っても涙が止まらない。「今日勝てたのもたくさんの人の協力のおかげでMIO選手が相手だからこそまた強くなれたと思います。本当に感謝しています。まだまだへなちょこなチャンピオンなんですけれど、これからも自分がKrushを、KANAさんと一緒にK-1を盛り上げていけるようにちょっとずつですが強くなれるように頑張ります。押忍」と、涙声で語った。