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プロフェッショナル修斗公式戦
2021年7月25日(日)後楽園ホール
▼メインイベント 第8試合 世界フェザー級チャンピオン決定戦 5分5R
〇SASUKE(同級1位・環太平洋王者/マスタージャパン東京)
[5R判定2-0] ※48-47×2、47-47
×工藤諒司(同級7位/TRIBE TOKYO MMA)
※SASUKEが新世界王者に
メインイベント(第8試合)にて、「世界フェザー級チャンピオン決定戦」(5分5R)として、環太平洋王者のSASUKE(同級1位・マスタージャパン東京)と、7連勝中の工藤諒司(同級7位/TRIBE TOKYO MMA)が対戦する。
前王者で現RIZINフェザー級王者・斎藤裕が、2021年3月末付けでベルトを返上したたため、空位となっていた王座を両者が争う。
SASUKEは、MMA8勝1敗1分。2016年12月に山本健斗デリカットに判定負けしたが、2019年11月に判定勝ちでリベンジ。2021年1月の前戦では内藤太尊を2R リアネイキドチョークで極めるなど、6連勝中だ。
対する工藤は、MMA10勝1敗1分。2020年12月の前戦では、2年前に判定負けした唯一の黒星の相手・山本健斗デリカットにも左右ラッシュで1R4分28でTKO勝ちで雪辱を晴らし、7連勝をマークしている。
右手前腕尺骨骨折から怪我を繰り返し、長期欠場を経ての覚醒。「世界」に王手をかけた環太平洋王者は、対戦相手の工藤についてインタビューで、「必ずどこかのタイミングで当たると思っていた。危険な匂いがする選手。技術、メンタルを超えた所で強い、生物的な強さを感じる」と評価。
試合展開を「向こうは序盤から飛ばしてくるでしょうね。でも僕は長く戦うつもり。僕は後半にかけて調子を上げていくタイプで、しんどい勝負もどんと来いという気持ちでいます」と、5分5Rで競り勝つ自信を語っている。
一方の工藤も、インタビューで「特に組際の強さは自分が勝っていると思う。もつれた展開になると僕が上回れる。この勝負は先に隙を見せた方が負ける」と語る通り、ひとときも気の抜けない試合になることは間違いない。
「僕の強みはグランドでもスタンドでも勝負できる所です。穴を見つけたら、そこをどんどん突いていく」という“格闘忍者” SASUKEは、「皆さんの期待、想像を越える選手にならなければならない」と、抱負を語った。
1R、金髪を編み込んだSASUKE。工藤も顎髭を蓄えて試合に臨む。ともにオーソドックス構え。右を振る工藤。かわすSAUSKE。工藤は右から左、SAUSUKEは時折スイッチし、オーソに戻す。その前足に工藤は左ロー、右ジャブ。SAUSUKEも右ローを当てる。慎重な5R制の1R。SAUSUKEのローに右を合わせる工藤。SAUSKEも跳びヒザ狙い。ワンツーの右を当てた工藤は詰めて来たSAUSUKEにバックフィスト! さらにショートの右でダウンを奪うもブザー。
2R、左の関節蹴りを見せる工藤は、前手の左フックも。SASUKEの詰めに左回りの工藤。工藤の左の蹴りの打ち終わりに右ミドルはSAUSUKE! 大きな右フックはSAUSUKEもかわす工藤。SASUKEはさらに右のバックフィストをガード上に当てる。ジャブのダブルから右を見せる工藤は右ローをヒット。さらに飛び込みの左フック。かわすSASUKE。
3R、右フックで跳びこむSASUKE。工藤も上下にローまで繋ぐ。まだ互いに遠い間合い。初めてSASUKEが低いダブルレッグも切る工藤。左ハイをガード上に当てるSASUKE。さらに左の関節蹴りを前足に、左インローも当てる。ワンツーから右を当てるSASUKEは組んで2度、首相撲からこかす! 立ち上がる工藤。前足に左ローはSASUKE。さらに蹴り足を掴んでこかし組みの強さを見せる。徐々に環太平洋王者のラウンドに。
4R、右ローのSASUKE。そこに右ストレートを狙う工藤。さらに詰めはSASUKEが断ち切る。左ローを返す工藤。さらに右ローも。ワンツーの右を伸ばす工藤だが、かわすSASUKEもパンチの押し返し。常にセンターを取るSASUKEに左回りの工藤。ローを打つがSASUKEは巧みな首相撲ヒザ蹴りに、工藤は離れる。左ロー・右ロー、さらに右フックは工藤!
5R、上から右ローに繋げる工藤。詰めるSASUKEは右クロスから首相撲。離れる工藤。SASUKEは右ロー! さらにワンツーの右! ダブルレッグテイクダウンはSASUKEだが、工藤もすぐに立ち上がり。工藤は左ローを3つ当てる。さらに右ロー。工藤の右が頭をかすめる。右のクロスはSASUKE。SASUKEの入りに下がりながら工藤も右を合わせに行く。スリリングな5Rはブザー。判定へ。最終RにSASUKEはテイクダウンを奪っている。
判定は試合をコントロールしたSASUKEが2-0(48-47×2、47-47)で勝利。修斗世界フェザー級新王者に輝いた。
試合後、ベルトを手にした新王者は、「試合は勝ったんですけど、やっぱり弱い自分が出たなと、口では強がっても、少し慎重になりすぎたなと。勝ちを拾って修斗のチョンピオンになりましたが、これで修斗のチャンピオンでは舐められる。運よく勝ったと思います。ネガティブな言葉ですが、今日は反省だけです。残って応援してくださった皆さん、期待にそえずすみません。ゼロから出直してきます。応援、ありがとうございました」と唇を噛み締めて、ケージを後にした。