▼第6試合 バンタム級 5分2R
×論田愛空隆(心技館)
[2R 0分20秒 KO] ※左ハイキック
〇中村倫也(LDH martial arts)※デビュー戦
2017年U-23世界選手権フリースタイルレスリング61kg級覇者の中村はプロ修斗デビュー戦。シューティングジム大宮を運営した中村晃三氏を父に持ち、LDHの格闘家オーディション「LDH FIGHTER BATTLE AUDITION」に参加。最終審査まで勝ち上がる姿がABEMA『格闘DREAMERS』で配信されるなど、実力を見せている。
オーディションで総監督を務めた高谷裕之、元UFC・現ONE Championshipで活躍中の岡見勇信から与えられる様々な課題を乗り越え、200名を越える応募の中から専属プロ契約を勝ち取った中村は、トライアウトの最終審査となった試合ではプロシューターの新井拓巳を僅か42秒左フックで下している。
メインを見事に締め、自ら志願して挑んだトライアウトで再びLDHとのプロ契約を勝ち取った中村は、修斗と深い縁がある。中村の父である故・中村晃三氏は90年代後半、修斗黎明期を陰から支えた人物で、修斗の中枢を担うセントラルジムの設立から、選手の育成、バーリトゥードジャパンの開催に至るまでその功績は多岐に渡った。
生まれた頃からトップファイターに囲まれ、遊び場所はジムという環境で育った中村は、幼少期から格闘技の基礎となるレスリングを始め、全日本選手権2連覇、U-23世界選手権優勝など世界のトップレスラーとして活躍してきた。
そして2020年からMMAの道を歩み始め、類い稀なる格闘センスで見事にアジャストしている。そんなスーパールーキー中村のデビュー戦の相手は“鋼の拳”論田愛空隆に決定した。論田は修斗を主戦場としながら、ONE Warrior Seriesでも活躍するインターナショナルファイター。米国留学中にはアライアンスMMAでトレーニングを積み、現在のスタイルの礎を築いた。
同地で『格闘DREAMERS』でヘッドコーチを務めた岡見勇信とも出会っており、こちらも浅からぬ因縁を感じないわけにはいかない。論田は2018年5月に修斗で岡田遼に敗れた後、「ONE Warrior Series」(OWS)でモンゴルのシネチャグッガ・ゾルセセグ、米国のマイケル・ウォーカーに連敗。2020年11月に1年3カ月振りに修斗復帰戦に臨み、石橋佳大とスクランブル合戦を繰り広げるも、判定負け。強豪相手に4連敗となっている。
既に大器の片鱗を見せる中村倫也と、キャリアで勝る“逆輸入ファイター”論田愛空隆が7月25日、修斗バンタム級に新たな扉を開けるか。
1R、中村のセコンドには高谷裕之、サウスポー構えの論田の前足に右ローは中村。左で差してテイクダウン狙いの論田をがぶる中村。亀からの立ち際を右でパウンドする。金網に詰め、右でさして小外でテイクダウンは中村。左で小手に巻き立つ論田。
中村のシングルレッグにバックを狙う論田だが、回らせずにテイクダウンしバック奪う中村。しかし立ち上がる論田をなおもテイクダウン、上体を金網に立てる論田をそのままマウント。
バックマウント、リアネイキドチョーク狙いも後ろ手を掴んだ論田は腰をずらして正対。そこを再びマウントに、背中を見せる論田のバック、腕十字狙いもブザー。
2R、中村は左ロー、そこに右ストレートを合わせる論田。中村は鋭い右ジャブを刺し、左ストレートで前へ。近づいて首相撲にとらえ、論田の頭を下げさせると、その放し際。論田が左ジャブを突いて前傾になったところに中村は左利きの左足でハイキック! 論田が崩れ落ち、試合は決した。ケージの中で中村は「モノが違うと言われていましたが、モノは違うくない。運動能力高くないんで、凡才なのは自分が一番分かっています。Vにもある通り、ここが『地獄の入り口』だと思っているので頑張ります。始めて1年ちょいとしてはいいんじゃないですか。これからめいっぱい精進していきます。お父さん、ありがとう!」と語った。