カットマンを用意して止血してもらえれば、ワセリンの意味もある
──ところで今回から、MMAの全試合で縦ヒジも含め、ヒジ打ち有りの試合となり、それに伴い、ワセリンの導入が決定しました。川名選手はその変更について、カットマン(カットした傷をインターバル中にケア)も入れてほしいと希望していました。その意図を教えてください。
「自分の考えですが、ワセリンは止血の役割が大きいと考えています。試合で切れたときにワセリンを使うにしても、切れた人だけ塗ったら不公平じゃないか、ということでお互い塗っているのかなと。カットマンがいなくて、止血用具も使えないのに、ワセリンを使って(皮膚の)保護の効果が高いかというとそんなでもない。そんな(ヒジありだからワセリンを塗る)アピールは要らないんじゃないか? って思ったんです。ちゃんとカットマンを用意して、カットがあったときに止血してもらえれば、ワセリンの意味もある、という考えです」
──ワセリンを塗ることで切れにくくはなりませんか。
「切れにくくなるという保護の役割よりも、パンチで殴ったときに滑ってダメージが軽減されるデメリットがあります」
──ワセリンを塗ることで組みには影響はありませんか。
「目の周辺にしか塗らないんで、グラップリングや組みでの影響はそうでもないです。自分が組んだ時にワセリンで滑ったという経験はないですね」
──ワセリンとカットマン導入はセットで、ということですね。ところで、東京ドーム大会では「RIZINライト級タイトルマッチ」として、トフィック・ムサエフ選手とホベルト・サトシ・ソウザ選手が試合をします。同じ階級の川名選手はどう予想しますか。
「サトシ・ソウザ選手がどうやって組技に持っていくのかなというのが重要なポイントかなと。強引に組みついてレスリングをやってもなかなか倒せない相手です。個人的に思っているのは、サトシ選手が引き込みに行って展開を作るんじゃないかなという風には思っています。でも、引き込みもうまくいかないとなると、サトシ選手がジリ貧になっていくという考えもあります」
──どうやって組みの展開に持っていくか、と。ライト級戦線では、久米鷹介選手に勝利した武田光司選手と、川名選手は前戦でスプリットに割れる接戦でした。ベルトが制定されタイトル戦線も見えるなか、どんなテーマで試合に臨みますか。
「今回の試合、もちろん勝つことは前提なんですけど、勝った上で、お店の売り上げを上げるために、川名に興味を持ってくれるような試合にしないといけないと思っています」
──最後にファンへメッセージを。
「今回から、川名”TENCHO”雄生で正式に試合していきます。ジャカレと間違わないように、よろしくお願いします!」
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