MMA
インタビュー

【RIZIN】朝倉海と対戦する渡部修斗「“自分のMMA”で勝負して、寝技で“一撃”を極めたい」=6月13日(日)東京ドーム

2021/05/31 13:05

アウェイ的でちょっとナイーブになる部分はある

──今日はレスリングの公開練習でしたが、いつも通りの青野ひかる選手とのスパーを披露した感じでしょうか。

「原点に戻るというか、MMAの練習が多いので、最近になってレスリングの練習をやりだして、原点に戻るみたいな感じでレスリングの練習をしています。僕、高校までいちおうレスリングをやっていた(レスリング名門・足利工大附高)のでレスリングベースなので、出身に戻るというか、自分のベースをしっかりやり直そうかなと思ってやってきたので、レスリングで公開練習をやらせていただきました。

(公開練習後、渡部は「今日は公開練習でした! お互い怪我しないように軽めにやろうって言ってたんだけど普通に、ひかるにやられました。レスリング強いんだよなあ……笑。試合に関しては相手はもちろん、自分も予想してないような展開にしたい想いがあります。試合中に閃きのある闘いをしたいです」とツイート)

──MMAレスリングも含め出稽古にも行かれていますか。

「レスリングは新宿のSKアカデミー、対人はレスリングクラブに出稽古させて頂いて、あとはトイカツ道場でMMAレスリングというか、MMAを意識したレスリングの練習を毎週させてもらっています」

──井上直樹戦ではレスリングシューズを着用し、田丸匠戦では裸足でした。今回の朝倉海戦では、靴を履く事も考えていますか。

「いや、もう履かないですね。履かない方が動きやすいと気づいたので」

──改めて、東京ドームの会場の印象を教えて下さい。

『ゴング格闘技』のインタビューでも言ったんですけど、東京ドームで格闘技を見たことがなくて、『ふるさと祭り』というイベントで2、3回言ったことがあるので、その時に見たイメージが全部です。めちゃめちゃ広かったですね。広くて美味しいものがいっぱいありましたね(笑)」

──その「ふるさと祭り」で東京ドームを訪れたのは、パートナーの青野選手とですか。

「青野とですね。年末、試合が終わってだいたい正月は二人とも空いているので、美味しいものを食べてってやってたんですけど、今年はコロナの影響でオンラインのみになっちゃったんで。結構、毎年楽しみにしていたのですが、残念です」

──さてそんな中、今回の朝倉海選手と渡部選手の試合で、しょこたん(中川翔子)がリングアナンサーをするようですが、それを聞いてアリだと思いますか。

「アリナシと言うか……それは大会側の判断なので、自分もRIZINでは試合をさせていただく立場なので言えることは何もないです。ただやっぱり、周りの人が思う感じの心境ではありますね……やっぱり。本音を言えばやっぱちょっと……“ふーん”って言うか」


YouTube 中川翔子の「ヲ」チャンネルより

──今回のこの企画は、向こう(朝倉海)寄りだなと感じますか。

「最初からそれは分かっているので(苦笑)。最初からそのためのトーナメントですし、それは朝倉選手のこれまで積み上げた実績でそうなっているので、単純に僕が今までそんな大した実績もなく、RIZINにも出たてで低い立場ではあるので、仕方ないっちゃ仕方ないです」

──メンタルも含め現在の状態は?

「結構メンタル自体は落ち着いていますが、ちょっとナイーブな部分がデカいというのが正直なところです。いつもナイーブになるのですが、いつも以上にナイーブですね。でも、すごく落ち着いてはいます」

──ナイーブというのは、今回の対戦の環境などでしょうか

「そうですね。相手は正直ビッグネームだし、環境というか自分からしたらホームではないというか、アウェイ的な感じはするのでちょっとナイーブになる部分はありますね」

──それをひっくり返す準備は出来ていますか。

「“ひっくり返す”という気持ちは今回はそんなに……。前回は、“ひっくり返してやろう”という一心でやっていましたが、今回は単純に応援してくれる人達に応えたいと、だから勝ちたいと思っています。この前の試合は私利私欲というか、自分の気持ちがデカかった。“見返してやるぞ”という気持ちだったんですが、今回はそういう感情ではないです。単純に応援してくれる人の気持ちに応えたいっていうだけですね」

──では、今回の試合に臨むプロセスに手応えはありますか。

「いつも通り準備は出来ています。勝つための準備はしているつもりです。ただ、今まで1試合も自信をもって臨んだことはないので、『自信はあるか?』と言われると、そんなにないです」

──朝倉戦に向けて、自身の優れている点と朝倉選手の警戒する点はどこか教えて下さい。

「自分が優れている部分って正直、他の選手と比べてそんなに大きくはないと思うので、自分が優れている部分というのは自分でもよくわからないです。ただ、試合に向けて全力でやってきて、その結果が試合に出たこともあれば、23勝あって5回はマイナスに出ちゃって負けたたこともあります。ただ朝倉選手は打撃が凄いと言われていますが、自分的には寝技も出来ると思っていますし、組技・寝技も一流の選手だと思っています」

──朝倉海選手の公開練習では「自分の寝技に自信がある」「逆に一本極める」という発言もありました。

「そう思うんじゃないですか。自分はどれくらい寝技が強いか分からないし、朝倉選手は寝技も強いと思いますがこれまでの試合でその場面がないだけで。本人からしたらそう思うのも当然かと思います。僕自身も正直、寝技で自分が確実に勝るか分からないです。自信があるかと言われれば分からない。ただ、活路を見出すならそこの部分で勝負しなきゃいけないんで、そこでやらなきゃいけない、、そういう気持ちです。

 当然、自分が活路を見出すなら寝技になりますし、ただ寝技オンリーではなく、“自分のMMA”を出せたらと思っています。MMAで勝負して、その中で寝技で一撃を極めたいと思ってます」

くすぶっている人に力を与える試合を

──「自信がない」という言葉を口にされていますが、自信がないのは子どもの頃からずっとですか。

「たぶん自分と仲の良い人は知っていますが、ずーっと昔からです。控室でもいつも『どうしよう……』と言っていて、周りから『大丈夫だよ』と言われるくらいで。高校生の時もレスリングの大会で、自分が3回勝っている相手にも『あいつ強いし、どうしよう』と言っていたら、後輩が『修斗さん、何言ってるんですか。余裕っすよ』って言われたのを覚えています。昔から心配性なんですかね」

──それを変えたいと思ったことは? メンタルを克服しようとか。

「“自分に自信を持とう”と思ったことはないですね。結局どんなに練習をしても自信がつくということはなかった。ただ、“自分がこれだけ練習をやったんだ、これだけ試合に賭けて毎日、一生懸命生きてきたんだ”という誇りというか、“自分がこういう試合を積んできて、こういう相手に勝ってきて今ここに立ってるんだ”という、そういうやってきたことに関しての誇りは持っています。そういう気持ちは常にあります」

──プライベートでも、自信の無さが出ることはありますか?

「そうっスね。今思えば人生で生きてきて自信があったことはあんまりないかも(苦笑)。いつも自信はないけど、やるしかないというか、腹はくくります。で、全力で取り組みます、それに対して。そういう感じで今まで生きてきましたね」

──あらためて、対戦する朝倉選手の印象を教えて下さい。

「朝倉選手の印象は“スター”ですね。今の格闘技のスター的な立ち位置にいるのかな。ファイターとしての印象は、ボクシングが強い、フィジカルが強い、頭がいい、ファイトIQが高いというイメージです」

──今回のトーナメントで戦いたかった相手はいますか。

「いや、全然無いっスね。全く」

──最後にファンへメッセージを。

「自分は昔から柔道やレスリングをやっていたのですが、本当にすごく弱くてたいした戦績も無く、ただ格闘技が好きで格闘技を頑張ってきたら、東京ドームで朝倉海選手っていう日本で一番強くて有名な格闘家と戦う事になって、やっぱりそんな自分みたいな人間でも、一生懸命やってきたら、そういう舞台で戦えるし、強いやつと戦える。ただ戦うだけじゃなくて、自分は勝つつもりでやるので、それを試合で見て欲しいなと思います。自分の試合を見て、今くすぶっている人がいたら、一生懸命これから頑張りたいなと思ってもらえるような試合をしたいなと思います。応援よろしくお願いします」

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