(C)Chris Unger/Zuffa LLC via Getty Images
2021年5月22日(日本時間23日)、米国ラスベガスUFC APEXにて「UFC Fight Night: Font vs. Garbrandt」が開催された。
UFC Fight Night: Font vs. Garbrandt 速報
現地時間2021年5月22日(土)、日本時間23日(日)
米国ネバダ州ラスベガス/UFC APEX
【メインイベント】
メインはバンタム級(61.2kg)の5分5R。前日計量では、元王者のコーディ・ガーブラント(米国)が61.46kg、対するロブ・フォント(米国)が61.68kgでともに計量をパス(※王座戦以外は1ポンドオーバーが認められる)。フェイスオフではアゴヒゲを蓄えた両者が視線を外さず、静かに闘志を燃やした。
フォントはバンタム級3位。2018年7月にハファエル・アスンソンに判定負け以降、3連勝中。2018年12月に現Bellator王者のセルジオ・ペティスに判定勝ちすると、2019年7月にリッキー。シモンにも判定勝ち。2020年12月の前戦では、当時ランキング3位のマルロン・モラエスを1R KOに下し、トップランカー入りを果たした。MMA18勝4敗。うち12試合をフィニッシュし、8KOのストライカーだ。
対するガーブラントは、水垣偉弥やドミニク・クルーズに勝利するなどMMA11連勝をマークも、2017年と2018年にT.J.ディラショーに2連敗。さらにペドロ・ムニョスにも1RKO負けで3連続KO負けとなる。2020年6月の前戦でハファエル・アスンサオに2R KO勝ちして再起を遂げた。フライ級挑戦を表明していたが、2020年11月のデイブソン・フィゲイレードとの王座戦を上腕二頭筋断裂ので欠場。今回はバンタム級での試合となる。MMA12勝3敗、うち10試合をKO勝ちしているハードパンチャー。
ストライカー対決を制するのは、フォントかガーブラントか。
▼バンタム級 5分5R
○ロブ・フォント(米国)136lbs/61.69kg
[判定3-0] ※50-45×2, 48-47
×コーディ・ガーブラント(米国)135.5lbs/61.46kg
Let the bantamweight clash commence 🤜 🤛 #UFCVegas27 pic.twitter.com/Hzy2yv6E8A
— UFC (@ufc) May 23, 2021
1R、ともにオーソドックス構え。マーク・ヘンリーに師事するガーブラントは先に右ローを見せる。かわすフォントは遠間。詰めるガーブラントは右ロー! さらにガード上に右ミドルハイを突く。またも右ローはガーブラント。詰め返すフォントも行きすぎず。左ジャブを突く。頭を振りながら右ストレートはフォント! 下がるガーブラントは距離を作り直し、右ロー。右ストレートから組んだフォントの離れ際に右ハイはガーブラント!
右前蹴りを当てて前に出るフォントにダブルレッグテイクダウンはガーブラント! インサイドガードからフォントの立ち上がり際に蹴りを狙う。ケージを背にするガーブラント。フォントは右ストレートを当てて連打に行くが、そこにダブルレッグテイクダウンはガーブラント。金網使い立ち上がるフォントに右を連打するガーブラント。フォントの入りに左アッパーを当てる!
We now enter main event RDs...
— UFC (@ufc) May 23, 2021
How are you scoring this scrap so far 🤔 #UFCVegas27 pic.twitter.com/wDJD7sSjhg
2R、フォントの圧力に先にテイクダウンを決めるガーブラント。背中をつけるフォントにパスを狙うが、ガードするフォント。ハーフからキムラを狙うフォント。回して前転させたところで両者立つ。ジャブを突くフォントに、組みに行くガーブラント。突き放すフォント。
左ジャブのフォント。ガーブラントは鋭い左を振るがフォントはかわす。ガーブラントの入りに右アッパーはフォント。さらに近距離では右ヒジ! フォントの打撃に下がるガーブラント。打撃数も21-8と大きくフォントが上回る。ワンツーの右も打つが、入りは慎重に。ガーブラントの組みを切る。序盤テイクダウンゲームを仕掛けたガーブラントは5Rをどう戦うか。
"You gotta leave everything in here." 🗣
— UFC (@ufc) May 23, 2021
Sage advice from No Love's corner before entering the final RD. #UFCVegas27 pic.twitter.com/pi3YAG9cFt
3R、先に圧力をかけるフォント。長いジャブを突いて前に。ガーブラントは右カーフキック! フォントは慎重になる。ワンツーを狙うガーブラント。しかしフォントもガードを固めてジャブの継ぎ足で前へ。蹴り足を掴んだガーブラントを切り、逆に右で差すフォント。その崩しにガーブラントは前転して立ち上がる。
右ストレートを浴びるガーブラントはダブルレッグからシングルレッグへ。切るフォントは左ジャブ! 動きが一瞬止まるガーブラントは鼻血。細かくスイッチし、ヒザ蹴りのフェイントも見せるフォントのジャブにアゴが上がる。
4R、右カーフキックを当てるガーブラント。ワンツー右を返すフォントが前へ。ガーブラントの飛び込んでの左もブロックするフォント。ガーブラントはこつこつ右カーフを当てる。左ジャブが的確なフォント、左から右ボディ、さらに顔面と上下に散らす。左から右フックがガーブラントの顔面をとらえる。さらに詰めての右ハイ! キャッチするガーブラントだが足を抜かれる。
詰めるフォントはしっかりガードして前に。スイッチしてオーソドックス構えに戻して右ストレート! 顔をそむけるガーブラントは金網背に詰まる。ジャブのダブルを浴びるガーブラント。さらにワンツー。ガーブラントも左を返すが単発。
#UFCVegas27 Official Result: @RobSFont (50-45, 50-45, 48-47) defeats Cody Garbrandt by Unanimous Decision.
— UFC News (@UFCNews) May 23, 2021
Final #UFCVegas27 Results ⤵️:
最終5ラウンド。ジャブの刺し合いから右を突くガーブラントは右をヒット! フォントも前蹴りから押し返しペースを戻す。左ボディで入り、右を突くガーブラント! ヒザ蹴りはフォント。しかしガーブラントの右のスイングが当たる。しかし慌てないフォントは、ジャブ、そして右アッパーを当てる! 蹴り足を掴んで押し込み、ジャブ、バックステップも使い間合いを取り直すフォント。そのジャブに右クロスを当てるガーブラント! ワンツーの右の打ち下ろしはフォント! 下がるガーブラントを追うフォントはジャブからストレートも深追いしない。
A striking masterclass showcase 🤜
— UFC (@ufc) May 23, 2021
@RobSFont landed in the pocket to make it 4️⃣-straight wins! #UFCVegas27 pic.twitter.com/bs8eUJimPz
ジャブのダブルから右を振るフォント。ガーブラントのバックフィストもかわし近づいたところで引き込んでブザー。判定へ。
Hats off! 🎩
— UFC (@ufc) May 23, 2021
These two left it all in the Octagon tonight.
[ #UFCVegas27 | LIVE on @ESPNPlus ] pic.twitter.com/YHBLX30f9g
判定は3-0(50-45×2, 48-47)でフォントがガーブラントを完封。序盤のガーブラントのテイクダウンゲームを切り、粘り強くジャブを当て、初の5Rで4連勝を飾ったフォントは、バンタム級9勝目をマークし、「戦いのディシプリンを大切にしてジャブを当てた」と試合を振り返った。また、今後のチャンピオンシップ戦線について「TJとコーリーの結果次第だね。でもタイトルマッチをすぐに組んでもらえるなら、それもいいね」と語った。
◆フォント「ABCレンジで戦った」(※試合後公式コメント)
「もちろん見てみないといけないけど、(判定は)正しいと思った。最初のラウンドを自分が取ったかどうかは分からなくて、自分的には落としたように感じていたけど、それ以降はすべてのラウンドを取れたと思う。関節技も極まりそうだったしね。すべてスムーズだった。過去に戻り、ミスを修正して良かった点を生かす必要がある。いい感じだったよ。最初の2ラウンドは相手が何度もテイクダウンを狙ってきていたと思う。オーバーフックとプレッシャーで調整し、そこからはすべて打撃で勝負だ。彼は何度か良いパンチを放っていたけれど、こっちはクリーンなパンチを受けないようにして自分を律することに徹したんだ。
とにかく相手をレンジにとどめておくようにした。俺たちはそれを『ABCレンジ』と呼んでいる。相手をAにとどめ、自分はCにとどまり、Bレンジにはあまり長くいないようにした。Bレンジに入ると打たれてしまう。だから戻れないから安全圏にとどまる必要があったし、できるだけ相手を遠ざける必要もあった。とにかく自分を律してコーチの言うことを聞き、あまりフィニッシュを狙わないようにしていた。でも今回はちゃんとできたし、指示も聞けていた。向こうがあまり打ってこないつもりだというのが分かった。テイクダウンのタイミングは完璧で、相手がテイクダウンを狙ってくると、グラウンドに行きたがっているんだろうなと考えていたけど、でも彼はただテイクダウンして俺を抑え込み、パンチを打ちたかっただけのようだ。それはうまくいっていた。
今回の勝利はでかい。初めてのメインイベントで、大きなチャンスだったし、見事な合格と言えるんじゃないかな。正直、自分には分からなかった。何ラウンド目かと効かれても分からない。流れに身を任せていた。心臓の動きがとても良く、打撃も受けたけど、一度でも打撃を受けるとカーディオが徐々に低下し始めると言われていても、それでも自分はいい感じだと思っていた。ただ、それがどのラウンドなのかが分からなかった。とにかく耳をすませてジャブを打ち続けるしかないと思っていた。今は家に帰って家族や友達、チームのみんなと一緒に過ごし、それからジムに戻りたいと思っている。今回の相手を倒したわけだから、これからはモンスターばかりが相手になるだろうね」