キックボクシング
レポート

【REBELS】大谷翔司が現王者バズーカ巧樹からダウンを奪って殊勲の勝利、松倉信太郎もT-98からダウンを奪う快勝、耀織が丹羽圭介を空手技でKO

2020/12/06 23:12

▼セミファイナル(第6試合)73.5kg契約 3分3R延長1R BLACKルール
×T-98(クロスポイント吉祥寺/元ラジャダムナン認定スーパーウェルター級王者)
判定0-3 ※27-29、26-29×2
〇松倉信太郎(TRY HARD GYM/WPMF世界スーパーミドル級王者)


 T-98は“ムエタイゴリラ”の異名を持ち、パワーと頑丈な身体を活かした戦いぶりでこれまで数々のタイトルを獲得。2016年6月には日本人5人目となるラジャダムナンスタジアム王座を奪取した。また、同年10月にはタイのラジャダムナンスタジアムに乗り込み、KO勝ちで日本人初の現地での防衛にも成功。同王座は2017年5月の2度目の防衛戦で失ったが、その後も精力的に試合を続け、今年1月にはピーター・アーツの愛弟子イリアス・ボカユアを破っている。しかし、9月の『HEAT』で松島勲也にヒジ打ちでTKO負け。


 松倉はK-1甲子園70kg日本一トーナメントでの優勝を経てK-1、Krushを主戦場にキャリアを重ねた。2018年に戦場を『RISE』に移し、RIZINにも参戦。2019年7月にイ・ソンヒョンとRISEミドル級王座を争うも、5R判定負けで王座戴冠を逃した。2月23日のRISEではNKBミドル級王者・西村清吾から勝利を奪い、8月10日の『RIZIN』では森興二を右フックで初回KOに沈めている。9月の『スックワンキントーン』ではWPMF世界スーパーミドル級王座を獲得した。


 1R、ジャブと前蹴りで前へ出るT-98を左ミドルとジャブで迎え撃つ松倉。T-98は左ローも蹴る。左前蹴り、右ローで前に出るT-98。松倉もコンビネーションパンチを繰り出すが、T-98は得意の右ボディストレートを叩き込む。


 2Rも右ローと前蹴りからボディへのパンチで前へ出ていくのはT-98。積極的に攻撃を加えていき、松倉は左ミドルとワンツーで対抗。松倉のワンツーにT-98が左フックを返す。パンチを打ち込む松倉だが、T-98はびくともせず左フックを打ち返す。


 3R、左ボディの打ち合い、左フックの打ち合いと至近距離での打ち合いが続く。松倉はヒザを突き上げてのワンツー、T-98もすかさずフックを叩きつける。そして意表を突く松倉が首相撲からの左ヒザ蹴りをT-98のアゴに突き上げ、ダウンを奪う。


 足を止めてのパンチの打ち合いでは、松倉の左フックからの右ショートでT-98が2度目のダウン。立ち上がったT-98だが、ここで試合終了。松倉の判定勝ちとなった。


 松倉はマイクを持つと「僕たち格闘家って死んでも勝つとか、ヤンキーじゃないけどできないことを口にする人が多くて、本当に腹をくくってリングに上がっている人は少ないかと。いま格闘技を引っ張っている2人はそこの意識が違うと思っていて。格闘技は中量級が華だと思っています。俺を見てもらえれば必ず面白い試合をするのでこれからも見て欲しいです。次は絶対にKOするのでまた見てくれば嬉しいです」とアピールした。

▼第5試合 63.0kg契約 3分3R延長1R BLACKルール
×丹羽圭介(TEAMニワールド/前REBELS-BLACK 63kg級王者)
KO 3R 2分59秒 ※3ノックダウン
〇耀織(Y's glow)


 丹羽は日本拳法を経てキックボクシングに転向し、2010年2月にプロデビュー。RISEで11連勝を飾るなど活躍後、フリーとなって様々なリングに参戦。2018年10月からはREBELSを主戦場にして、2019年4月に王座決定トーナメントを制してREBELS-BLACK 63kg級王者となった。8月のKNOCK OUTでは大月晴明を降したが、12月には勝次に敗れた。無法島GPでは古村匡平(FURUMURA-GYM)に判定で敗れ、まさかの1回戦敗退。8月の防衛戦ではバズーカ巧樹に王座を奪われ、これが再起戦となる。


 耀織は空手出身で多彩な蹴り技を得意とし、REBELSでの過去3戦は元J-NETWORKスーパーライト級王者・杉本卓也とドロー、極真空手出身でプロ無敗の与座優貴に判定負け(判定2-1)、鈴木千裕にKO負けとまだ白星がない。


 1R、耀織が二回転の後ろ蹴りを放ったところに丹羽は右フックでカウンターをとってダウンを奪う。耀織はクリンチで逃れる。後ろ蹴りを放った耀織へ再び連打を見舞う丹羽。しかし、丹羽のインローがたびたびローブローになってしまい一時中断。ラウンド終了間際、耀織のバックハンドブローで丹羽が腰を落とすがすぐに立ち上がったためダウンにはならず。


 2R、ローの蹴り合いから耀織が後ろ廻し蹴りを出すと丹羽はすかさず連打。回転技の途中モーションでバランスが危ういところを狙う丹羽。耀織は構えをサウスポーに変えてパンチを出すが、丹羽がクリンチした際にバッティングとなり、耀織は左目上から流血。再開後、丹羽の前蹴りには胴廻し回転蹴り、右ストレートにはバックハンドブローを合わせに行く耀織だが、いずれも不発。


 3R、耀織のパンチに右ストレートを合わせようとした丹羽だったが、返しの右フックをもらってダウン。息を吹き返した耀織は左フック、バックハンドブローで攻め、丹羽が下がったところへ左ハイを放ち2度目のダウンを奪う。


 耀織はノーガードとなって丹羽を挑発。丹羽は右ストレートを打ち込んでいく。最後は丹羽が右ストレートを放ったところに、耀織が狙いすました右内廻し蹴り。これが見事にアゴをとらえ、耀織の逆転KO勝ちとなった。

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