ロープを背負ったカリミアンへ一方的に強打を叩きつけるK-Jee 撮影/安村 発
「ECO信頼サービス株式会社 PRESENTS K-1 WORLD GP 2020 JAPAN」
2020年11月3日(火・祝)福岡国際センター
▼第10試合 K-1 WORLD GPクルーザー級タイトルマッチ 3分3R延長1R
×シナ・カリミアン(イラン/POWER OF DREAM/王者)
TKO 1R 1分54秒 ※セコンドからのタオル投入
〇K-Jee(K-1ジム福岡チームbeginning/Krushクルーザー級王者/挑戦者)
※K-Jeeが第2代王座に就く。カリミアンは2度目の防衛に失敗
カリミアンはアマチュアムエタイで活躍後、2018年9月の「K-1 WORLD GP初代クルーザー級王座決定トーナメント」に初来日。トーナメントを制して初代王者となった。2019年3月には加藤久輝を下して初防衛に成功、2020年3月には愛鷹亮の挑戦を退けて2度の防衛に成功している。戦績は10勝(5KO)1敗。
K-Jeeは福岡を拠点としてデビュー当初はスーパー・ウェルター級で試合をしていたが、2016年からヘビー級に転向。クルーザー級が新設されると再度転向して2018年9月のK-1初代クルーザー級王座決定トーナメントではベスト4。2019年には初代Krushクルーザー級王座決定トーナメントで3試合ともKOして初代王座に就いた。今年3月に加藤久輝をボディブローで初回KOに下し、初防衛に成功している。戦績は19勝(16KO)10敗。
1R、開始と同時にバックハンドブローを放ったカリミアン。K-Jeeは左ボディを連打。接近戦でK-Jeeが左右ボディを叩きながら左右フックを連打し、カリミアンの頭が揺れる。K-Jeeの速い強打でほぼ棒立ちのカリミアン。そして右フックでダウン。
カリミアンは立ち上がるも目がうつろ。ボディを打ちながら左右フックを叩きつけるK-Jee。ロープを背負ったカリミアンへ一方的に連打を叩きつけ、カリミアンのセコンドからタオルが舞った。
速攻KO勝利に喜びを爆発させるK-Jee。満面の笑顔でベルトを巻かれ、トロフィーを受け取る。「無事に大会が出来て試合も終われて、皆さんに感謝しています。今日は文化の日で九州の選手が九州で格闘技を盛り上げてくれたと思うし、来年も再来年もK-1福岡で九州の格闘技祭りとして定着していったら嬉しく思います。今日10名以上の九州の選手が出ていて、チャンスがあればもっと育つと思うし、KHAOSとかKrushもイベントを開いてくれたら間違いなく九州からスターがいっぱい生まれると思います。今回王者になってひとつ夢が実現できて、クルーザー級では一番になったけれど、K-1にはいろいろな階級があって、まだまだ軽量級に負けているので俺がこれからこの階級を責任もって引っ張って行ってどの階級よりも面白い階級にしていきます」と、九州大会の継続とクルーザー級を自分が盛り上げていくとアピールした。
▼第9試合 スーパーファイト 女子フライ級 3分3R延長1R
×KANA(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ/K-1 WORLD GP女子フライ級王者)
判定0-3 ※28-29、29-30×2
〇壽美(NEXT LEVEL渋谷)
KANAはK-1&Krush女子部のエースとして活躍。2016年4月に紅絹との王座決定戦を制し、第2代Krush女子フライ級王者となった。同王座は2017年1月にメロニー・ヘウヘスに奪われるも、同年12月に奪回。2019年12月に行われた初代女子フライ級王座決定トーナメントで優勝し、初代K-1女子フライ級王座も手にした。前戦は3月にグロリア・ペリトーレを1RでKOに下している。戦績は17勝(7KO)2敗。
壽美はKHAOSとKrushで3連勝をあげて2019年8月にヨセフィン・ノットソンと対戦したが、判定で敗れている。12月のK-1初代女子フライ級王座決定トーナメントのリザーブマッチでは真優に判定勝ち。前戦は6月のKrushでNA☆NAから勝利を収めた。戦績は8勝(2KO)4敗。
1R、サウスポーの壽美に右ストレート、右オーバーハンドを放っていくKANA。壽美はKANAの右ローに左フックを合わせ、連打で前へ出る。KANAはジャブで下がらせていくが、ロープを背負った壽美も左ストレートを伸ばしてくる。KANAが右ミドルから右ストレート、さらに右フックで畳み込む。
2R、壽美の左ストレートを頭を振ってかわしていくKANA。壽美はジャブと左ストレート、さらに右手を伸ばしてKANAをなかなか入れさせない。KANAはローキック。KANAは距離が届かず右ストレートが空を切る。逆に壽美はKANAのローに左ストレートを合わせた。
3Rも手数を出し、蹴りとジャブでKANAを入らせない壽美。KANAは右フックをヒットさせるが、右ストレートは空を切る。右ハイキックも壽美はブロック。打ち合いの中でも手数と前蹴りで自分の距離を保って戦い続ける壽美。
判定は3-0で壽美が勝利。日本人に無敗を誇ったKANAから初めての勝利を奪った。
壽美は「今回自分のジムの先輩とか家族とスポンサーさんが私が勝つことを信じてくださって、絶対に勝ちに行くと決めてこの試合に臨みました。だから大好きなみんなありがとうございます。私はそろそろベルトが欲しいです。そのチャンスをもらえるためにまだまだ頑張ります」と号泣しながらマイクで語った。