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レポート

【K-1】初の福岡大会は波乱の連続、K-Jeeが速攻勝負でカリミアンを豪快KO、壽美がKANAを攻略、野杁正明はタフなトファネリ降す

2020/11/03 15:11

▼第8試合 スーパーファイト K-1ウェルター級 3分3R延長1R
〇野杁正明(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/第2代K-1スーパー・ライト級王者)
判定3-0 ※30-27、30-26×2
×ヴィトー・トファネリ(ブラジル/ブラジリアンタイ・闘英館)


 野杁は空手からキックボクシングに転向し、2009年にK-1甲子園初となる高校1年生王者になり、“怪物”と呼ばれるようになった。圧倒的なテクニックと類まれなるセンスでプロ転向後すぐにトップクラス入りし、WBCムエタイ日本スーパー・ライト級王座、第2代Krushウェルター級王座、NDC -66kg王座などを獲得。2017年6月には日本人選手として初めてゲーオ・ウィラサクレックに勝利し、第2代K-1 WORLD GPスーパー・ライト級王者となった。翌年にはウェルター級に転向し、ジョーダン・ピケオーには敗れたもののその後は3連勝している。戦績は41勝(19KO)10敗。


 トファネリはMMAとキックボクシングの二刀流で、キックボクシングでは2018年5月の『RISE』で直樹に判定負けしているが、中野椋太や麻原将平を鮮やかなバックスピンキックでKOしている。2020年7月のRISEで原口健飛に敗れたが、圧倒されながらもジャンプしての蹴りなどで対抗して3Rを戦い抜くタフさを見せつけた。戦績は14勝(10KO)8敗1分。


 1R、いつものようにガードを上げて前へ出る野杁はジャブと右ロー。トファネリはロープ伝いにリングを回り込み、野杁の左フックに左フックを合わせに行く。サウスポーに構えた野杁は右ローを狙い撃ちにし、左インローも蹴る。


 2Rも前に出る野杁は右ヒザでもトファネリの左足を蹴る。野杁は左ストレートを7連打してトファネリを追い込んだかと思えば、右ボディを叩く。野杁は左ボディを打ち、ボディに反応したトファネリへ右ストレートを突き刺してダウンを奪う。左ヒザ蹴りをボディと顔面、そしてコーナーで顔面への連打、かと思えば左右のボディと攻撃を散らす野杁。


 3R、野杁は右フックから右アッパー。トファネリの後ろ廻し蹴りはかるくブロック。タフなトファネリはクリンチも使って野杁の攻撃に耐える。野杁がボディを連打すると左フックを返すトファネリ。野杁はパンチを連打するもトファネリは前に出て組み付き、試合終了のゴング。野杁はKOを逃したことから顔をしかめたが、判定での完勝となった。

▼第7試合 スーパーファイト K-1スーパー・フェザー級 3分3R延長1R
〇朝久裕貴(朝久道場)
判定3-0 ※30-27×3
×大岩龍矢(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)


 朝久は父であり、朝久道場の朝久篤館長のもとで5歳から空手を学び、10歳の時にキックボクシングの練習を始めた。2015年からKrushに参戦し、無尽蔵のスタミナから繰り出すパンチ&蹴りのラッシュで小澤海斗や佐野天馬から勝利を収めている2016年からは中国の格闘技イベント『武林風』に定期参戦し、中国でも活躍。2018年3月には武林風WLF -60kg級王座決定トーナメントで優勝を果たした。戦績は20勝(6KO)7敗。


 対する大岩は幼少期に空手を学び、中学・高校時代はラグビーで活躍して愛知県代表にも選ばれたアスリート。大学在学中にキックボクシングを始め、卒業後にプロデビュー。重いパンチを武器にKrushフェザー級王座、Krushスーパー・フェザー級王座に挑戦しているが、いずれも延長戦で惜敗してタイトル獲得ならず。しかし、スタウロス・エグザコスティディスと芦澤竜誠に勝利。7月にKrushスーパー・フェザー級王者レオナ・ペタスに挑戦したが、判定で敗れた。戦績は18勝(6KO)7敗。


 両者は2016年1月17日のKrushで対戦し、朝久が判定勝ちを収めている。


 1R、サウスポーの朝久は左前蹴り、左ミドル、左ローと左の蹴りを連発。左インローを連打する朝久に大岩は右フックで襲い掛かるが、距離があっていないため空振り。大岩の右ボディに朝久が左ボディを返すと、大岩は右フックから左ボディ。朝久は左ハイをかすめるが、大岩は前へ出てパンチを繰り出す。


 2Rも左インローを蹴る朝久に大岩も右インローと左フックを打つ。かなりの蹴りをもらう大岩だが下がらず前へ出て右ストレートを当てる。奥足への左ロー、そして左ボディを打つ朝久に大岩はワンツーと左右ボディ。どれだけ蹴られても前に出る大岩。朝久も手を休めず、飛びヒザ蹴りを放って左右フック連打。


 3R、前に出る朝久に攻撃を止めない朝久。パンチ一辺倒になってしまった大岩に朝久はパンチと蹴りを上下に散らしていく。顔面前蹴りも放つ。疲れた表情が見える大岩に全く攻撃が止まらない朝久。顔面前蹴りを直撃させ、さらに左ハイ、左右のストレートで攻め込む。朝久が最後まで攻め切り、判定3-0のフルマークで朝久が完勝を収めた。


 朝久はマイクを持つと「計量の時にレベルの差を見せるだのKOするだのとえらそうなことを言いましたが、やはり大岩選手はトップの選手でした。僕の攻撃を受けても立っていたのは大岩選手だけです。僕は大岩選手の強さを知っています。僕も大岩選手もこれから頑張っていきます。強いのは知っています」と、笑顔で大岩を称えた。

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