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レポート

【K-1】初の福岡大会は波乱の連続、K-Jeeが速攻勝負でカリミアンを豪快KO、壽美がKANAを攻略、野杁正明はタフなトファネリ降す

2020/11/03 15:11

▼第4試合 スーパーファイト K-1女子アトム級 3分3R延長1R
〇山田真子(KINGS/元WBO女子世界ミニフライ級王者)
判定3-0 ※30-29、30-28×2
×優(北斗会館押上道場)


 山田は姉の紗暉と共に幼き頃から格闘技に打ち込み、空手、テコンドー、キックボクシングなどのアマチュア大会で活躍。2010年5月にJ-GIRLSでプロデビューすると、同年12月にLittle Tigerを破りJ-GIRLSアトム級王座に就いた。


 2012年3月にはプロボクサーに転向し、2014年2月には韓国でWBO女子世界ミニフライ級王座を奪取。2014年5月、所属ジムとのトラブルから現役を引退。キックボクシング6勝無敗2分、ボクシング7勝(2KO)無敗とパーフェクトレコードを残す。


 その後、2014年12月にキックボクシングの試合、2018年11月には元OPBF東洋太平洋女子スーパーバンタム級王者・高野人母美と事実上無差別級のボクシングルールで対戦し、6回判定勝ちを収めている。2019年11月にはKrushに初参戦し、MOEから勝利を収めた。ボクシングとキックボクシングを通じて16戦無敗という記録を打ち立てている。今回は地元で約1年ぶりの試合。


 対する優は中学・高校と陸上部に所属し、インターハイで4位の実績を持つ。30歳を過ぎてからキックボクシングを始め、現在は代官山にある美容室のオーナーでありアイリスト(アイメイクアーティスト)。2017年5月にKrushでプロデビュー。7月の第3代Krush女子アトム級王座決定トーナメント準決勝で菅原美優に敗れ、戦績は2勝4敗1分となった。


 1R、身長で7cm上回る優がリーチ差を活かし、左手を前に出しての右ストレートで山田をけん制するが、山田はスーパーマンパンチで距離を詰めると一気にパンチをまとめて打ち合いに行く。


 2Rも左手を前に出し、前蹴りも使って距離をとる優。しかし、山田は左フックからの右ストレートで飛び込むと打ち合いで右フックをヒットさせ、一気に左右フックのラッシュ。優を防戦一方に追い込む怒涛の連打を見せた。優のフックをかわした山田は一気に距離を詰め、顔面とボディへ素早くパンチを打ち分けて連打する。優を完全に翻弄した。


 3R、山田のパンチに優は鼻血。前へ出てくる優に山田は右ロー、右ミドル。優が右ストレートを放つとワンツーを返す。このラウンドは両者手数が少なく、クリンチが増え、判定3-0で山田が勝利するも納得のいかない表情。プロ無敗記録をまた伸ばした。

▼第3試合 スーパーファイト K-1ライト級 3分3R延長1R
〇水町 浩(士魂村上塾)
延長R 判定3-0 ※10-9×3
×竜樹(WSRフェアテックス九州)
※本戦の判定は30-29、29-29、29-29。


 40歳で52戦(28勝12KO19敗5分)のキャリアを持つ大ベテランの水町は、これまで第3代RISEライト級王者、第4代MA日本ウェルター級王者、第17代MA日本スーパー・ライト級王者、初代WMAF世界ウェルター級王者と四冠に輝いた実績を持つ。長崎県の出身。竜樹は3勝(1KO)3敗3分の新鋭で、前回は1月のKrushで佐野純平にKO勝ちしている。福岡県出身。両者の年齢差は20歳。


 1R、お互いにローを蹴り、水町は左右フックを繰り出すがヒットは奪えず。バックハンドブローと後ろ廻し蹴りも放つがやはり竜樹を捉えきれない。逆に竜樹はジャブを当てに行く。


 2R、パンチと後ろ蹴りでボディを攻める水町。竜樹がパンチを出すと両腕ブロックを固めて頭を下げるため、そこへ竜樹がヒザを突き上げる。竜樹のパンチはブロックする水町だが、竜樹のワンツー&右ローに下がってしまう。


 3R、スピードとパワーで優る竜樹がパンチ&ローで前へ出て行くが、水町も左ボディ、左右フックを打ち返す。竜樹が接近戦でのパンチ勝負を望み水町もこの距離でパンチを当てる。ガムシャラに左右フックを振り回して顔面とボディに打ち込む水町。右フックでヒットを奪い、竜樹が下がる。ひたすら連打で前へ出る水町が最後まで攻め込み、ジャッジ1名が水町を支持したが判定は1-0でドロー。


 延長Rも左右フックを顔面とボディへガムシャラに打つ水町。打ち終わりには後ろ蹴り、胴廻し回転蹴りも放つ。竜樹もワンツー・ヒザ蹴りで攻めるが、水町のフック連打にガードを固めてしまう。ラスト10秒、思い切り左右フックを振り回してヒットも奪った水町が40歳にして20歳新鋭から判定勝利を奪った。


(写真)プレゼンターはかつてK-1 WORLD MAXで活躍したTATSUJI

 水町はマイクを持つと「判定勝ちなのにマイクを持たせてもらって申し訳ないです。22年間頑張って来ましたが、今日をもって引退します。プロとして発信の場があったので頑張って来れました。人生は戦いの連続です。困難や試練が戦いたくなくても襲ってきます。そんな時に気持ちも言葉も人を支えるために使って欲しいと思います。皆さん一人一人が、人生においての戦いに無事勝利できるように心の底から祈っております」と、引退宣言をすると共にメッセージを送った。

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