▼第6試合 メインイベント ユニファイドルール ヘビー級(120.2kg) 5分3R
○エメリヤーエンコ・ヒョードル(ロシア)=109.08kg
[2R 2分44秒 KO]
×クイントン・“ランペイジ”・ジャクソン(米国)=120.0kg
メインイベント(第6試合)でクイントン・“ランペイジ”・ジャクソン(米国)と対戦するエメリヤーエンコ・ヒョードル(ロシア)は、あと3試合で引退する予定。その内の1試合が今回の日本でのラストマッチとなる。
ジャクソンはヒョードルについて「ヒョードルはとてもいい選手だ。本当の意味でのヘビー級(の試合)というのは多分、彼が初めてなのではないかと思っているよ。これまで石井(慧)選手とも対戦したけれど身体は小さかったし、本当に大きいヘビー級ファイターは彼が初めてなので、とても楽しみにしているし素晴らしい試合になるのではないか」と、本格的なヘビー級と戦うのが楽しみなのだという。
2012年のUFC日本大会以来の日本での試合に「PRIDEも無くなって、自分の印象としては日本のMMAは一度死んでしまったようなイメージがあったが、RIZINが素晴らしい仕事をしてここまで戻してきていると思っている。ファイターは家族を支えるために戦っているし、その試合が終われば友情が生まれるし、純粋に試合を見せようと思っているんだ。俺たちの試合は素晴らしい試合になる。また日本のファンの前でヒョードルと戦うことで昔のファンを取り戻したり、新しいファンを呼び起こしたり出来ればいいかなって思っている」と、日本のMMA人気を再び爆発させる手助けがしたいと話している。
PRIDEのテーマ曲で入場したジャクソン。ヒョードルは荘厳な音楽で登場。
中央でヒョードルを見つめるジャクソン。ヒョードルは視線を合わせず。1Rのゴング。ともにオーソドックス構え。近い距離で左アッパーから右を振るヒョードル。ジャクソンはガードを固める。右で飛び込むヒョードル。しかしジャクソンは硬いブロッキング。左から右で飛び込むジャクソンだが、ヒョードルはジャクソンをいなして右ミドル! さらに左右をガードの上に突く。
右フックさらに右のローキックを当てるヒョードル。左から右アッパーを突くヒョードルにジャクソンも大きな左右で押し返す。じりじりと詰めてきたジャクソンに、ヒョードルはいきなりの右ストレート! ガードを固めたジャクソンの内側に入り、ジャクソンが前のめりにダウン! 試合が決した。
さいたまスーパーアリーナで14戦目。さいたまでは無敗のヒョードルは、ケージのなかで「とてもハッピーです。ここでみなさんとともに時間を過ごせて、勝利をみなさんと分かち合えて心から感謝します」と挨拶。
続けた、「今回が日本の皆さんに直に見てもらう最後の試合になりました。長いキャリアをここで過ごしました。ここで皆さんと過ごせたことに感謝します。皆さん、ほんとうにありがとうございます。もう一度、あらためてサポートに感謝します。みなさんに愛を届けます」と大きな“愛”を日本のファンに送り、日本ラストファイトのマットを降りた。
▼第5試合 コ・メイン ユニファイドルール 160ポンド(72.5kg)契約 5分3R
○マイケル・チャンドラー(米国/ハードノックス365)=72.89kg秒
[1R 2分59秒 KO]
×シドニー・アウトロー(米国/ATT)=72.98kg
“ミスターベラトール”マイケル・チャンドラーは、名門ミズーリ大学のレスリング部で主将を務めたオールアメリカンレスラー。
Strikeforce、Bellatorで活躍してきたチャンドラーは、パトリッキー・“ピットブル”・フレイレとの2度の激闘の勝利、さらにエディ・アルバレスに一本勝ちするなど、Bellatorライト級王座に3度輝いている。
試合前の個別インタビューでは、「年齢を重ねてきたのでここ数試合はベテランらしく戦ってきたけど、MMAの伝統が根付いている日本で、さいたまスーパーアリーナというMMAが日本で発展してきた場所で、ファンのために最初から全力で行こうと思っています。(相手は)グラウンドで攻めて来るだろうから、コンビネーションパンチで、早ければ1R後半で試合を決めたい」と早期決着も想定する。
また、「過去何度も対戦相手が変わってきた。サウスポーからオーソドックスに変わったけど問題ありません」と語った。
ベンソン・ヘンダーソンに代わってチャンドラーと対戦するシドニー・アウトローは2013年2月にプロデビュー。2014年5月からはBELLATORに参戦。BELLATORを主戦場に他のプロモーションでも試合を行い、現在9連勝(BELLATORでは3連勝)。その内の5勝が関節・絞め技による一本勝ちという極めの強さを持つ。
フラデルフィア出身で祖父も父もプロボクサーというアウトローもチャンドラー同様に、「日本に来たことに本当に興奮しています。子供の頃から日本の格闘技のエネルギーを伝え聞いていたので、本当に嬉しく思います」と日本での戦いに敬意を示す。
師匠のヘンゾ・グレイシーから「常に優しく楽しく、相手を選ばず、相手に敬意を示すように言われている」と語るアウトローは、対戦相手のチャンドラーについて、「個人的に相手のファンですが」と笑顔で前置きしながらも、「自分らしく、シドニー・アウトローらしく戦いたいと思います」と語った。
1R、ともにオーソドックス構え。詰めて右から左はボディに対角に突くチャンドラー。さらに右ボディストレートも。アウトローも頭を後ろに構えるとチャンドラーの右の蹴りを掴むが、足を抜くチャンドラー。アウトローの右に右ボディストレートを当てるチャンドラー。
前手で相手を触りに行くチャンドラー。アウトローは左ジャブ・前蹴りで牽制。前後にステップインするチャンドラーは右ストレート! アウトローは外から左を合わせに行くが内側を下からストレートで突いたチャンドラーにアウトローはヒザから崩れてダウン! すぐにチャンドラーは右の鉄槌を1発! レフェリーが間に入った。
鮮烈KO勝利を決めたチャンドラーはケージの上に登りガッツポーズ。バック宙を披露。「シドニー・アウトローはとても強く、対策を練ってきた。スピード感を持ってコントロールしようと。怪我などもある中、ここに立てたことに感謝するよ。アリガト!(3度王者に輝いているが今後は?)とにかく長く戦いの場に立ち、全てをぶつけること。まだ僕はハングリーだし、まだまだタイトルを狙うよ。トーキョー、アリガトウゴザイマス!」と挨拶した。