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レポート

【Bellator JAPAN】ヒョードルが日本のファンに惜別のKO勝利で「愛を贈ります」。鮮烈KOのMVPは「また日本に呼んで」。K太郎が判定負け、渡辺華奈が殊勲のTKO勝利、クルックシャンクは一本負けで対抗戦はRIZINの1勝2敗に

2019/12/29 11:12

▼第2試合 ユニファイドルール 女子フライ級 5分3R(Bellator×RIZIN 対抗戦・次鋒戦)
×イララ・ジョアニ(ブラジル)=57.10kg
[3R 4分39秒 TKO] ※パウンド
○渡辺華奈(FIGHTER'S FLOW)=56.60kg


MMA8勝1敗でメインカードに抜擢された渡辺は、10月の前戦でベック・ローリングスにヒザ十字で一本勝ちしているジョアニについて「オールラウンダーで試合決定力も凄く高いので、試合をどんどん動かしていく強い選手」と評し、ケージでの試合について「4回目のケージでの試合で、普段の練習では壁際の攻防も凄くしているので、テイクダウンもしやすく逆にケージの方がやりやすい」と自信のほどを語っている。

試合のキーは渡辺にとって課題の残る打撃だ。技術の全体的な底上げ・精度を上げた」という渡辺は、「スタンドの打撃も練習してきました」という。


対するジョアニは、渡辺を「とてもタフな対戦相手。ずっと勝ち続けている選手でもある。でも彼女は一度も私のような選手とは戦ったことがない。今まで彼女が戦ってきた相手よりも私の方が強いです」と、レベルの差があるとし、「柔道家相手にアジャストしながら今回の準備をしてきました」と、ケージレスリングのみならず、柔道の投げの対策も万全であることを語っている。


パトリッキー・フレイレ&パトリシオ・ピットブルのピットブル・ブラザーズから「相手を潰すこと」とのアドバイスを受けたというジョアニは「ブラジルでも日本の格闘技といえばPRIDEです。それを継ぐRIZINで、さいたまで戦えることは光栄です」と意気込んでいる。

1R、ともにオーソドックス構え。ジョアニの右を被弾する渡辺は奥襟をつかみにいくが、ジョアニの右から左を受ける。右のミドルをつかんだ渡辺だが、足を抜くジョアニ。


大内刈から崩してテイクダウンは渡辺だが、右腕を内に流したジョアニは三角絞めへ! しかし左にかつぎ外した渡辺は上四方に。さらにサイドを奪いアメリカーナ狙い。さらに右で脇差す渡辺はパウンド。

下からジョアニはキムラロックを狙うが、渡辺は腹前に腕を戻すと、ハーフから肩固め狙い。亀になったジョアニのバックマウントを奪いゴング。


2R、右ローは外す渡辺はやはり引手と釣り手をつかみに行き、内股を狙うが、外して左を差して金網に押し込むジョアニ。渡辺は右で小手に巻き、内股で投げるもその際でスイープした柔術紫帯のジョアニが上に。ダブルレッグから両足を束ね金網に押し込む。


上体を金網に立てて座る渡辺。押し込むジョアニの頭を下げさせ右足をヒザの上に乗せて支点を無くすと右手でパウンド連打! ジョアニは下から右足をつかむが足関節までには至らない。


3R、引手と釣り手を掴んだ渡辺は半ば強引に内股で投げるが引手が十分ではない。しかし金網際で今度は首投げから内股を合わせてテイクダウン! ジョアニは下から腕十字へ。正面に入り直す渡辺は、インサイドからパウンドへ。ジョアニは手首をつかむが外した渡辺は片足を抜きハーフに。右腕で枕に巻き、ジョアニをマットに背中を着かせるとパウンド。パスの圧力をかける渡辺。背中を見せたジョアニからバックマウント。動けないジョアニに渡辺はパウンド・鉄槌連打! レフェリーが試合を止めた。


ジョン・マッカーシーから「柔道のバックグラウンドを巧みに活かしていたね」と聞かれた渡辺は、「イララ選手がすごく強くて勝ててホッとしています。RIZIN代表として勝ててよかったです」とケージの中で語った。


▼第1試合 ユニファイドルール 71.6kg契約 5分3R(Bellator×RIZIN 対抗戦・先鋒戦)
○ゴイチ・ヤマウチ(ブラジル)=71.57kg ※体重超過でキャッチウェイト戦に変更
[1R 3分11秒 リアネイキドチョーク]
×ダロン・クルックシャンク(米国)=70.35kg


ゴイチ・ヤマウチは、2015年10月「Bellator 144」でISAOにリアネイキドチョークで一本勝ち。2016年10月のライアン・クートゥアー戦の腕十字での一本勝ち以降、5勝1敗。近年唯一の黒星は、2018年1月にマイケル・チヤンドラーに判定負けのみ。前戦2019年10月のサッド・アワッド戦も得意の腕十字で一本勝ちを収めている。しかし、ゴイチの今回体重超過でキャッチウェイト戦に変更された。


クルックシャンクは、父親がMMAファイターで母親はキックボクサーという格闘家の両親の元に生まれ育ち、幼少時よりレスリングとテコンドーを習う。

2018年5月のRIZIN.10では、松本光史に左ハイキックの一撃で1R KO勝利を飾り、続く7月のRIZIN.11では、ブラジルのローカル団体ファイトドラゴンのライト級現役王者トム・サントスからTKO勝利。9月のRIZIN.13ではディエゴ・ブランダオンを2R開始早々の飛びヒザ蹴りからパウンドの追撃で沈めて三連勝を飾る。


大晦日のRIZIN.14では、同じく元UFCファイターのダミアン・ブラウンを相手に得意の打撃で優勢に試合を進めるもフロントチョークを極められ連勝ストップとなった。RIZIN.16ではトフィック・ムサエフと対戦すると、緊迫したせめぎ合いの末、RIZINでは初めて判定決着で敗れた。ライト級GP出場権を手にし、このフラストレーションを爆発させたい。


クルックシャンクは「Real American」で、ゴイチは敬愛する桜庭和志の入場曲「スピード」で登場。


1R、ともにサウスポー構え。半身気味に前足でサイドキックを出す両者。クルックシャンクの左のオーバーハンドはブロックするゴイチ。クルックシャンクはバックヒジを繰り出すが前に詰めたゴイチはバックに。背中に飛び乗って右足をかけて右手をのどもとに狙う。


左足でケージを蹴って巧みに崩して倒したゴイチは、両足を組んで右腕を喉下に。後ろ手をつかもうとするクルックシャンクだが、タップした。体重超過が悔やまれるゴイチの一本勝ちだった。


ゴイチはケージの中で、「コンニチハ、ニホン。生まれ故郷であるここ日本で、聖地さいたまで勝てて嬉しい。しっかり準備してきた成果を出せました。(13の一本勝ち)毎日子供時代からやってきたことをしっかり出せました。ニホンノミナサン、ドウモ、アリガトウゴザイマシタ。ニホンハ、サイキョー」と挨拶した。

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