(C)GONG KAKUTOGI, PANCRASE
2026年6月28日(日) 東京・ニューピアホールにて『PANCRASE 363』(U-NEXT配信)が開催される。「フェザー級暫定王座決定戦」オタベク・ラジャボフvs.木下尚祐がメインとなる同大会で、ライト級では、1位の粕谷優介(CROWN)と2位の神谷大智(BRAVE)が、現王者ラファエル・バルボーザへの挑戦権をかけて対戦する。
▼ライト級次期挑戦者決定戦 5分3R
粕谷優介(CROWN)1位 16勝10敗2分
神谷大智(BRAVE)2位 8勝1敗1NC
粕谷は、25年3月大会で王者バルボーザ相手に不運な反則膝蹴りのダメージもあり、ダースチョークで敗れた。
しかし、12月大会では、元二階級王者ISAOをリアネイキドチョークで下し、再起を果たしている。
一方、神谷はデビュー以来連勝街道を突き進むも、25年5月の『Road To UFC』でキム・サンウクにキャリア初黒星。
再起を賭けた12月大会では、柔道仕込みの強烈な投げで松岡嵩志の腕を破壊。26年3月大会では葛西和希をスプリット判定で下し、勢いを取り戻している。
打撃、寝技ともに隙のないバルボーザへの挑戦権を賭けた一戦に勝利し、チャンピオンシップに駒を進めるのはどちらだ。両者の会見と、粕谷の公式インタビューでの言葉も併せて紹介したい。
粕谷優介「ヴォルカノフスキーのパンチに比べれば、耐えることができた」
──粕谷選手が作り、ご自身も練習もされている総合格闘技ジム「CROWN」は今年で何年目になるのでしょうか。
「12年目を迎えました。もともとは2015年にPXCでフランク・カマチョ選手との試合に向けて集中して練習したくて、短期的に借りた場所だったのですが、そのまま現在のCROWNになったという感じです。当時の所属先に対して“こうしたらさらに良くなるのではないか”と感じる部分があったので“それなら自分で経営してみよう”と思い、ジムをオープンしました」
──CROWNがオープンしてすぐにPANCRASEに初参戦しましたよね?
「そうですね。PXCでフランク・カマチョ選手に勝利し、その後UFCで2試合経験したあと、PANCRASEで松嶋こよみ選手と試合をしました(※2017年8月、ディファ有明で判定負け)」
──UFCでは現フェザー級王者のアレクサンダー・ ヴォルカノフスキー選手とも対戦(※2016年11月、2R TKO負け)していますが、実際に試合をして感じたことを教えてください。
「出力がとんでもなく、しかもその出力がまったく落ちなかった印象があります。UFCで2連敗(※2015年9月にニック・ヘインに判定負け)したあと、PANCRASEで試合をさせてもらいましたが、正直なところ、UFCでレベルの違いを感じて引退しようと思っていました」
──その時に引退しなかった理由を聞かせてください。
「ヴォルカノフスキー選手がUFCで勝ち続けているのを見て、当時の敗戦に対する自分自身の認識がポジティブに変化していったんです(笑)」
──なるほど(笑)。たしかに、その後もヴォルカノフスキー選手は、矢地祐介選手、廣田瑞人にも勝利し、イスラム・マハチェフに敗れるまで22連勝を飾っています。その後も粕谷選手は、PANCRASEで菊入選手、ISAO選手、久米選手、バルボーザ選手など数々の強豪と戦ってきました。改めて振り返るとどのように感じますか?
「全員強かったです……でも、後にも先にも試合中に“死ぬかもしれない”と思ったのはヴォルカノフスキー選手との試合だけでした。ヴォルカノフスキー選手のパンチに比べれば、みんな何とか耐えることができました」

──25年12月にはPANCRASEでISAO選手へのリベンジに成功し、今回は「ライト級次期挑戦者決定戦」で神谷選手との対戦が決まりました。神谷選手の印象と、試合の対策について教えてください。
「若くて強い選手だなと思います。対策は特にありません。僕はMMAの練習を自分のジムだけで行っていて、出稽古も神奈川県秦野市にあるVanguard柔術へ行くくらいです。人見知りですし、遠くへ行きたくないので、極力自分のテリトリーの中ですべてを完結させたいんです。考え方としても、試合は必ず結果が出るものですが、しっかり練習して試合に臨めば成果は出ると思っています。自己肯定感を大切にしていますね」
──なるほど。粕谷選手の人間味あふれる一面を改めて知ることができました。それでは最後にファンにメッセージをお願いします。
「キャリアを重ねるにつれて勝っても負けてもあまり感情が出なくなっていましたが、昨年3月に現王者ラファエル・バルボーザ選手に敗れたあと、初めて“もう一度バルボーザ選手と試合がしたい!”と思いました。理由は冷静になれなかった自分が不甲斐なくて悔いが残る負けとなったからです。まずは今回のライト級次期挑戦者決定戦で勝利し、ベルトを懸けた戦いに挑みたいと思います」
粕谷は、なぜ“もう一度バルボーザと試合がしたい!”と思ったのか。会見での粕谷との一問一答も紹介したい。
粕谷「バルボーザから反則ヒザをもらった後に『頑張って』と言われて──」
「CROWNの粕谷です。バルボーザにどうしてもリベンジしたくて、勝ってタイトルマッチに進みたいと思います」
――今回の試合が決まった時の気持ちと、対戦相手の印象をお聞かせください。
「神谷選手を前から見ていていい選手だなと思ってたんで、こう若い選手に勝って、ベテランもまだ戦えるんだぞというところを見せたいなと思います」
――先ほど「どうしてもバルボーザ選手にどリベンジしたい」というお話がありました。この試合はもちろんタイトル戦にもからんでくると思いますが、リベンジとタイトル、どちらのモチベーションの方が高いですか?
「もちろん、ずっとランキング上位でヤン坊選手に負けて(※2023年12月、次期挑戦者決定戦)タイトルに挑戦できなかったという悔しい思いはずっとあるんですけど、バルボーザ戦(※2025年3月)で後頭部にヒザをもらった後、意識は朦朧としてはいたんですけど、『頑張って』って言われたのがちょっと腹立ったんで。すごくイヤな気持ちになったので、やり返したいなと。本当はあそこでもうちょっと痛がってやめとけばよかったなとは思ったんですけど(笑)、いいヤツだなと思ったのが、(その一言で)ちょっとイヤなヤツだなっていうイメージで終わってます。神谷選手にも勝ちたいんですけど、バルボーザ選手をもうちょっと殴りたいという気持ちです」
――ああいう状況がなければ、あの試合は勝てていたと。
「あっ、全然それは関係ないです。普通に『頑張って』がなくても、後頭部にヒザがなくても、たぶんダース(チョーク)で負けてたと思うんで。それはそれ、これはこれで。ちゃんとリベンジしたいと思います」
――その上で今回の神谷戦はバルボーザ選手との再戦に向けて色々試せる、いい機会にもなる?
「そうですね。もう17年やってて、できることはもう決まってるかなと思うので、自分の得意なところが神谷選手に通じるのかなっていうのが楽しみです」
――ご自身が12月に対戦したISAO選手が、先日RIZIN(6月7日、仙台大会)で矢地祐介選手と接戦でした。あの試合を見た時に、自分だったらもっとやれると思ったりはしませんでしたか?
「ハイライトしか見てなくて。柔道スローっていうんですかね、僕も食らったなっていうイメージと、僕は正直RIZINには興味ないんで、特に思うことはなく、2人とも頑張ってほしいなというので見てました」
――PANCRASEでタイトルを獲ることが目標ですね。
「はい。自分が今いる場所で一番になりたいっていう考えです」
――今回、どんな試合、どんなフィニッシュを見せてくれますか?
「神谷選手、組みが強いと思うんで、テイクダウンされることはあるかなと思うので、なるべくスクランブルにして、またバックチョークが取れればいいいかなと思います」









