2026年6月21日(日)東京・後楽園ホール『SHOOT BOXING 2026 act.3』(U-NEXT通信)のトリプルメインイベントI、SB日本バンタム級タイトルマッチで対戦する王者・佐藤執斗(フリー)と挑戦者・片山魁(TEAM FOREST)のインタビューが主催者を通じて届いた。
後半スタミナがなくなっても気合いです
17歳の新鋭を退けて、SBとMMAの二刀流を目指すという佐藤の第二章がここから再スタートとなるか。
――今回、保持するSB日本バンタム級タイトル初防衛戦が決まりました。
「ずっと防衛戦をやりたかったので楽しみです」
――防衛戦をやりたかったのはなぜですか?
「やっぱり王者は防衛戦をしなきゃいけないと。なかなか僕と張り合える相手がいないというか、SBに継続参戦していて、僕と戦えるような人がいなかったと思うので、ようやく挑戦者が現れてくれて嬉しいです」
――片山選手のことはいつぐらいから意識してました?
「フライ級で試合してる時から、そのうち僕とやるんだろうなとは思っていましたね」
――片山選手はアマチュア時代もいろんな大会に出てかなりいい成績でしたけど、拠点が同じ愛知ということでプロデビュー前から知ってました?
「TEAM FOREST代表の山村さんは昔から知ってるんですけど、アマチュア時代の片山選手は全く知らなくて、片山選手がプロデビューしてからようやく知りました」
――片山選手の過去の映像は見られたんですか?
「何も見てないです(笑)。僕は自分の戦いをするだけなので相手の過去の映像は見ないんです。過去に映像を見て対策を練ったことがあるんですけど、考え過ぎちゃって試合中は変に自分の動きができなくなってパフォーマンスが良くなかったので、それからは相手のことは気にせず自分の動きに徹しようという考えになりました」
――過去にそういった失敗をしたのは、いつの試合だったんですか。
「いつの試合だったかはちょっと忘れたんですけど、パフォーマンスがめっちゃ低かったなと記憶しています。でも、前回4月の黒田斗真戦は試合前にめちゃ映像を見て対策をしました」
――それはなぜですか?
「結局、攻撃を合わせられたんですけど、僕の戦い方だったら黒田選手の左ストレートを絶対に合わせられると周りから結構言われたので、しっかり対策しました。実際は左ストレートを警戒しすぎてヒザが見えなかったので1Rにダウンを奪われました」
――逆に警戒しすぎて、またご自身の動きも出せずだったんですね。その後。2Rに偶発的なバッティングで佐藤選手は失神し立ち上がれないほどのダメージでした。もうダメージはないですか?
「鼻が折れてまだ痛いですね。あと、額をカットして5針縫いました。1Rやったのは覚えてますけど、2R目の記憶は一切ないです」
――結果に関わらず今回のタイトルマッチは決まってたかと思うのですが、すぐに気持ちは切り替えられたんですか。
「終わって1週間ぐらいボーッとしてたら、SB協会の関係者から6月のタイトル防衛戦はできそうかどうかを聞かれたので、僕は断らないタイプなんでやりますと」
――今回の片山選手の映像を観てないということですが、黒田選手と同じく攻撃に合わせてきそうですけど…。
「そうですね。でも、やっぱり片山選手はパワーがないかなと思っているので、攻撃を合わせて来てもどうなんでしょう? スピードはしっかりあるので、そこだけは意識して対応しようかなと思います」
――4月のシリーズ第二戦で片山選手はサンチャイ選手と対戦した時、佐藤選手はリングサイドで観戦されてましたが、片山選手の動きを見たのはもしかして初めてでした?
「そうですね。初めて見ました。僕も対戦したサンチャイ選手は組みがめっちゃ強いんですけど、片山選手は組みもしっかりやりあえていたので、片山選手は体が見た目以上に組みもしっかり強いんだなと思いました」
――スピード面に関しては?
「スピードはやっぱり速いですね。当ててその場からすぐにいなくなるみたいな感じですよね」
――今時の戦い方ですよね。
「そうですね。僕は足を止めて打ち合いたいので(笑)」
――17歳と若い選手とやることに関して周りからは何と言われますか?
「何も知らない人からは勝って当然と思われたりしているのですが、僕は試合ができればいいかなって感じなので何を言われても気にならないですね」
――ちなみにご自身が17歳の時と比べてどうですか?
「僕も17か18でプロデビューしたので、片山選手はその年齢でタイトルマッチまで行ってるのは凄いですね。これからどんどん強くなると思うので、今のうちにしっかり勝って防衛したいですね」
――会見などでは、片山選手からは挑発的な言葉も多く、そういう言葉を受けて気持ちはどうですか?
「若い子には負けたくないなと思うだけで、煽られていても全然何も思わないです(笑)。過去に僕を煽ってくるような選手もいなく、挑発されたとしても何も思わず怒ることもないんですよね。僕は感情には出さないタイプなんです」
――とはいえ、前回の黒田選手が佐藤選手との試合が決まっていたにも関わらず、ONEの試合を発表していた時は怒ってましたよね?
「あれはマジでちょっとムカつきましたね(苦笑)。でも結局負けちゃったので悔しすぎます…」
――ではあそこまで怒ったのは人生初ぐらい?
「そうですね。めっちゃ感情的になりましたから」
――片山選手のスピードに対して、ご自身は何で対抗しますか?
「パワー一択かなと。僕も結構トリッキーなんであの動きと噛み合うか分かりませんが、とりあえず面白い試合ができればいいなと」
――佐藤選手のスタイルは独特ですが、誰かお手本になった選手はいるんですか?
「全然ないです。僕は小さい頃から小さくて大人とばかり練習してて、いかにもらわず当てるかということを考えていたら、ああいう変なスタイルになっちゃいました(笑)」
――すごく動くからスタミナも相当使いますよね。
「そうですね。普段から階段を上ったり、短距離をやったりと、どれだけスタミナの練習をしても3R目に疲れちゃうんですよね。次はタイトルマッチで5R制なんで省エネで戦おうと思うんですけど、結局1Rから行ってしまうんですよ」
――佐藤選手は5R制の戦いはすでに経験済みなことは有利だと思いますか?
「伏見選手とのタイトルマッチは4Rで終わり(2021年12月26日)、韓国のMAX FCフライ級タイトルマッチでは5Rで戦っていて(2019年6月22日)、僕は5Rの戦いの方が好きかもしれないです。後半、スタミナがなくなっても気合いです(笑)」
――今はどういう練習環境なんですか?
「OISHI GYMさんやISHITSUNA MMAさんなどに出稽古に行ってます。いろんなところに行って、毎日刺激的ないい練習ができています」
――出稽古先のスパーでも変わらずご自身のトリッキーな動きをされるんですか。
「そうですね。みんなからうわーって感じで嫌がられます(苦笑)。次の試合でもまたパワーアップした姿を見せたいですし、さらに尖ったスタイルになるので楽しみにしてもらえたらと」
――防衛してその後はどういったことを考えていますか。
「防衛後もSBの試合は続けていきたいんですけど、MMAも本格的にやりたいなと思っているので二刀流で頑張りたいですね。SB内だと、片山選手を倒したら、次は誰がいるんだ? という話になりますし、他団体に出られるなら出たいんですけど、やっぱりSBルールが好きなんで」
――前回MMAで負けたこともあって、このままでは終われないと?
「そうです。まだ悔しいんです。前回は適性階級ではなく、フライ級でやったのでストロー級でしっかりMMAのベルトを狙いに行きたいと思ってます。奥山貴大選手と同じくDEEPで挑戦できたらいいなと。MMAでもSBの強さを見せていき、この先にはSBのベルトだけでなくMMAのベルトも持ちたいですね」
――では、最後に会場に来てくれるファンにメッセージを。
「僕の試合はいつも打ち合ってしっかり盛り上がる試合をするので、今回もタイトルマッチの中で一番面白い試合をします。ぜひ楽しみに観に来てください」
[nextpage]
スピード面、テクニック面も僕が絶対に上回っている
王者・佐藤と対戦する17歳の挑戦者・片山魁。18歳2カ月で王者になった日下部竜也を抜いて史上最年少記録でSB王者なるか。
――タイに行かれていたそうですね。
「6月2日から4日までの短期間になりますが、練習は2日間のみでバンコクのロンポージムに行きました。本当は4日間行く予定だったのですが、日付を間違えてしまったんです(苦笑)。タイに行く前に気づいて、行く前にいろいろと予定変更が多かったこともあって間違えてしまったのかなと」
――次の佐藤選手はムエタイスタイルではないですが、なぜタイに行こうと思ったんですか?
「もちろん練習メインで行くのですが、息抜きというか、ちょっと違う空気を吸いに行った感じですね」
――タイでの練習ではどういったところを意識しながらやっていたんですか。
「特にはないんですけど、ムエタイは蹴り主体の競技なので、蹴りも強化してきました」
――佐藤選手も蹴りの得意の選手ですけど、蹴りでも対抗すると?
「そうですね。蹴りでも上回りたいかなという感じです」
――ムエタイジムのトレーナーからの評価はどうでした?
「僕はタイ語が分からないんですけど、そこはいいんじゃないですかね(笑)。マススパーリングでタイ人選手とやらせていただきました」
――タイ人は片山選手のスタイルはやりづらそうでした?
「ムエタイの選手は待ちの姿勢で蹴り主体の攻めじゃないですか。僕は結構スピードで入るので結構やりづらいだろうなと思いながらやりましたね」
――改めて念願のタイトルマッチが決まって心境はどうですか?
「いつも通りの試合に臨む心境かなと。今回は5Rあるので、そこをしっかり徹底して作戦を考えようかなと思ってます」
――初の5Rで不安はないですか?
「全然不安はないですね。プロデビューする前にスック・ワンチャイという名古屋で開催されたムエタイ興行のセミプロルールで2分5Rを経験していて、その時は3RにKO勝ちしているので5Rまでいってないんですけど、いつも通りでやっていれば全然大丈夫かなと思います。だから1Rから飛ばしてもいけると思います」
――では短期決着も狙って?
「どのラウンドで倒せるかは分からないですけど、チャンスがあったらどのラウンドでも仕留めに行ってもいいかなという感じです」
――先日の記者会見で佐藤選手と向き合ってどうでした?
「筋肉があるので、やっぱり体はデカいですね。身長は僕の方が少し高いと思うんですけど、佐藤選手の方がリーチは長いので、そこは警戒しようかなと思っています」
――大人ならではのフィジカルの強さもあるかと思いますが、そこはどう感じていますか。
「正直なところ、僕はフィジカルの差はあまりないと思っています。フィジカル差があったとしても、スピード面、テクニック面も僕が絶対に上回っているのであしらえると思いますし。組みも全然負ける気はしてなく、変な攻撃をもらわなければ全然勝てる相手かなと」
――佐藤選手のサイドキックとか変則的な蹴りは結構やりづらそうですけど、そこに関しての対策はどう考えてますか?
「最初はやりづらかったんですけど、今は結構対策していて、すごいハマってきているので今は全然警戒していないですね」
――会見では佐藤選手から経験の差があると言われていましたが、そこに関してはどういうふうに受け止めました?
「僕は普通に経験差はないのかなと思っています。アマチュア時代にセミプロルールで何試合もやっていますし」
――イメージとしては何Rの決着になりそうですか?
「前半のラウンドで倒せるかもしれないですけど、後半のラウンドに畳みかけて決着できるのかなと思います」
――ベルトを巻いた時のイメージもすでに出来てますか?
「それはバッチリです。ベルトを獲ること以外は考えられないので、ここで獲らないと次にも進めないので絶対に獲ります」
――事前の勝敗予想ではどちらが有利だと感じてますか?
「佐藤選手が勝つとみんなは思ってるんじゃないですかね。自分が勝つと思っていたら勝てるので、僕はあまり他人の声は気にしていません」
――勝ったらその先はどういったものが見えてくるんでしょうか。
「まずはベルトを獲って、この階級の他団体の強いと言われている選手を倒していき、日本で僕が一番強いことを証明します。僕は他団体に出ることに興味はないので、最終的には僕の階級でS-cup世界トーナメントを開催してもらえるぐらいまで行きたいですね」
――そこで優勝すれば、まさにSBの象徴的な選手になりますね。SBの上の階級には笠原兄弟、山田ツインスと看板選手がそろってますけど、選手として意識はしてますか?
「今はSBの代表的な選手は誰? みたいな感じになってると思うので、海人選手の位置まで必ず僕が行きたいですね。そういうことは試合内容や勝敗でどんどん決まっていくと思うので、そこは意識して結果を残したいと思います。今回、SBのタイトルマッチは3試合ありますが、僕が必ず一番盛り上げたうえで倒してチャンピオンになるので期待しててください」