キックボクシング
レポート

【イノベーション】トーナメントはタップロンが優勝、原口健飛が森井洋介に衝撃KO勝ち

2019/11/21 19:11

▼第10試合 70kg契約 3分3R ヒジ打ちあり、首相撲無制限
○緑川 創(目黒藤本ジム/新日本キックボクシング協会/WKBA世界スーパーウェルター王者)
判定3-0 ※30-29、29-28、29-28
×チューチャイ・ハーデスワークアウトジム(タイ/ハーデスワークアウトジム/S-BATTELミドル級王者)


 今年6月1日、2度目のラジャダムナンスタジアム認定スーパーウェルター級タイトルに挑みながら惜敗で宿願のベルトを逃した緑川が約半年ぶりの復帰戦。

 チューチャイは、長らく日本で活躍し、20戦以上戦いながらほぼ負けがない強豪。隣の広島県からの応援団が多く、東京から来た日本人の緑川よりも桁違いに多い激励賞が贈られる人気ぶり。これは即ち、安易に負けるわけにはいかないタイ人のやる気スイッチが押された状態でもある。


 アンディ・サワーにさえ勝利した機動力豊かなボクシングを中心とした一見ムエタイとはかけ離れたスタイルの緑川だが、コンビネーションに肘を練り込み、長身のチューチャイを相手に首相撲で負けないムエタイ力を見せつける。

 これにチューチャイは、単発の左ミドルキックと首相撲からの肘打ちで応えようとするが、それを見越した緑川はこれを見切り決定打を出させない。


 単調にも見える攻防は、概ね緑川がペースを握る展開で問題なく判定3-0で勝利したが、宿願のラジャ王座を見据えてか、勝利に喜ぶではなく反省しきりの様子だった。

▼第9試合 67kg契約 3分3R ヒジ打ちあり、首相撲無制限
×井原浩之(Studio-K/元MA日本ミドル級王者)
判定0-3 ※28-30、28-30、27-30
○馬木愛里(岡山ジム/JAPAN KICKBOXING INNOVATION/MuayThaiOpenウェルター級王者)


 圧倒的な才能とスター性を持つ“ピンクダイヤモンド”馬木愛里が一昨年の秋、交通事故で再起不能級の重傷を負い、そこから執念の復帰を遂げたのが今夏7月28日。タイ人選手に2ラウンドKO勝利でプロ初のタイトルを手に入れると、今秋10月14日には、INNOVATIONウェルター級王者だった“全弾フルスイング”番長兇侍も2ラウンドTKOに仕留め「モノが違う」と嘆息せしめた。

 そして、地元・岡山で冬のはじめに復帰3戦目。相手は、隣県広島で旧知の元MA日本ミドル級王者、井原浩之。年上で階級上のファイターに敬意を表するように馬木が青コーナー、井原が赤コーナーに布陣されている(慣習的に赤コーナーが格上とされる)。


 まだ19歳の馬木は、身体を弛緩させそこからノーモーションで鞭のように打ち込むロングレンジの左ストレートや前蹴りなどが冴えに冴える。美男の馬木が一流タイ人ムエタイ選手のように薄ら笑みさえ浮かべ冷淡かつ余裕の構えであることに対し、ベテランの井原は、ガードを高く頑なに前進を繰り返す。


 スピードとキレが段違いの馬木は、確実にポイントを得てダメージも与えているようでいながら仕留めきれないジレンマを感じさせつつあった3R終盤、左ヒジの刃物で斬りつけたような一撃で井原が大流血。顔面を朱に染めるその様子からTKOかと思われたが続行許可が下ろされ、そこからしばらくで試合終了のゴング。結果、馬木が判定3-0で圧勝。

「実はあのタイプが大の苦手なんです」と試合後に語った馬木だが、眠れる才能はまだまだうたた寝から目覚めていない様子。来年が楽しみな駿馬が岡山からの疾走を待つ。

▼第8試合 スーパーフライ級(52.16kg) 3分3R ヒジ打ちあり、首相撲無制限
○ジラキット・ゲーオサムリット(タイ/ゲーオサムリットジム)
判定2-0 ※30-30、29-28、29-28
×MASAKING(岡山ジム/JAPAN KICKBOXING INNOVATION)

▼第7試合 スーパーフライ級(52.16kg) 3分3R ヒジ打ちあり、首相撲無制限
×志門(テツジム滑飛一家/日本キックボクシング連盟)
TKO 3R 2分51秒 ※左ヒジ打ち→レフェリーストップ
〇平松 侑(岡山ジム/JAPAN KICKBOXING INNOVATION)

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