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【UFC】チマエフが新ミドル級王者に!デュ・プレシを5R完封。朝倉海が連続一本負け、エリオットのギロチンにタップ。マーフィーがピコをバックヒジKOでUFC9連勝、プラテスもニールをバックヒジKO。ミドル級でペイジがキャノニアからダウン奪う判定勝ち=『UFC 319』

2025/08/17 07:08

▼フライ級 5分3R ※選手名からインタビュー
〇ティム・エリオット(米国)21勝13敗1分(UFC10勝11敗)11位
[2R 4分39秒 ギロチンチョーク]

×朝倉 海(JAPAN TOP TEAM)21勝6敗(UFC0勝2敗)15位

 朝倉は元RIZINバンタム級王者で現UFCフライ級15位。エリオットは同級11位。

 朝倉は、2024年12月のUFC初戦で同級王者アレシャンドレ・ パントージャ(ブラジル)のベルトにいきなり挑戦も、2R リアネイキドチョークで一本負け。今回は約8カ月ぶりの再起戦となる。31歳。

 対するエリオットは、2016年のTUF決勝で扇久保博正に判定勝ちでUFCと再契約。2023年10月に無敗のムハンマド・モカエフに3R逆転一本負けも、23年12月の前戦では緊急参戦ながらス・ムダルジを1R 肩固めに極めて一本勝ち。その後、前十字靭帯損傷の大怪我を負って試合から遠ざかっていたが、今回は1年8カ月ぶりの復帰戦となる。38歳。

 朝倉海が先に入場。コーナーマンに兄の朝倉未来はじめ、柔術家の竹浦正起、打撃トレーナーの小倉將裕がつく。続けて赤コーナーのエリオットがケージイン。マット上で足をシャッフルするステップを見せる。

 1R、ともにオーソドックス構えから。サウスポーにスイッチも見せるエリオットは右の前蹴り。朝倉は逆ワンツーの飛び込み。エリオットは関節蹴り。左インロー。朝倉はワンツーの右を見せる。バックキックのエリオットをかわして右ボディ打ちの朝倉。エリオットの左ハイはブロック。

 ワンツースリーフォーと4連打の朝倉。エリオットは頭をずらすもケージ背に。両手を前に構えるエリオットはシングルレッグ狙いも深追いせず。ワンツースリーの朝倉にクリンチのエリオット。離れる朝倉は右ボディも。

 さらに離れて右ボディ。エリオットは跳びヒザもかわした朝倉。ボディ打ちから左ヒザで前に! いったん下がったエリオットだが押し戻し。マットに手を着いてのセンチャイキックのエリオット。かわした朝倉は左ハイを当てるも、その蹴り足を掴んでのテイクダウンが得意なエリオットは倒してサイドに。寝技になるとブーイングの今日のシカゴ大会。

 エリオットは左で枕、右で脇差しヒジを打ち込み、クルスフィックスも狙える状況も、朝倉が右手を抜いて、エリオットがヒジを打ち込んだところで朝倉はヒザを立てて手を着いて立ち上がりホーン。朝倉のラウンドに。

 2R、サウスポー構えから両手を前に回すエリオット。左フックを見せる。ジャブからワンツーの朝倉。エリオットは徐々に圧力をかけるが、朝倉は右カーフ。

 左右の大振りフックを見せるエリオット。朝倉の打ち終わりに左をヒット。さらに左はかわした朝倉は跳びヒザも遠い。エリオットのテイクダウンプレッシャーに右に回りながら打つ形になる朝倉。



 詰めるエリオットは左アッパーは空振り。さらに左フックもそこに右を当てる朝倉。頭を上下させて足をスイッチして歩いて近づくエリオット。朝倉を誘い込んで左ストレート。かわす朝倉は右ボディ!  朝倉の大きな右とエリオットの左が交錯。手を下げてドミニクステップで出入りのフェイントのエリオットに朝倉は右ストレート。エリオットはニータップでテイクダウンし、すぐに立ち上がる朝倉の背中に乗るが、両足はかからず。着地したエリオットに朝倉は正対して離れる。

 朝倉はジャブ。スイッチを繰り返すエリオットはそれをあえて半身になって誘い込むように避けて後退、朝倉は右から左フックで前に。それを潜ってマット中央でダブルレッグでテイクダウンしたエリオット。朝倉はクローズドガードで背中をマットに着ける。

 インサイドからこつこつ脇腹にフジを突くエリオット。右で枕にすると、朝倉は足を解いて右ヒザを胸に当てて突き放す。振りかぶって右ヒジを落とすエリオット。そのエルボーのスペースで体を起こした朝倉はスクランブルで、左手をマットに着いてエリオットの右足を取りにレッスルアップへ。

 その際でエリオットはがぶりから右手で朝倉の首を抱えて左手で朝倉の右腕をオーバーフックしてクラッチしてアームインギロチンチョークで後方に回す! そこで首と対角に飛ぼうとした朝倉に左足をかけて越えさせず。そのままマウントに。

 エリオットは抱えていた朝倉の右腕を解除し、ワンハンドで首を抱えて右半身で絞る。さらに朝倉の右肩を押してマットにつけて、そのスペースで左腕を差し込み、得意のノーアームのギロチンに。朝倉は左手でクラッチを剥がそうとするがエリオットの腕はタイトに喉下に入っており、朝倉は一度は右側にブリッジを試みたが動けず。右手で、タップした。

 ケージの中でインタビュアーのジョー・ローガンから「RIZIN2度王者の朝倉海にこの結果は素晴らしい」と聞かれ、エリオットは「ああ、本当に幸運だと思ってるよ。こんなに長くこの世界にいられること。でも、良い相手がいるからこそ、俺はその相手に挑むことができるんだ。今夜は本当に良い相手だったから、本当に良い夜だったよ。

 もし彼の唯一の目的が、俺の頭を殴ってノックアウトすることだと思ってるなら、大きな間違いだ。顔面への攻撃は得意だ。でも、最も重要なのは楽しんでいることだ。楽しんでいるなら、危険だ。

(これはキャリアで最も素晴らしい勝利の一つか?)いや、全ての試合が俺にとって最高の勝利だ。負けたとしても、俺は勝っている。俺は、大好きな仕事ができる。大好きな人たちと仕事ができる。UFCのおかげで子供と多くの時間を過ごすことができている。そして、俺はこれからも続けていく。そして、この後、新しい契約が結ばれると思う」と語った。

 また、U-NEXTの解説を務めた金原正徳は放送席で「“なんで負けたんだろう”って考えてて。ちょっと言っていいですか。(練習などに)携わっていないので何とも言えないんですけど、やっぱ俺は階級だなと思っちゃうんですよね。あんなに腰軽いと思わないし、クリーンテイクダウンを取られるてるの今まで見たことなかったので、そこ(階級)の部分は大きいんじゃないかなと。本人自身の強さが、本当にこの階級で合ってるのかなと。もちろんUFCってレベルが高いっていうのもあるけれども。このままフライで終わるよりは、1回ちょっとバンタムで勝負してほしいなって。ここで言うのは違うかもしれないけど、いろいろ考えちゃって」と、フライ級で本来の出力が出ていないのでは、と語っている。

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