撮影/安村発
RISE 181
2024年8月31日(土)東京・後楽園ホール
▼メインイベント(第10試合)RISEバンタム級(-55kg)タイトルマッチ 3分5R 無制限延長R
〇大﨑孔稀(OISHI GYM/王者)
判定3-0 ※49-47、50-47、50-46
×大森隆之介(EX ARES/挑戦者・同級4位)
※大﨑が初防衛に成功。
大﨑はパンチ、蹴り、ヒジ、ヒザいずれでもKOできる破壊力を持ち、タイ人と渡り合うテクニックも持っている。特にボディブローは強烈。様々な団体で活躍し、これまでにJ-NETWORKスーパーフライ級王座、WMC日本同級王座、BOMバンタム級王座を獲得。RISEには2019年11月から参戦。2023年12月に鈴木真彦を破り第8代王座に就くと、2024年5月にはヨーブアデーンを左ボディでKOした。戦績は33勝(20KO)7敗2分1無効試合。
大森は2020年1月のプロデビュー後、2021年7月に有井渚海に負け連勝がストップするもその後は田渕神太、良星、京谷祐希ら格上を次々と撃破したが、2022年12月に加藤有吾に判定で敗れ連勝がストップ。しかし2024年3月、13戦全勝の山田虎矢太をバックハンドブローでKOする大番狂わせを起こした。戦績は8勝(6KO)2敗。現RISEフェザー級王者・門口佳佑と同門だ。
1R、大森は前手を下げた構えで左右にスイッチする。大﨑はジャブ。左右の前蹴りを突き刺すように蹴る大森は左ボディも。大﨑はヒザを蹴る前蹴り。大森は右アッパーのフェイントから右フックを打つ。さらにボディへのヒザ。大森のフェイントに必ずブロックを固めて動きが止まる大﨑に、大森はよく見て開いている箇所へパンチやヒザを打ち込んでいく。
しかし終盤一気にパンチをまとめて攻撃に転じた大﨑が、大森にロープを背負わせて左右フックの連打からの右ストレートでダウンを奪う。オープンスコアは10-8×3で大﨑。
2R、大﨑はブロックを固めながら左三日月、左ロー。大森も右三日月を蹴り返す。大﨑は時折笑みを浮かべながら左インロー、大森はジャブ。強烈な右ミドルの蹴り合いから大森は後ろ蹴りを狙う。左ボディ、左ミドルを連続ヒットさせる大森だが、次のパンチの攻防でバッティングとなり大森が左目上をカット。
再開後、大森がワンツーから後ろ蹴り、大﨑は左右フックからヒザ、左ボディ、つかんでのヒザ。大﨑はワンキャッチのヒザを巧みに使い、ヒザを蹴ると離してフックを見舞う。OPスコアは10-9で大森、10-10×2。
3R、大森のジャブに大﨑は右ロー、左ミドル。大﨑が右フックをヒットさせると大森は後ろ蹴りを放つ。大森の流血がひどくなる中、大﨑は左フックを狙っていく。大森の左ミドルをキャッチした大﨑は左右フックの連打とヒザで大森をコーナーへ追いつめ、大森も応戦してバックブロー。大﨑のパワフルな左右フック連打が目立つ。打ち合いの中でワンキャッチのヒザを巧みに使い、離し際にも左右フックを入れる大﨑。さらに大﨑が左右フックと左ボディをまとめる。OPスコアは10-9×3で大﨑。
4R、ジャブを突きながら前に出る大﨑がワンツー、ヒザ。大森も左ミドル、ボディを打ち返すが、大﨑は下がらず打ち返してくる。両者接近してのボディの打ち合い。左ボディの打ち合いの中、大森がいきなりヒザを突き上げるが大﨑はかわす。様子を見ながらパンチを打つ大森に、大﨑はヒザ。パンチのコンビネーションから最後はワンキャッチのヒザを的確に突き刺す大﨑。
5R、笑顔を浮かべながら前へ出る大﨑はいきなりのパンチ連打で大森をコーナーへ詰めるが、大森は自分のアゴを叩いて“もっと打ってこい”と挑発。ブロックを固めて大森のパンチを防ぐ大﨑が左ボディ、左フック。巧みにヒザを突き刺す大﨑。
左右アッパーからワンキャッチのヒザ、パンチで行くと見せかけてワンキャッチのヒザと畳みかける大﨑。大森はジャブから右ストレートを狙いに行くが、フックの距離になると大﨑がワンキャッチからのヒザに持ち込む。要所でフック&アッパーの連打も放つ大﨑。大森も打ち返すが大﨑のテクニックが際立った。
判定はジャッジ1名が4ポイントを付ける圧勝で大﨑が初防衛に成功。
大﨑はマイクを持つと「今回台風でこれない方が多い中、たくさんの人が見に来てくれて力になったし、何より対戦相手の大森選手、格闘技は相手があってこそ。盛り上げてくれているのも分かっていたし、対戦してくれてありがとうございました。大森選手がいたから僕は1枚も2枚も強くなれた気がしました。まだまだ王者として始まったばかりだと思うし、もっと強くなって兄と(王座を)守り続けますし、いろいろな王者がいますが僕ら大﨑兄弟が本物だと思っているので、地味な兄弟ですが(笑)。これから先も強くなっていくのでよろしくお願いします」と語った。