国内でもらっている選手たちよりもいい額をもらっている。今回も外貨を稼ぐ!
――以前、ご自身のMMAの成長具合のことをラーメン屋さんに例えていましたが、それで言うと、今の箕輪選手はもう全然違う味になっている?
「いや、とんこつなことはたぶんとんこつではあるんですけど、やっぱ“新しいジャンルのとんこつなんだ”というふうに、昔から来てくれている人にも思わせられるような、『昔から変わらないね』というなかで実は『ずっと変わってるんだよ』みたいなことを言ったじゃないですか。その人たちでさえ『あれ、ちょっとなんか変わったね、けどこれならまた来るよ』と言ってもらえるレベルのものは提供できるようにしたいなと思っています」
――なるほど。そこは対戦相手あってのものになりますよね。ジェレミー・ミアド選手に対する印象は?
「今日も予備計量だったんですけど、その前に朝から走っていて、すごい偉いなと思いましたね。ちょうど会ったら、話まではいかないけど、握手してきて、いい人だなと」
――さきほど「リスクを負って」という中でミアドを相手にどういう戦いをしたいと思っていますか。
「もちろん僕はスクランブラーなので、寝かして、ゴチャゴチャした展開の中で一本取りたいというのはありますけど、別にストライキングでも負ける気しないですし、ここ最近はずっとストライキングで勝負してきているので、別にそっちでも勝負してもいいのかなと思っています。今まで相手の得意なところでは戦わないという戦法だったんですけど、今回はそこも逃げずに戦おうかなと。もうガッチリ相手の得意なところで勝負して、さらに自分の強いところでも勝負するという感じです」
――立ち技がバックボーンのミアドには怖い一発があります。
「彼のパンチに合わせてのパンチ、もしくは僕が先に打つという展開も全然あると思うので、そこの展開の練習ももちろんしてきました」
――現在、ストロー級4位。この試合を経て、今後のターゲットは?
「もちろん今回きちっと勝ってアピールできたら、僕は正直、ベルトは後からついてくるものだと思っているので、とりあえずブルックスをボコボコにしたいんで、彼にきちっと負け分を清算させてもらって、その後またベルトが無いのであればベルトを取りに行くという筋書きは立てています(※8月3日にブルックスとバラートでストロー級暫定王座戦)」
――今回でONE6戦目。ONEでのやりがいをどう感じていますか。
「それはもう外資でもらえるので、円安バンザイです、本当に。ぶっちゃけ国内でもらっている選手たちよりも、けっこういい額をもらっているので。最初はそれを単純に嬉しいなと思っていましたけど、それくらいもらっている以上、それなりの仕事はしなきゃいけない。あと、さすがにいくら円安といえど、3連敗していると収入が厳しいので、今回きちんと勝って、ボーナスも狙いにいくつもりで、きちっと稼いで頑張らなきゃなという感じです」
――ミアドは3月の前戦で山北渓人選手に1R ブルドッグチョークで負けています。そしてブルックスvs.バラート戦と同日に山北vs.猿田洋祐も発表されました。今回の箕輪選手の試合は、ミアドvs.山北戦とも比べられることになると思います。その点を意識する部分もありますか。
「もちろん比べられてると思ってこの試合を受けてるので。ただ“彼が1R決着だったから、僕も1Rで”という風には意識はしてないです。僕自身、今回の目標が完全決着で、ボーナスを取るということなので、そこは別で狙っていこうかなと思っています」
――そういえば、リング上でのボーナスコールは、タイだからバーツ立てになる可能性も……。
「え? ちょっと待ってくださいよ」
(ONE広報)いえいえ、現地のお客さん向けにタイバーツの金額で言っていますけど、ONEは全部USドル支払いなので。
「良かったです(笑)」
――箕輪選手はジュニアの子たちに格闘技を無料で教えたり、ひとり親家庭の子ども応援のパントリーも行っていますね。それは継続しているのでしょうか。
「そうですね。6月にもパントリーをやらせてもらったんですけど、ちょうど僕のファイトキャンプに重なったので直接参加できなかったんですけど、開催はさせてもらえて。試合もおそらく年内できるかなという感じではあるので、全然まだまだ継続してやっています」
――その活動がご自身の戦いに影響することもありますか。
「夢を語っている人間が3連敗して腐るわけにはいかないです。やっぱりどんな状況でも戦わなきゃいけない。そう言っている以上、僕も『3連敗したので辞めます』とか軽々しく言えないので。上を目指す最後の部分の砦にはなっていますね」