MMA
レポート

【ONE】秋元皓貴がアグレッシブに攻め続けるも元K-1王者ウェイ・ルイが判定勝ち! 体重超過もサンデルがKO勝ち、澤田千優が完勝で本戦2連勝、市川奈々美は35秒一本負け。アブドゥラエフがアミールとの10戦無敗対決を制す、メンシコフがKO勝ち、マクラーレンが逆転勝ち

2024/05/04 09:05

▼第4試合 女子アトム級 MMA 5分3R
〇澤田千優(日本/team AKATSUKI)
[判定3-0]

×ノエル・グランジャン(タイ/フランス)

 澤田は、MMA7勝1分の無敗。兄・澤田龍人と同じレスリングベースで、2018年東日本学生選手権フリースタイル50kg級優勝、全日本社会人選手権優勝、全日本選手権5位などの実績を持つ。2021年5月に修斗でプロMMAデビュー。リーグ戦で優勝するなど3勝1分で初代女子アトム級王者に輝いた。

 2023年2月にタイで行われた『ONE Friday Fights 5』では、イランのサナーズ・ファイアズマネシュを相手に2R アメリカーナで一本勝ちすると、チーム・オーヤマでの北米修行も経て、5月に米国フロリダ州マイアミ開催の『Combat Global』でアナ・パラシオス(メキシコ)にテイクダウン&パウンドで判定勝ち。

 12月の『プロ修斗公式戦 COLORS Vol.2』では中村未来に1R 腕十字で一本勝ちし、修斗世界女子アトム級王座の初防衛に成功している。

 前戦は2024年3月の『ONE Fight Night 20』。現女子アトム級4位のジヒン・ラズワンを相手に120ポンド キャッチウェイト(※両者体重超過もラズワンの体重に合わせた)で戦い、判定3-0で勝利。初回のラズワンのバック、三角絞めのピンチを冷静に防いで、打撃で向き合いテイクダウン。

  2、3Rをテイクダウンからパウンドしコントロールした澤田が、日本人として初めてラズワンに勝利していた。これでアトム級のランキング入りかと思われたが、キャッチウェイト戦だったためか、敗れたラズワンは4位のまま。澤田はランキング外となっている。26歳。

 対するグランジャンもノーランカーの強豪。MMA5勝1敗で、唯一の黒星はDouble GFC女子ストロー級王者のキム・ソユル(8勝1敗)戦で、キムの三角絞めに一本負けを喫している。27歳。

 父がオランダ人で柔道やムエタイ、MMAもこなす格闘家で、母はタイ人というグランジャンは、9歳でフランスに移住し、20年近く柔道に専念。フランス柔道選手権やタイ柔道選手権で優勝すると、23歳でMMAに取り組み、タイに拠点を移し、タイガームエタイで打撃技術を磨いてきた。澤田も試合をした3月の『ONE Fight Night 20』でヴィクトリア・ソウザと対戦し、右カーフを効かされながらも右ストレートと首投げテイクダウンで判定勝ち。キム戦の敗北から再起を遂げている。

 150cmの澤田に対し、グランジャンも153cmと体格はほぼ同じ。オーソドックス構えで右の強打はカウンターも得意とし、組んでも差して大内刈、大外刈、首投げ・払い腰、小外がけと足技が利く。“リル・モンキー”の異名のごとく強いテイクダウン、起き上がりにギロチンチョークなどパワフルな攻撃を武器としている。

 一方で、グランジャンはキムの打撃に真っ直ぐ下がる場面も見せており、互いにとって課題の打撃がペースを握るキーとなり、ともに得意とする組みが、柔道組みとレスリングのテイクダウンのなかでどちらがトップを奪うか、注目の1戦となる。

 1R、サウスポー構えの澤田。オーソのグランジャン。澤田は左インローから左ミドル。右回りで外足を取る。ダブルレッグに入る澤田を差し上げたグランジャン。

 離れる澤田はローから左ハイをスリップもすぐに立ち上がる。左ミドルでグランジャンの身体を上げさせてダブルレッグテイクダウン。すぐに立つグランジャンのスクランブルを押さえ込んでハーフからヒジ。左で差すグランジャンを前腕で寝かせてヒジ!

 ハーフから右で頭を抱えてパスを狙う澤田。グランジャンは腰を切りフルガードに戻すと、その立際に左ヒザ。さらにシングルレッグでテイクダウンしてゴング。


 2R、右回りで左の蹴りは澤田。左インローにグランジャンも右ストレートを合わせる。澤田は打撃からダブルレッグに入るが、差し上げるグランジャン。首投げで投げた澤田は、上の取り合いを制す。フルガードのグランジャンにヒジをこすりハーフに。グランジャンに右を差させない澤田は左の細かいパウンド連打!

 グランジャンの右手を送り手にして左手で固定して殴る澤田。さらにマウントを奪い、左ヒジ。グランジャンはブリッジで浮かせてハーフに戻すが背中は着かされたまま。足を戻し、蹴り上げで立とうとするが、すぐについていく澤田が上のままゴング。

 3R、グランジャンの右ミドルをキャッチしてテイクダウンした澤田、すぐにサイドを奪い、左手首を掴んで、右で脇差し左ヒザ! 左ヒジと左ヒザで挟むように前後で打ち込み。グラウンドヒザにグランジャンは頭を抱える。

 足を戻し亀から立とうとするグランジャンをがぶりヒザの澤田。下のグランジャンは腕十字を狙うが、またいでかわした澤田はハーフからみたび寝かせて右回りでパスガード! バックマウントで右のパウンドを連打から左右の連打。打たれるままのグランジャンにハーブ・ディーンレフェリーは止めず。そのままゴング。

 判定は3-0で澤田が勝利。澤田はフライデーファイト1勝、本戦2連勝でONE3連勝に。マイクは渡されなかったが、澤田はランキング入りなるか(※追記・試合後、5月9日に澤田が3位にランクイン)。

◆女子アトム級MMA
王者:スタンプ・フェアテックス(タイ)
1位 ハム・ソヒ(韓国)
2位 デニス・ザンボアンガ(フィリピン)
3位 アリヨナ・ラソヒナ(ウクライナ)
4位 ティファニー・テオ(シンガポール)
5位 ジヒン・ラズワン(マレーシア)

(日本勢)
前戦で三浦彩佳(アトム級&ストロー級)が平田樹に判定勝ち、澤田千優がラズワンに判定勝ち。なお。当初、発表された4月6日(土)『ONE Fight Night 21』での三浦vs.ラズワンはキャンセルとなっている。

 スタンプは6月8日開催の『ONE167』でデニス・サンボアンガを挑戦者に迎えて防衛戦を行う。澤田の勝敗予想は、「打撃で上回るスタンプが優勢」だった。

MAGAZINE

ゴング格闘技 NO.335
2024年11月22日発売
年末年始の主役たちを特集。UFC世界王座に挑む朝倉海、パントージャ独占インタビュー、大晦日・鈴木千裕vs.クレベル、井上直樹、久保優太。武尊、KANA。「武の世界」でプロハースカ、石井慧も
ブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリアブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリア

関連するイベント