キックボクシング
レポート

【GLORY】ヘビー級8人制ワンナイトトーナメントは“キング・オブ・キックボクシング”リコ・ヴァーホーベンが決勝TKO勝ちで優勝、カバベがライトヘビー級王座を統一、ベスタティがまたも完封勝利でV5達成

2024/03/10 02:03

▼第5試合 Heavyweight Grand Prix1回戦第4試合 3分3R
〇リコ・ヴァーホーベン(オランダ/GLORY世界ヘビー級王者)=122.8kg
判定5-0 ※30-27×5
×ソフィアン・ラドウーニ(フランス/GLORY世界ヘビー級5位)=104.5kg
※ヴァーホーベンが準決勝へ進出。


 ヴァーホーベンは、2021年の『GLORY COLLISION 3』でのジャマール・ベン・サディック戦以来、GLORYのリングから遠ざかっていた。ヒザの負傷により、2023年初めの復帰戦はお預けとなったが、11月にGLORYにカムバック。暫定王者オサロとの王座統一戦に勝利した。


 バダ・ハリ、グーカン・サキ、ベンジャミン・アデグビュイ、ピーター・アーツ、エロール・ジマーマンなど数々のレジェンドに勝利し、キックボクシング界の頂点に上り詰めた34歳は、GLORY史上最多の王座防衛記録(11回)を持ち、現在16戦無敗という驚異的な記録を10年近くも続けている。戦績は61勝(20KO)10敗。


 ラドウーニは2018年にAFMTナショナルタイトル(-91kg)、2019年にWKNヨーロッパ王座(-95kg)、2022年6月にはWAKO世界王座(+94.1kg)と3つのタイトルを獲得。2023年3月にGLORYに初参戦すると、距離をとったテクニシャンぶりを発揮してランカーのナビル・ハチャブから判定勝ちを収めた。5月にはアデグブイから勝利を収めてGP出場権を獲得。戦績は35勝(17KO)2敗1分。


 1R、大歓声に迎えられたヴァーホーベン。サウスポーのラドウーニにサウスポーに構え、ラドウーニがオーソドックスになるとヴァーホーベンもオーソドックスになる。頻繁にスイッチするラドウーニにヴァーホーベンは鋭い前蹴りを突き刺し、サウスポーからの左ロー。オーソドックスになっての右カーフ。ヴァーホーベンは左右ローと三日月蹴り、ワンツーからつかんでのヒザと最後にしっかりとポイントを取りに行った。


 2R、ラドウーニはジャンピングミドルキックを放つが、ヴァーホーベンは軽くかわす。距離を詰めたヴァーホーベンはつかんでのヒザ蹴り。離れると左三日月蹴りからの左ヒザ蹴りとボディを攻めたかと思えば、右ローを蹴る。ヴァーホーベンはヒザ蹴りが突破口と見たか、パンチの連打で距離を詰め、ヒザを突き刺す。右ミドルを蹴ると見せかけて右ストレートをヒットさせるヴァーホーベン。ラドウーニもスーパーマンパンチからの足払いでヴァーホーベンを転倒させる。


 3R、ヴァーホーベンが右クロスをヒットさせ、そのまま組んでのヒザ蹴り。ラドウーニの左ローに右ストレートを合わせるとラドウーニがフラつき、すかさずハイキックからパンチをまとめるヴァーホーベン。突き刺すようなボディへの前蹴りを嫌がり、下がるラドウーニへヴァーホーベンが右ストレートをヒット。パンチから組んでのヒザ、離れると左右の突き刺すような前蹴りとヴァーホーベンの一方的なペースに。ラドウーニは後退を続け、左ミドルを蹴るがヴァーホーベンを崩すことは出来ず。


 ヴァーホーベンがテクニシャンぶりを発揮して完封勝利。疲労の色が濃いことが気になるが、ハチャブの待つ準決勝へ駒を進めた。勝利者インタビューでは「彼は強いキックボクサーだったし、ハチャブに勝っている。次もダメージを避けてその先を目指す」と優勝を宣言した。

MAGAZINE

ゴング格闘技 NO.335
2024年11月22日発売
年末年始の主役たちを特集。UFC世界王座に挑む朝倉海、パントージャ独占インタビュー、大晦日・鈴木千裕vs.クレベル、井上直樹、久保優太。武尊、KANA。「武の世界」でプロハースカ、石井慧も
ブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリアブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリア

関連するイベント