キックボクシング
レポート

【GLORY】ヘビー級8人制ワンナイトトーナメントは“キング・オブ・キックボクシング”リコ・ヴァーホーベンが決勝TKO勝ちで優勝、カバベがライトヘビー級王座を統一、ベスタティがまたも完封勝利でV5達成

2024/03/10 02:03

▼コ・メインイベント(第10試合)GLORY世界ライトヘビー級王座統一戦 3分5R
×ドネギ・アベナ(スリナム/正規王者)=95kg
判定2-3 ※48-47×2、47-48×3
〇タリク・カバベ(モロッコ/暫定王者)=94.6kg
※カバベが正規王者となり初防衛に成功。


 アベナは2015年9月にプロデビューし、2017年のA1WCCチャンピオンズリーグトーナメントで決勝まで勝ち上がった。GLORYには2018年12月から参戦し、2019年6月にはGLORY世界ライトヘビー級王座に挑戦したがタイトル奪取ならず。ここからGLORYで4連敗を喫するも2022年10月に当時ライトヘビー級3位のフェリペ・ミケレッティに判定勝ち、2023年2月にセルゲイ・マスロボイエフにTKO勝ちで王座を奪取した。しかし、6月のカバべとの初防衛戦を前に食中毒となり急遽欠場。11月にモハメド・トゥチャッシーの挑戦を退けて初防衛に成功している。戦績は27勝(7KO)9敗。


 カバベは2015年スーパーコンバット・ワールドグランプリ・ヘビー級トーナメント優勝の実績を持ち、2018年6月からは『ONE』に参戦。4連勝してONEキックボクシング・ライトヘビー級王座に挑戦したが、ローマン・クリクリアにTKOで敗れた。2021年1月からはGLORYに参戦し、ヘビー級でリコ・ヴァーホーベンやアントニオ・プラチバット、ライトヘビー級でマスロボイエフといった強豪たちに4連敗を喫したが、2023年3月にダニエル・トレドにTKO勝ち。6月にアベナへのタイトル挑戦が決まっていたが、アベナの欠場でスクランブル出場となったモハメド・アミンをKOして暫定王座に就いた。戦績は49勝(28KO)10敗1分。


 当初、両者は2023年11月の『GLORY COLLISION 6』で王座統一戦を行うはずだったが、今度はカバベが急遽欠場となって中止。両者の対戦は2度の延期を経てついに決着の時を迎える。


 1R、ボディを攻めていくアベナは右カーフも蹴る。前へ出てくるカバベにはインローを蹴ってバランスを崩す。前へ出るカバベにアベナはローやミドルを蹴り、ヒザを突き刺す。カバベが入って来るところへ右ヒザからの右フックをクリーンヒットさせるアベナ。さらにヒザを突き刺す。アベナが回り込みながらの攻撃を上手く当てていった。


 2Rも前に出るカバベにアベナは右カーフ、左ボディ、左フック。右へ回り込みながらの左の攻撃がよく当たる。アベナがカバベの脇を潜ってバックを奪うような動きから左アッパーを打つが、後頭部への打撃があったのかカバベが後頭部をおさえて倒れ込む。これにカバベのセコンドが激怒してリングに入ってしまい、揉め事となったがアベナに注意が与えられて試合再開。カバベは怒りの突進から右ストレート、右フックをヒットさせてアベナをコーナーへ追い込んだ。


 3Rも前へ出るカバベにアベナは左ロー。突進を続けるカバベにアベナは右ローを狙い撃ちにし、カバベは転倒を繰り返す。それでもパンチを出し続けて前へ出るカバベの左フックがヒット。アベナの飛びヒザ蹴りにも右フックを合わせる。さらに右ローでアベナの身体が泳ぐ。ローキックの痛めつけ合いの様相を呈してきた。


 4R、アベナは距離をとりたいが、カバベは左右フックを出しながら前へ出る。ロープに追い詰めての連打で一度はアベナにダウンがコールされたが、アベナの右腕がロープに絡まった状態での打撃だったためダウンは取り消された。再開後、カバベが左右フックと右ローで追い込んでいき、カバベの攻勢が目立つ。カバベの右ローに大きくバランスを崩すアベナ。

 5R、フック&アッパーで攻め込むカバベにアベナは右ローとヒザ。コーナーに追い込まれたアベナだが、体を入れ替えて左右フックを見舞う。左右のボディはカバベ。前へ出るカバベに左右フックを見舞うアベナだが、カバベも右ストレートで反撃。互いにローを蹴り合い、アベナはヒザ、左ボディも。


 前へ出て攻め続けたカバベ、左のパンチとヒザを当てていきローでダメージを与えたアベナ。消耗戦となった一進一退の攻防は3-2のスプリットデシジョンでカバベが王座統一に成功した。

 カバベは「みんな、俺は全力を出した。みんなも全力で戦争を止めよう。このためにたくさんの練習をしてきた。これからもGLORYを背負っていきたい」と勝利者インタビューに答えた。

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