▼第9試合 キャッチウェイト (138 LBS) ムエタイ 3分3R
〇ムアンタイ・PK・センチャイ(タイ)
判定3-0
×ヨードレックペット・オー・アトチャリア(タイ)
“エルボーゾンビ”ことムアンタイは2010年頃からルンピニーのトップ選手としているベテランで、2015年5月に初来日して梅野源治にTKO負け、2019年10月のONEでは健太に判定勝ちしている。2020年1月にONEでブライス・デルヴァルに判定勝ち後、タイでフェラーリ・フェアテックスに判定負け。その後2年のブランクを経て、2022年4月にリアム・ハリソンと5度ダウンの奪い合いの大激闘を演じたが最後はTKO負けを喫している。
今年1月の『ONE FRIDAY FIGHTS 1』ではマブルド・ツピエフに判定勝ち、『9』ではクラップダムからKO負けを奪ってみせたが、『22』ではニコ・カリロ(スコットランド)にまさかのTKO負けを喫した。戦績は203勝44敗2分(KO数は不明)。
“ザ・デストロイヤー”ことヨードレックペットはラジャダムナンスタジアムでライト級(2015年と2017年)とスーパーライト級(2021年)の2階級制覇、ルンピニースタジアムでも2017年にライト級王者となり、2大スタジアム王座を同時に保持した。2015年12月にラジャで梅野源治と対戦してTKO勝ちしたが、2016年10月の日本での再戦では判定で敗れラジャ王座を奪われた。2018年4月のKNOCK OUTでは初代王者・森井洋介にTKO勝ちしてKNOCK OUTライト級王座を奪取。同年にはタイのスポーツ界で権威のあるサイアムスポーツ社認定のタイ・スポーツ大賞のムエタイ部門でMVPを獲得している。
ONEには2023年7月の『ONE Friday Fights 2』から参戦し、シルビュー・ヴィテズにTKO勝ち、『9』でサマン・アシュリをKO、『17』でもデニス・ピューリックにTKO勝ち。『25』のジョーダン・ゴッドフレッドセン(オーストラリア)戦では判定2-1で苦戦を強いられた。88勝33敗3分(KO数は不明)。
1R、両者サウスポー。右ミドルハイを蹴っていくムアンタイにヨードレックペットは左ロー。ヨードレックペットがヒジから組み付くと、ムアンタイは組んだ状態から離れ際に右ハイ。ムアンタイが、右縦ヒジを繰り出すとヨードレックペットも右ヒジを返す。ムアンタイはさらに右縦ヒジを連発する。
2R、フックの打ち合いからヨードレックペットが左ヒジ。ムアンタイはジャブで突き放し、右ハイを繰り出す。パンチを繰り出しながら前へ出るヨードレックペットにムアンタイが右ヒジを振り下ろす。ヨードレックペットが左右フックから左ボディでムアンタイをコーナーへ詰める。左右フックからヨードレックペットが左ヒジを強烈にヒットさせ、ムアンタイにはドクターチェックが入る。
左フックに大きくグラつくムアンタイ。右ボディからの左フックにムアンタイはクリンチで耐える。前へ出るヨードレックペットにムアンタイはヒザで対抗。ヨードレックペットは前へ出て左右フック、ヒジ、ボディで畳み込む。ムアンタイも負けじとヒジを打ち返してこのラウンドを耐えた。
3R、ヨードレックペットのパンチにムアンタイはヒザで対抗。左右のテンカオを突き刺していくムアンタイにヨードレックペットは接近しての左右ボディ、そして左ヒザ。ムアンタイのテンカオが決まるたびに場内は大歓声だ。ヨードレックペットの左ヒジがクリーンヒット、すかさず左右フックをまとめるヨードレックペットだが、ムアンタイはテンカオを蹴り続ける。さらに右ハイも。パンチで前に出るヨードレックペットにムアンタイも打ち返して一歩も譲らない。
大歓声の中、試合終了。両者とも自分の勝利をアピールする。判定は3-0でムアンタイが勝利。3Rのヒザ蹴り連打が逆転勝利を呼び込んだ。そして、激闘を演じた両者に35万バーツのボーナスが贈られた。