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GLORY 86
2023年5月27日(土・現地時間)ドイツ・エッセンGrugahalle
※U-NEXTで見逃し配信あり
▼メインイベント GLORY世界フェザー級タイトルマッチ 3分5R
〇“ペッチ”ペットパノムルン・キャットムーカオ(タイ/王者)
判定5-0 ※48-46×3、49-45×2
×アフマド・チク・ムーサ(ドイツ/挑戦者・4位)
※ペッチが6度目の防衛に成功。
GLORY世界フェザー級王者の“ペッチ”ことペットパノムルン・キャットムーカオ(タイ)が、ドイツ出身のアフマド・チク・ムーサを挑戦者に迎えて6度目の防衛戦に臨む。
ペットパノムルンはサウスポーで2011年にプロムエタイ協会バンタム級王者、2013年にスーパーフェザー級王者となって2階級制覇。2015年にはトーナメント戦の『トヨタ・ムエマラソン』-64kg級で優勝、2016年にWMC世界ライト級王者となった。セクサン、サムエー、ペットモラコット、チャムアックトーンらスター選手としのぎを削って勝利を収め、2016年8月からはGLORYに参戦。ザカリア・ゾウガリーやアブデラ・エズビリらから勝利を収めると、2018年9月に ロビン・ファン・ロスマレンに挑戦し、判定勝ちでGLORY世界フェザー級王座を奪取した。
また、2018年にはGLORYの“ノックアウト・オブ・ザ・イヤー”に輝いた。2021年11月にRISEに初来日を果たし、原口健飛に勝利すると、2022年8月の原口との再戦を制してRISE世界スーパーライト級(-65kg)初代王者との二冠王となった。12月の来日では山田洸誓に勝利。2023年3月には同時二階級制覇を狙い世界ライト級王者ティジャニ・ベスタティに挑戦したが、4RにKOで敗れた。戦績は168勝(27KO)39敗3分。
ムーサは“ゴールデンボーイ”の異名を持ち、ドイツ人キックボクサーの中でも優れたファイターであるという。GLORYには2022年8月から参戦して3戦3勝(1KO)。AFSOヨーロッパ王者で戦績は58勝(28KO)8敗1分。
1R、ジャブと前蹴りで突き放すムーサにサウスポーのペッチも前蹴りと左インロー。ムーサは距離を詰めて左ローから右ロー、ペッチは左テンカオ、左ボディ。ムーサは接近してのパンチを狙うが、ペッチがテンカオで迎え撃つ。ムーサがフック&アッパーを回転させようとすると、キャッチからのヒザ蹴りだ。ペッチは前蹴りを上手く使うが、ムーサはお構いなしに前へ出て右ローを奥足に蹴る。ムーサには地元の大歓声が鳴り響くが、オープンスコアは10-9×5でペッチ。
2R、ペッチは左ミドル、左前蹴り、左ヒザと左の蹴りを当てていく。ムーサはジャブを突いて強烈な右ロー。右インローも蹴る。ペッチは下がりながら左ミドルをしっかり当て、ムーサが入って来ると左フック、左ヒザ。それにムーサが右インローを返す。ペッチのジャブ、前蹴りが連続ヒット、さらに左ミドル。
3R、ペッチは前に出てくるムーサに左ストレート、左ミドル。ムーサは右ローを返す。前蹴りと左ミドルで距離を作るペッチは、ムーサが距離を詰めるとすぐに組み付いてしまう。しかし、左前蹴りで突き放した次の瞬間、左ハイをヒットさせてダウンを奪う。立ち上がったムーサにパンチでラッシュをかけるペッチにムーサもワンツーを返して対抗。さらに左右ボディでペッチを嫌がらせる。
4R、再び前に出てくるムーサ。ペッチが左ミドルを蹴るとすぐに右ローを蹴り返していく。ペッチは左ヒザを多用し、左ストレートから左ヒザ。組み付いてのヒザでムーサの体力を削る。前に出るムーサだが左ミドルをもらい、接近するとペッチが組み付いてヒザを蹴り、組みでムーサの反撃を許さない。
5R、ペッチの左ミドルに右ロー、右ストレートを返していくムーサ。右アッパーがヒットするが、ペッチはすぐに組み付いてヒザ。ムーサのジャブ、右アッパー、左フックがヒットし、ペッチは下がる。それでも左ミドルは蹴り続ける。ムーサの右アッパーと左右ボディにロープを背負うペッチだが、それでも左ミドルを蹴る。ムーサのパンチを浴びるペッチは決死のクリンチと左ミドル。ムーサのアッパー&フックの連打にピンチに追い込まれたペッチだが、最後まで耐え抜いた。最後はなぜかレフェリーが終了時間の少し前に試合をストップ。
判定は5-0でダウンを奪ったペッチが勝利。場内にはブーイングがいつまでも鳴り響いた。ペッチは「ムーサは強かった。また戦ってもいいよ」と挑戦者を称えた。