MMA
レポート

【UFC】ヘビー級転向のジョン・ジョーンズが3年1カ月ぶりオクタゴンでガーヌ破り王者に! “絶対女王”シェフチェンコが王座陥落、グラッソがベルト巻く。怪物ラフモノフが17戦全フィニッシュ勝利、超新星ニコルが初回一本勝ち。元SEI☆ZAのタバサがペネに一本勝ち!=『UFC 285』

2023/03/04 22:03
【UFC】ヘビー級転向のジョン・ジョーンズが3年1カ月ぶりオクタゴンでガーヌ破り王者に! “絶対女王”シェフチェンコが王座陥落、グラッソがベルト巻く。怪物ラフモノフが17戦全フィニッシュ勝利、超新星ニコルが初回一本勝ち。元SEI☆ZAのタバサがペネに一本勝ち!=『UFC 285』

(C)Zuffa LLC/UFC

 2023年3月4日(日本時間5日)、米国ネバダ州ラスベガスのT-モバイル・アリーナにて『UFC 285』が開催された。

UFC 285: Jones vs.Gane 速報

【メインカード】

▼UFC世界ヘビー級王座決定戦 5分5R
〇ジョン・ジョーンズ(米国)27勝1敗(UFC21勝1敗)※UFC5連勝→ヘビー級転向 248lbs/112.49kg
[1R 2分04秒 ギロチンチョーク]

×シリル・ガーヌ(フランス)11勝2敗(UFC8勝2敗)247.5lbs/112.26kg
※ジョーンズが王者に

 メインイベントは、UFCを離脱したフランシス・ガヌー(カメルーン)が持っていた、現在空位のヘビー王座をかけて、実に3年1カ月ぶりの復帰戦となる元UFC世界ライトヘビー級王者のジョン・ジョーンズ(米国)と、元ヘビー級暫定王者のシリル・ガーヌ(フランス)が対戦する「ヘビー級王座決定戦」。

 前日計量では、ジョーンズが248ポンド(112.49kg)、ガーヌが247.5ポンド(112.26kg)で共にパスした。ヘビー級に肉体改造したジョーンズは事前に公開していた身体より若干絞られたものの、腹回りはまだ余裕がある仕上がり。ガーヌはいつも通りにシェイプされた肉付きでフェイスオフに臨んだ。

 身長193cmでリーチは206cmのガーヌに対し、ジョーンズは身長194cmでリーチは215cmと、ガーヌより9cm長いが、上半身はガーヌの方が胸の厚みが感じられるフェイスオフ。

 壇上で、アウェーのブーイングを受けたガーヌは、「自分にとってこの試合はビッグボーナス。勝てばベルトを手に入れて王者になるだけでなく、この星で史上最強の男を倒すことになるから、ここにいられてとてもハッピーだ」と笑顔。

 大歓声に迎えられたジョーンズは、「みんなここに来てくれてありがとう。愛しているよ。このギフトを手に入れて、それを再びみんなの前で見せることができて光栄に思う。明日は楽しもう。さあ、やろうぜ」と、3年1カ月ぶりの試合に待ったなしの気合を見せた。

 ジョーンズは2020年2月のライトヘビー級王座防衛戦でドミニク・レイエスに勝利した後、同級王座を返上。満を持してのヘビー級転向となる。

 対するガーヌは、2022年1月にヘビー級正規王者ガヌーと統一戦に臨むも判定負け。キャリア初黒星を喫したが、同年9月の再起戦でタイ・トゥイバサに3R KO勝利を飾っている。

 この間、ジョーンズはさまざまな素行不良でUFCの問題児でもあった。

 2015年に薬物検査でコカインの代謝物であるベンゾイルエクゴニンが検出されていた事が発表され薬物治療のため施設入り。さらに自動車事故や交通違反で逮捕。2016年、2017年にはドーピングで王座剥奪、2020年に飲酒運転、DV疑惑により2009年から所属し続けたジャクソン・ウィンクMMAへの出入りを禁止されるなど、ファイターとして試合に集中できる状況ではなかったが、今回のヘビー級転向の試合のために、再び師匠グレッグ・ジャクソンがセコンドについている。

 ジョーンズにとっては、この3年間をいかに取り組んできたか、ヘビー級仕様で5Rをライトヘビー級時代のように戦えるかが問われる転向初戦。“動けるヘビー級”のガーヌは、サイドステップを駆使し、JJのテイクダウンを切って、5Rに渡り打撃を入れることが出来るか

 先に入場の元暫定王者ガーヌはリラックスした表情。続けてジョーンズが登場。花道で家族とハグをかわしてケージへ。

 入場時に、左足の指のテーピングをハサミで切り取られたジョーンズ。事前申請は無かったか。ケージインすると、ヘビー級初の側転を見せる。

 1R、マットに両ひざをついて待つジョーンズ。ホーンに中央に出て、左ロー。続けてガーヌの左インローがローブローとなり、中断。再開。

 先に前に出るジョーンズ。ガーヌのローにジョーンズが右を合わせる。ガーヌは左右にサークリング。ジョーンズは関節蹴り。ガーヌの左ストレートの入りにボディロックからテイクダウン。サイドバックから殴る。ガーヌの立ち上がりに左足をかけようとするが、ガーヌはケージ背に座って正対。

 立ち上がりを潰したジョーンズは、金網に押し込んでのギロチンチョークへ。いったんはずらしたガーヌが左で脇を差し立ち上がろうとしたが、頭を横に出した際に、左手を喉下にアームインギロチンチョーク! タップを奪った。

 ベルトを手にしたジョーンズは、ケージの中で、「みんな、声を聞かせて(大歓声)。ジーザス・クライストー! 神に感謝したい。とてもエキサイティングな瞬間だった」と喜びのコメント。

 続けて、3年1カ月ぶりの復帰戦でのヘビー級挑戦に「目標に真摯になり、止まらずにずっとトレーニングしてきた。チームメイトにも感謝したい。グレッグ・ジャクソン、コーチたち、最高のチームに囲まれている。彼らがいるから自分がここにいる。それに10歳の子供にも。今日が誕生日なんだ」と、復帰を受け入れてくれたチームや周囲に感謝の言葉を述べた。

 続けて、試合前に今回の試合を「ミスマッチ」と言ってたことについて問われ、「ずっと力強いコメントをしていた。12歳からレスリングをしてきて、いままでで一番強い自分がいる。久しぶりだから足がもつれるような感じもあったけど、ここが自分の場所だと感じたよ。(スティーペ・ミオシッチが次の相手?)みんなスティーペをコテンパンにするところを観たい? ファンが望む試合をするのがUFCだ。スティーペがヘビー級最高の選手なら、お前がほしい」と、7月のインターナショナル・ファイトウィークでのミオシッチ戦の実現を語り、最後にヤギの鳴き声で自身が「GOAT(Greatest Of All Time)」=「史上最高」だとアピールした。

MAGAZINE

ゴング格闘技 NO.331
2024年3月22日発売
UFC参戦に向け、ラスベガス合宿の朝倉海。「プロフェッショナル・ファイターの育て方」でチームを特集。『RIZIN.46』鈴木千裕×金原正徳インタビュー、復活K-1 WGP、PFL特集も
ブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリアブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリア

関連するイベント