▼第6試合 キャッチウェイト(63.5kg)ムエタイ 3分3R
〇セクサン・オー・クワンムアン(タイ)
[判定2-1]
×タイソン・ハリソン(オーストラリア)
セクサンはタイのビッグマッチには欠かせないムエブー(アグレッシブに前へ出てムエタイの全ての技を使って戦うタイプ)のスター選手の一人。2015年9月のラジャダムナンスタジアムにて梅野源治を迎え撃ち、勝利を奪って梅野の進撃をストップした。同年にはラジャダムナンスタジアムの年間MVPにも選ばれている。『RISE WORLD SERIES 2019』に初来日し、-61kgトーナメント1回戦では大雅を破ったが、準決勝では白鳥大珠に敗れた。
その後はロッタンやヨードレックペットを相手に連敗が続いたが、2022年は8戦して5勝1敗2分と盛り返してきている。34歳で打たれ脆さも出てきた中、OFGマッチでどのような戦いぶりを見せるかが注目される。
今回の相手タイソン・ハリソンはセーンティアンノーイジムを拠点とし、タイで試合を積んでいるオーストラリアの新鋭選手。左右ミドルを主体として前へ出て、左手を伸ばして首を捕まえに行く典型的ムエタイスタイルでありながら、右ストレートからヒジ&ヒザで畳み込むアグレッシブさを兼ね備えているタイプ。一部ではジョン・ウェイン・パー二世との呼び声もある期待の若手だというが、百戦錬磨のセクサンを相手に番狂わせを起こすことが出来るか。
1R、長身のハリソンが前へ出るとセクサンはバックスピンエルボー、すかさずハリソンもヒジを返し、両者ヒジの応酬。ミドルの蹴り合いでもハリソンは負けておらず、右をボディへめり込ませる。ヒジと右フックで前へ行くセクサンにハリソンもヒジ。両者一歩も退かない打ち合いに場内は熱狂する。セクサンは右フック、右ヒジ、右ミドル。ハリソンも右の強打。
2R、ハリソンは右ストレート、右アッパー、ヒジ&ヒザと鋭い攻撃を繰り出すが、セクサンは全く下がらず右ヒジを出して前へ出る。何度もハリソンの右アッパーでアゴが上がるセクサン。ハリソンの容赦ない右ストレートがセクサンを襲うが、セクサンも負けじと右フック、右ヒジで前へ出る。しかし、ハリソンの左フックでついにセクサンがグラつく。畳みかけるハリソンにセクサンも右を打ち返すが、右アッパーでアゴを上がられる。ハリソンの猛攻にセクサンも防御にまわらず打ち返す。
3R開始前、観客を煽るセクサン。右ミドル、ワンツーのハリソンにセクサンは右を連打して前へ。徹底して右だけで攻めるセクサンにハリソンも左ヒジ。ハリソンの左ヒザがローブローとなってしまい一時中断。再開後、飛びヒザで飛び込んだセクサンは右ミドルの連打。そして右のパンチを叩きつける。ハリソンも左を蹴り、右ストレートへ。組んでヒザを蹴り合う両者。ハリソンの左右強烈なヒジにもセクサンは下がらず右ミドルを連打していく。最後はヒザの蹴り合い。
セクサンのアグレッシブファイトで大熱狂に包まれたルンピニー。有効打やダメージはハリソンがとっているかに見えたが、判定は2-1でセクサンの勝利となった。「誕生日に勝利できて凄く嬉しい。ボーナスは子供たちを学校に行かせるために使わせてもらいます」とセクサンは語った。