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【RIZIN】那須川天心が世界三冠獲得! 浜崎朱加は涙の王座防衛。山本美憂が浅倉カンナに勝利、アーセンと親子Wウィン=6.2「RIZIN.16」全試合詳報

2019/06/02 13:06
【RIZIN】那須川天心が世界三冠獲得! 浜崎朱加は涙の王座防衛。山本美憂が浅倉カンナに勝利、アーセンと親子Wウィン=6.2「RIZIN.16」全試合詳報

(C)RIZIN FF

2019年6月2日(日)神戸ワールド記念ホールにて「RIZIN.16」が開催された。

▼第14試合 ISKA世界フェザー級王座決定戦 57kg契約 ※ISKAユニファイドルール(ヒジ無し) 3分5R
×マーティン・ブランコ(アルゼンチン/ISKA世界バンタム級王者)
[2R 2分19秒 KO]
○那須川天心(TARGET/Cygames/RISE世界フェザー級王者)
※那須川が王者に。


那須川は6月2日『RIZIN.16』でアメッド・フェラージ(フランス)とISKA世界フェザー級タイトルマッチ、6月22日には『那須川天心にボクシングで勝ったら1000万円」企画でプロボクシング世界三階級制覇王者・亀田興毅とのボクシングマッチ、そして7月21日(日)エディオンアリーナ大阪で開催される『RISE WORLD SERIES 2019 Semi Final Round in OSAKA』の準決勝でルンピニースタジアム認定スーパーフェザー級王者スアキム・PKセンチャイムエタイジム(タイ)と3連戦に臨むことが決まっている。

当初、那須川は王者アメッド・フェラージ(フランス)に挑戦するはずだったが、「正当な理由もなく試合をキャンセルし、指名防衛戦を拒否したため、(ISKAは)フェラージ選手のベルトをはく奪し、そのタイトルを空位としました」(プレスリリースより)ため、フェラージに代わってブランコが那須川とISKA世界フェザー級王座を争うことになった。

ブランコは17歳でキックボクシングを始め、20歳からアマチュア大会に出場すると、2013年にブラジルのリオデジャネイロで行われたWAKOサウスアメリカ54kg級で南米王者、翌14年には母国のアルゼンチンで行われたWAKOパンアメリカン54kg級でアメリカ大陸王者に。

その後、2016年にWKFアマチュア世界大会でK-1ルールとフリースタイルルールで2つのタイトルを獲得するなどの実績を残し、25歳でプロデビュー。KBOXサウスアメリカ大会での54.5kg級優勝を皮切りに、WAKOアルゼンチン54kg級、WKFアルゼンチン54.5kg級、ISKAアルゼンチンバンタム級の王座に輝いた。

2018年11月には総合格闘技のリングでも戦っているチリ人のマウリシオ・ドノソとISKA世界バンタム級王座を争い、判定勝ちで王座に就いた。オーソドックス構えで左右のローキックを得意とし、右アッパーを含む細かいパンチで出入りするスタイルで10戦8勝(3KO)の戦績だ。

日本、アルゼンチン、両国国会斉唱の後、ゴング。

1R、身体に厚みがある那須川はサウスポー構え。ブランコはオーソドックス構えから左ジャブから。右を振るブランコだが、那須川は見切ると左ロー。右ジャブにはブランコが前蹴りを合わせる。ワンツーからのコンビネーションはブランコも那須川はバックステップでかわす。右インローはブランコ。那須川の右に左をかぶせにいく。

左ストレートは那須川! 左ボディも狙う。右インローはブランコ。クリンチ後に那須川は左ミドルハイを肩口にヒット! さらに左ロー、近距離からヒザと畳みかける。ブランコは左右の二段蹴りを見せる。1R終了のゴング。

2R、右のフェイントから入る那須川。右インローはブランコ。那須川は左右ボディを突く。飛び込んでクリンチはブランコ。前蹴りには那須川が左右をまとめる。さらに練習で見せた左のオーバーハンド! ブロックするブランコだが、右目上から出血。那須川のオーバーハンドの残像が残る。再開。

右から左の二段蹴りはブランコ。かわす那須川。ブランコは右前蹴り。その打ち終わりに右ジャブを、左のヒザを突いて効かせて回して倒す那須川。ガードを高くするブランコに那須川は左ストレートから左ミドル! 腰を回さずヒザ蹴りの軌道で左ミドルを空いた脇腹に受けたブランコは悶絶ダウン!

立ち上がるブランコに那須川はドロップキック気味のダブルキック。さらに左ヒザで二度目のダウンを奪うと、左ローで詰めていく。

すでに腹を効かされて半身になっているブランコ。右ローの打ち終わりに左ローを当てた那須川は詰めての左ヒザで3度目のダウンを奪い、KO勝利! 那須川はISKA世界王座の2階級制覇、そして現在保持するRISE世界フェザー級王座と合わせて世界三冠王となった。

那須川はリング上で、「押忍、こんばんは、応援ありがとうございました。ベルトは嬉しいですけど、こんなもんじゃ満足できないので、すぐ次に向かいます。(ここまで)早い展開ですけど、もっと高見を目指して、もっと盛り上げたいと思います。日本に留まりたくないと思っています。もうそろそろ世界に飛び立って挑戦したいと思います。今回はマーティン選手がいたからこそ試合ができました。ありがとうございました。7月に(RISEで)準決勝、めちゃくちゃ強い相手(スアキム※前日にKO勝ち)と大阪でやるので、那須川天心を生で観に来てください。いま、格闘技が盛り上がっていますけど、もっともっと盛り上げて、日本を盛り上げます」と挨拶した。

那須川天心 試合後会見コメント

▼第13試合 RIZIN女子スーパーアトム級(49kg)タイトルマッチ 5分3R ※ヒジあり
○浜崎朱加(王者/AACC/元INVICTA世界アトム級(47.6kg)王者)
[判定3-0]

×ジン・ユ・フレイ(挑戦者/米国/MOHLER MMA/INVICTA FC世界アトム級王者)
※浜崎が王座防衛

現RIZIN女子スーパーアトム級王者の浜崎は、2016年9月の「Invicta FC 19」でInvicta FC世界アトム級王座の2度目の防衛戦としてフレイと対戦。2Rに浜崎の右のパンチにフレイが左目尻をカットし、ドクターストップとなり、浜崎が王座防衛に成功している。

その後、浜崎が返上した同王座を、2018年7月にフレイが王座決定戦でミナ・グルサンデルに判定で勝利し獲得。現Invicta FCアトム級王者となった。フレイは2018年12月の前戦では同じグルサンデルをスプリット判定で退けて初防衛に成功している。

新旧Invicta王者対決にして、現RIZINとInvicta王者の対決にもなる今回の再戦に向け、浜崎は「前回はカットで勝ちましたが、1Rは危ない場面もあって拮抗していました。次は“もう戦いたくない”と思われるくらい差を見せて圧倒して、一本かKOで勝ちたい」と意気込みを語っている。

フレイがInvicta王座の防衛に成功していることについては「同じ相手に連戦して勝っているので、私と戦ったときより力をつけてきていると思います」と評価する浜崎だが、「それは私にも言えることなので、お互いの成長を試合で見せられるのが楽しみです」と再戦に自信。

対するフレイは「この時が来るのを2年半、待ちました。次こそ真の決着をつけたいと思います」とコメント。ヒジありルールでの王座戦に「流血もあるでしょう」と、浜崎を斬り返しての勝利も「プランのひとつ」と語った。

母親がアメリカ人で、父親は韓国からの移民。父からテコンドーを習ったフレイは韓国のROAD FCで戦った経験も持つ。「ケージとリングでの戦いは違うとは思いますが、私にはボクシングの試合経験もあるので、リングでもどのような状態であっても自分を適応させていきます」と、ルールの異なるRIZINでの試合にも自信。今回は、夫で元Bellatorファイターでもあるダグラス・フレイを帯同し、王座戦に臨む。

PRIDEのテーマ曲で入場したフレイ。浜崎はAACC勢と入場。練習仲間で6.14 Bellator参戦も決定しているRENAがセコンドにつく。

1R、ともにサウスポー構えから。フレイは浜崎に比べ、肩回りが隆起している。

サウスポー構えからスイッチしてローは浜崎。サウスポーに戻す浜崎は右ジャブを突く。フレイも刺し合い。右フックを放つ浜崎はオーソドックス構えに。左ローはフレイ。浜崎も右フックもフレイはガード。オーソに構え右ハイで牽制する浜崎。フレイの入りに右を合わせる。右ミドルを放つ浜崎。腕で払うフレイ。浜崎はワンツーも遠い。フレイは詰めて左フック! さらに右ジャブもヒット。離れる浜崎は右で飛び込む。さらに左インローはフレイ。浜崎は右ハイもフレイはブロック。フレイが浜崎の口元を腫らせた1R。

2R、サウスポーから右を突く浜崎。さばくフレイは右ロー。出入りは浜崎。バックステップするフレイ。フレイの前足へのローで赤く腫らせる浜崎は前足を変える。浜崎のジャブに右を返すフレイだが浜崎もスイッチ。コーナーに詰めて右アッパーは浜崎もかわすフレイ。前手のジャブは上下に突くフレイ。浜崎も当てさせず。左で飛び込む浜崎に左を返して当てるフレイ! 身体が流れる浜崎。続くフレイの強い右は空をきる。右前足にインローはフレイ! 浜崎の足が流れるように。オーソドックス構えにする浜崎。

3R、フレイの最初の右ローを逃さず右で差して払い腰で投げた浜崎! 右で脇を差しハーフになる浜崎は、右足も抜いてサイドポジションに!左は枕に巻き、ヒザを頭に突く浜崎。左ヒザをフレイの頭に狙う。頭を中央に向ける浜崎。しっかり右での脇差しは外さない。フレイの右腕をクルスフィックに4の字で組む浜崎! ついに両足で挟むと細かいパウンドへ。背中をマットに着けるフレイに浜崎は左でヒジの連打。

ユニファイドでは1、2Rを取られた可能性のある浜崎だが、3Rはダメージをしっかり与える動きを見せた浜崎。RIZINの3Rトータルのジャッジは……浜崎が3-0で逆転勝利した。中盤まで打撃戦で苦しんだ浜崎だが、3Rにフレイのローキックに合わせて組んでの投げを最初のトライで決めたのは見事といえる。

ベルトを再び腰に巻いた浜崎は、涙。リング上で、「1回、対戦したことがあるフレイ選手が強いことは分かっていて、ナーバスになりました。ホッとしています。(力になったのは)周囲の応援や、練習仲間、藤井惠さんたちのおかげです。極めたかったですけど、なかなかいいポジションを取れなかったので、次は一本を取ります」と涙声で語った。

浜崎朱加、ジン・ユ・フレイ 試合後会見コメント

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