▼第6試合 RIZIN MMAルール 61.0kg契約 5分3R ※ヒジあり
○山本アーセン(KRAZY BEE)
[1R 2分04秒 KO]※右ヒジ→パウンド
×ティム・エスクトゥルース(米国/スコーピン・ファイティング・システム)
山本アーセンは、これまでMMAでは、クロン・グレイシー、才賀紀左衛門、所英男、ジェシー・ローグ、マネル・ケイプ、宮田和幸を相手に2勝4敗。現在は2連敗中で才賀戦、ローグ戦に続く3勝目を目指すアーセンにとって、今回のエスクトゥルースは、初めて同じ経験値の相手となる。
ダロン・クルックシャンクなど強豪を生んできたミシガン州のローカルサーキットでアマチュア大会から凌ぎを削ってきたグラップラーであるエスクトゥルースとの対戦は、アーセンの真価と進化が問われる試合だ。
レスリング力で上回るアーセンに対し、エスクトゥルースはテイクダウンされてもそこからの引き出しが多い選手。「ヒジ有り」ルールの中で、トップを取るアーセンはいかに相手を削るか。エスクトゥルースの仕掛けを潰してパウンドしたいところだ。
そんな試合を前に、アーセンはグアムで母・美憂とともにUFC4勝5敗のジョン・タック=ジョン山本をメインコーチに据えて、寝技を含む総合力をアップしてきた。かつて五味隆典に一本勝ちしたタックのMMAグラップリングは、アーセンにいかに伝わったか。2019年2月14日には第1子となる女児も誕生。アーセンはファイター、そして父親としても負けられない再起戦に臨む。
1R、ともにオーソドックス構え。エクストゥルースの右ミドルをつかみ右フックはアーセン。距離を作り直して右の前蹴りはアーセン。左右振るエクストゥルースは牽制。アーセンは右の蹴りから組みに首相撲もクリンチボクシングはエクストゥルース。
左で差すアーセンは右のヒザ蹴りから、左を振ってきたエクストゥルースに内側からカウンターの右ヒジ! ダウンしたエクストゥルースにすぐにマウント&パウンドし、TKO勝利した。
2連敗から白星をつかんだアーセンは、コーナーポストでゆりかごを揺らすポーズ。マイクを持つと「もうちょっと強くなってから大きなことを言います。空! パパ頑張ったよ」と2月14日のバレンタインデーに誕生した第1子女児にメッセージ。
さらに山本家の“養子”となった元UFCファイターのジョン・タックにマイクを渡し、タックも「ジョン・タック山本です。RIIZNに出たいです」と日本語で参戦をアピールした。
▼第5試合 RIZINキックボクシングルール 63.0kg契約 3分3R
×山口裕人(山口道場/WPMF世界スーパーライト級暫定王者)
[判定0-3] ※28-30×2,28-29
○白鳥大珠(TEAM TEPPEN/RISEライト級王者)
WPMF世界スーパーライト級暫定王者・山口裕人(山口道場)とRISEライト級王者・白鳥大珠(TEAM TEPPEN)が対戦。
山口は2008年7月にプロデビューし、2014年12月にINNOVATIONスーパーライト級王座を奪取。2016年4月の『RIZIN.1』では大和哲也にKO負けを喫したが、9月にはWBCムエタイ日本スーパーライト級王座を獲得した。その後はKNOCK OUTを主戦場にし、11試合連続で勝っても負けてもKOという判定無し男に。2018年12月には、ムエタイの強豪ワンマリオから勝利を収めてWPMF世界スーパーライト級暫定王者となった。今年に入ってから北井智大、水落洋祐に連敗を喫しているが、毎回のように激闘を繰り広げて各大会にひっぱりだこの人気選手となっている。
白鳥は幼い頃から極真空手を学び、2011年2月にキックボクシングでプロデビュー。2013年12月に高校3年生でWPMF日本スーパーフェザー級王座を獲得。2015年3月にプロボクシングへ転向して8勝3敗の戦績を残し、2018年4月にキックボクシングへカムバック。無敗街道を突き進み、今年2月に第5代RISEライト級王者となった。昨年の大晦日にRIZIN初参戦を果たし、ウザ強ヨシヤを右飛び膝蹴りでマットに沈めている。KO決着必至の一戦か。
1R、サウスポー構えの白鳥、オーソドックス構えの山口。ジャブ&ローから入り白鳥。さらに左ミドル、ハイで牽制。しっかり自身の距離で戦う。右目尻を切る山口は徐々に詰めるが、そこに左ストレートを突く。
中に入りにくい山口はオーソから左のボディストレート、左ローで崩しに。さらに右の奥足ロー。しかし白鳥も左のヒザ蹴り、テンカオで牽制。軌道を変える左ハイも。ロープに詰める山口が右ストレートを打ち込んだところで1Rが終了。
2R、右から左で飛び込む山口。しかし打ち終わりに白鳥は左前蹴り。コーナーに詰まり白鳥は左跳びヒザから、左ハイをヒット! 笑う山口に左ストレートが中央をとらえる。さらに白鳥は右の胴廻し回転蹴り! 肩で受ける山口は左ハイを受けながらも打ち合いに持ちこむ。そこで突き放す白鳥は前蹴り。左の三日月蹴りも突く白鳥! 顔を赤くした山口は削られていく。
3R、左から右のワンツーは山口。しかし、左の打点の高い前蹴りで山口のアゴが上がる。さらに左インロー! それをつかみにいく山口はガードが下がる。左ミドルから左後ろ廻し蹴りは空振る白鳥。右フックで飛び込む山口に白鳥の頭が当たり中断。
再開。一気に詰める山口は左右を上下に突いていくが、左で迎撃する白鳥。ロープに詰まり左フックを当てるのは山口、最後はパンチの打ち合いに突き合う白鳥も右のダブルを打つが、そこに山口はボディも入れて頭を動かしながら前へ。ゴング。
判定は左の有効打を当てた白鳥が3-0勝利。7連勝をマークし、7月の「RISE WORLD SERIES 2019 -61kgトーナメント」大阪大会準決勝に弾みをつけた。
▼第4試合 RIZIN MMAルール 5分3R(59.0kg)※ヒジあり
○征矢 貴(パラエストラ松戸)
[1R 4分05秒 KO]
×川原波輝(総合格闘技スタジオSTYLE)
征矢貴は修斗からRIZIN初参戦。アマチュア修斗からキャリアを積んだ征矢は、DEEPでのプロデビューを経て、2013年から修斗参戦。バンタム級新人王決定トーナメントで3戦全てKO勝ちするなど強打を誇る。パートナーの闘病、自身の体調不良もあり戦列から離れていた征矢は、2017年5月の清水清隆戦でのKO負け以来の復帰戦となる。
対する川原波輝は伝統派空手出身。チーム・アルファメールでの石原夜叉坊、中村優作との練習のなかで日拳スタイルも融合し、2019年3月の「DEEP 88 IMAPACT」ではストロー級王者・越智晴雄から右ストレートでダウンを奪うなど、あわやの場面を作った。DEEPでの惜敗から、RIZINデビュー戦となる今大会は1階級上げての参戦となるが、同じく打撃を得意とする征矢を相手に「バッチバチのドつき合いする」と、地元関西でのKO勝利を狙う。
左右スイッチし懐の深い打撃と鋭いヒザ蹴りも持つ川原は征矢をいなして、長いリーチから自身の攻撃だけを当てたいところ。オーソドックス構えから圧力をかけての右の強打、左フック、右ハイキックも得意とする征矢はテイクダウンプレッシャーのなかで打撃も当てていきたい。
先に川原が石原夜叉坊らと入場。征矢は柔術衣を着て鶴屋代表、扇久保、内藤のび太と入場。
1R、ともにオーソドックス構えから。川原はサウスポー構えに戻す。前手を出す川原に、征矢は左ロングフック! ダウンした川原にすぐにラッシュした征矢は立ち上がる川原にサッカーキックも! しかしガードする川原は背中を預けながら立つことに成功。征矢を突き放す。左ミドルから左ストレートは川原だが、かわす征矢は遠間からダブルレッグテイクダウン! 両足を束ねサイドを取るがニンジャチョーク狙いの川原にサイドへ。その際(きわ)で川原も立つ!
右から左ハイで前に出る川原。そこに征矢はオーソドックス構えから左フック! さらに圧力をかけてくる川原にコーナーに詰まりながら、川原の大きな右に、カウンターの右フック! 前のめり倒れた川原に征矢はすぐに右のサッカーキックを追打し、2年ぶりの試合をKOフィニッシュした。
試合後、リング上でマイクを持った征矢は、「修斗ファンの皆さん、ただいま。喋りたいことはいろいろあるんですけど手短に。21年間いろいろありました。ここにいる皆さんも、人生うまくいかないとき、辛いときとかあると思いますけど……一緒に頑張りましょう」と挨拶。
続けて、「朝倉海選手、トップノーイ選手、中村優作選手と喧嘩したいと思います」と名前を挙げて対戦を希望。最後に「骨髄バンクに協力してくださった、すべての方に感謝します」と、家族が闘病中に支援してくれた周囲に感謝の言葉を述べた。