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レポート

【BOM】緑川創、ラジャダムナン王座奪取ならず。名高が3階級制覇、スアキムが圧勝! パコーンは漢気勝負=6.1 横浜 速報

2019/06/01 15:06
【BOM】緑川創、ラジャダムナン王座奪取ならず。名高が3階級制覇、スアキムが圧勝! パコーンは漢気勝負=6.1 横浜 速報

翔・センチャイジムを2R22秒、KOに下したスアキム。鬼神の強さが復活した。gennka-

 

▼第12試合 メインイベント ラジャダムナンスタジアム認定スーパーウェルター級タイトルマッチ 3分5R(インターバル2分)
○クンスック・シットシェフブンタム(タイ/王者)
[判定3-0] ※49-48×3
×緑川 創(藤本ジム/WKBA世界スーパーウェルター級王者、元日本ウェルター級王者/挑戦者)
※クンスックが王座防衛

メインイベントでは、WKBA世界スーパーウェルター級王者・緑川創(藤本ジム)がラジャダムナンスタジアム認定スーパーウェルター級王者クンスック・シットシェフブンタム(タイ)に挑戦するタイトルマッチが行われる。

緑川は2005年に新日本キックボクシング協会でプロデビューし、2009年に日本ウェルター級王座を獲得。4度の防衛に成功し、2014年にはアンディ・サワーから勝利を収めた。ムエタイの殿堂ラジャダムナンスタジアムの王座奪取を目標に掲げ、2018年6月にタイで念願の初挑戦を果たしたが、1Rにダウンを奪われて判定負け。王座奪取はならなかった。今回は2度目の挑戦のチャンス。悲願を達成することができるか。



1R、ともにオーソドックス構え。テンポよく右ローを蹴っていく緑川。さらに右ボディストレートも。しかしクンスックも左サイドキックで緑川をこかす。緑川の左ローに右ミドルをかえすクンスック。緑川の左ローの打ち終わりにクンスックは足をつかんで軸足払い! しかしコツコツとローを突く緑川。右ローを3連打も。クンスックは右ハイも緑川はブロック。クンスックのハイは近距離から放たれ注意が必要だ。

2R、左ローの緑川にクンスックは重い右ミドル。さらに右ハイキック! 受けながらも前に出る緑川は詰めて右ボディストレート! 左インローさらに、右インローを奥足に届かせる。右ハイ、左ハイもブロックするクンスックに詰める緑川はついに右ストレート! 効いていないとポーズするクンスックだが、構わず詰める緑川に回るクンスックは右ハイ。ブロックする緑川は詰めていく。

3R、勝負のラウンドに突入。ジャブを突き近い距離で下段蹴りを落とす緑川。クンスックはそこにヒザ! 右ローから緩急をつけて左ボディ、右ストレートは緑川! しかしクリーンヒットはさせないクンスックは長いコンパスから右ハイ。緑川がブロックすると首相撲からヒザも! 緑川のワンツーにヒジを叩き込むクンスック。さらに緑川の蹴り足を取って軸足払いでこかす。

4R、ギアを上げた両者。右で飛び込む緑川だが、そこにクンスックは右ハイ、右ミドル! 緑川のワンツーの前進に場内は沸くが、緑川にはミドルへの蹴り返しが欠ける。さらに詰めて右ハイはクンスック。緑川の前進をさばき、左のテンカオ! 右ミドル&ハイ。緑川は右ローを連打するがゴング。

5R、最終ラウンド。左腿を腫らすクンスック。前に出る緑川だがクンスックにこかされる。ムエタイでは痛い転倒か。前進する緑川にクリンチするクンスックは完全に逃げ切り体勢。右ミドルを当ててクリンチ。腹を突き顔面狙う緑川だが、潜ってボディロックはクンスック。さらにテイクダウンも。緑川の左ローをかわして右ミドルはクンスック。クリンチから押し倒してテイクダウン。起き上がったクンスックはゴングに、小走りでリングを回った。

果たして判定は……3者49-48でクンスックが勝利し、王座を防衛。緑川はラジャダムナン王座再挑戦も戴冠ならなかった。

▼第11試合 タイ国スポーツ協会認定ナーイ・カノム・トム ライトフライ級王座決定戦 3分5R
○名高・EIWA SPORTS(エイワスポーツジム/ルンピニー&ラジャダムナンスタジアム統一ミニフライ級王者、WBC・IBFムエタイ世界同級王者)
[判定3-0]※49-48×3
×ゲンカー・ヌンポンテープ(タイ/タイ国スポーツ協会認定ナーイ・カノム・トム ライトフライ級2位)
※名高が王者に。

 名高は昨年12月、ラジャダムナンスタジアム認定ミニフライ級王座を奪取し、日本人として7人目の同スタジアム王者になり、今年4月15日にはルンピニースタジアム認定同級王座も獲得。日本人初のルンピニー王者になると同時に、ムエタイの2大殿堂であるルンピニーとラジャダムナンの王座を同時に保持した史上2人目の外国人(タイ人以外)選手となった。さらに4月には、日本人選手として初めてルンピニースタジアムが選出する月間MVPにも選ばれている

 その名高が統一王者としての第1戦を迎える。今回よりミニフライ級(-47.6kg)からライトフライ級(-49.0kg)に階級を上げて2階級制覇を目指す名高は、ゲンカー・ヌンポンテープ(タイ)とタイ国スポーツ協会認定ナーイ・カノム・トム ライトフライ級王座決定戦を行う。

 ナーイ・カノム・トムとは“ムエタイの父”と呼ばれる伝説の英雄。約200年前、タイはビルマ(現ミャンマー)との戦争に敗れて侵略され、捕虜となっていたナーイ・カノム・トムはビルマ国王に命じられてビルマ拳法家10人(12人との説もあり)と戦い、全員を打ち負かした。これによりトムは釈放されて国に帰り、タイ人捕虜全員を釈放されたという。この戦いが行われた3月17日は現在でも“ムエタイの日”とされ、各地で記念大会が開催されている。

 その英雄の名を冠したタイトルを懸けて名高がゲンカーと争う。主催者によれば、これはタイ国スポーツ協会がムエタイの父を称えるために創設したベルトだという。ゲンカーは強烈なヒジ打ち、ヒザ蹴り、ハイキックを持ち、KOを量産するファイタータイプで、キャッチコピーは“ワンショット・キラー”。

 名高は自身のSNSで「階級を上げて初めての試合ですが、チャンピオンらしい試合をして勝利できるように頑張りますので、応援よろしくお願いします」とコメント。ムエタイの英雄を称えるベルトを手にすることができるか。

1R、サウスポー構えの名高、オーソドックス構えのゲンカー。左ローはゲンカー。カットする名高は素早い左ローを返す。ゲンカーも右ローを奥足に打つ。右ミドルを当てるゲンカーにつかんだ名高はバランスを崩していく。詰めてくるゲンカーに名高は右フックをひっかけ右回り。ゲンカーの右ミドルはカット。組んで半身についてヒザを狙うゲンカーに正対する。そして名高は左インロー! これはヒットも静かな立ち上がり。

2R、左わき腹を赤くする名高。左のローのフェイントにゲンカーはすぐに右ロー。しかし名高も左ストレート!

首相撲はイーブン。ブレーク。左ミドルを当てるゲンカー。名高はワンツー! ブロックするゲンカーに左のヒザ! 詰めてきたゲンカーは左ミドルで反撃。左ハイをスウェイでかわしたゲンカーは一気に詰めて右を狙う。蹴り足を掴んでの左は名高! さらに遠間からの左ヒザがヒット!

3R、じりじりと詰めるゲンカー。首相撲ヒザはともに。右アッパー、左フックで飛び込んで離れる名高は出入り。ゲンカーの右ミドルにすぐに左ミドルを蹴り返す。名高の左ハイをかわして前に出るゲンカーにヒザを入れ、左インローは名高! さらに組んでのこかしも。ゲンカーの右の蹴り2発に名高は左を1発返しこかす。

4R、詰めるゲンカーは右ミドルで前へ。名高も左ミドルで応戦しゲンカーの脇くぐりボディロック。ゲンカーも右ミドルは止まらず。組んでヒザを腹に当て動きを止める名高。詰めるゲンカーは右ミドル。名高は左ヒザ! 組んでも間にヒザを入れ、離れては左ロー! ゲンカーも右ミドルを当てるが単発に。名高は左に回ってさばきながら左の攻撃を上下で入れる。

5R、詰めるゲンカーにロープを背にする名高。こかしはゲンカー。しかし立つ名高は左! さらに近づくゲンカーに得意の左ヒザを突く。右ヒジを振るゲンカー。右ミドルも名高はチェック。ゲンカーの右ストレートの打ち終わりに左を当て、右ストレートの飛び込みを左の外側にかわして左ストレートも! ロープを背にして逃げ切り体勢の名高。ゲンカーの左ジャブをかわしてゴング。判定は3-0(49-48×3)で強豪ゲンカーの右ミドルに手を焼きながらも試合をコントロールした名高が勝利。3階級を制覇し、ベルトを巻いた。

試合後、名高は「本日はご来場いただきありがとうございました。階級を上げて初めての試合で、パワー、圧力も違っていい経験になりました。この試合で反省点も見つかり、次に向けていい練習をしてまた頑張ります」と挨拶した。

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