ヒジとヒジの相打ち、小笠原(左)が苦闘の末に初防衛を果たした 撮影/安村発
KNOCK OUT 2021 vol.6
2021年11月28日(日)東京・後楽園ホール
▼メインイベント(第7試合)KNOCK OUT-REDスーパーバンタム級タイトルマッチ 3分5R
○小笠原瑛作(クロスポイント吉祥寺/王者)
判定3-0 ※48-47、49-47×2
×壱・センチャイジム(センチャイムエタイジム/挑戦者)
※小笠原が初防衛に成功。
小笠原はジュニアキックで活躍後、2011年7月にプロデビュー。2013年5月にプロ9戦目でREBELS-MUAYTHAIフライ級王座を獲得、2015年7月にはREBELS52.5kg級王座も手にした。2017年9月、ISKA K-1ルール世界バンタム級王座を獲得。2021年3月にはトーナメントを制してKNOCK OUT-REDスーパーバンタム級王者となった。サウスポーから放たれる左ストレート、左ミドルキックが得意。前戦は7月大会で横野洋を2RでKOしている。戦績は37勝(19KO)6敗1分。
壱は2019年12月のムエタイオープンで岩浪悠弥にまさかの初回KO負けを喫し、14連勝が途切れた。2020年2月のルンピニースタジアムでの再起戦でも敗れ、9月のKNOCK OUTで小笠原瑛作にも初回KO負けと絶不調だったが、12月のREBELSで鈴木貫太から久々の勝利を収めた。岡山ZAIMAX MUAYTHAI 55kg賞金トーナメントでは準決勝(1回戦)で強敵・岩浪悠弥に勝利も、決勝で加藤有吾に3度のダウンを奪われての判定負け。今年3月に古村光を判定で破って再起を果たすと8月大会で森岡悠樹に判定勝ち。
両者は2020年9月に対戦し、この時は小笠原が壱の蹴り足を掴んで大きく払うように倒すと、壱は高く持ち上がって後頭部から勢いよく落ちてダウン。何とか立ち上がるも小笠原の右フックで再度ダウンし、小笠原が1R1分37秒で鮮烈なKO勝ちを収めている。
1R、両者サウスポー。出会い頭、小笠原は前回の再現のような足払いで壱を転倒させる。小笠原は左ローを狙い撃ちにし、壱は左ミドルを蹴る。圧力をかけて手数が多いのは小笠原。
2Rも左ローを徹底的に狙う小笠原に、壱はパンチを合わせに行く。小笠原は蹴り足をキャッチすると、足払いに行き壱が堪えるとすかさず足を放して左右の連打。壱は右ミドルを蹴っていくが、左ミドルはキャッチされる。
3R、首相撲になってヒザを蹴り合うと、小笠原が崩して壱を転倒させる。小笠原が左フックから右フックを打つと、壱も右フックから左ボディ。壱の右ミドルに左右フックを返し、左ローにつなげる小笠原。左ボディストレートから右フック、そして左ローを蹴ると壱のワンツーをかわしての左ストレートでダウンを奪う。前のめりに倒れた壱は立ち上がり、小笠原も無理には攻めに行かない。
4Rの出会い頭にも足払いで壱を転倒させる小笠原。右フックで壱が前に出ると左ヒジを合わせる。このラウンドは壱が前に出て左右フックとヒジを繰り出す。小笠原は首相撲からのヒザ、離れると左ロー。壱の左ヒジで小笠原の顔が跳ね上がるが、小笠原はすぐにワンツーを返して離れる。前に出る壱に回り込んで左ローを蹴る小笠原。壱はヒジと左ストレートを狙う。壱の左ヒジで小笠原の左目下が腫れた。
5Rも右フックを打ちながら右へ回り込み、左ローを蹴る小笠原。距離が詰まると壱を組み倒してしまう。壱は逆転を狙ってのヒジを打つが、なかなか動き回る小笠原を捕まえることが出来ず、近付くと組まれてしまう。ステップワークで動き、ジャブを突き、左ローを蹴る小笠原。壱の攻撃は空を切り、判定で小笠原が勝利。初防衛に成功した。
勝者・小笠原は「相手の壱選手、1年かけて僕に挑戦してくれて本当に思ったよりも強くなっていて手こずってしまいました。壱選手、またぜひやりましょう。こんなコロナ禍で人と人のつながりがブツブツと切れる世の中ですけれど、皆さんがこうやって会場まで応援に来てくれて生で声援が聞けて僕は本当に力になっています。こんな世の中だからこそ人と人とのつながりを身近に感じながら生きていけたらなと思います。そして僕はこのREBELSから続くKNOCK OUTにお世話になってここまで大きくなりました。僕はこのKNOCK OUTを世界の舞台に通用するところまで、世界でこのKNOCK OUTを開催したいと本気で思っています。会場に来てくれている皆さんの力が必要です。これからも僕たち、KNOCK OUTの選手を応援してくれたらと思います」とマイクで語った。