▼セミファイナル BOM日本女子ライトフライ級(48.98kg) 王座決定戦 2分5R
〇伊藤紗弥(尚武会/BOM女子ピン級王者)
判定3-0 ※50-49、49-48、49-46
×RINA(谷山ジム小田原道場)
※伊藤が新王座に就く。
伊藤はジュニアキックで数々のタイトルを獲得。2012年12月には中学2年生にしてタイでWPMF女子世界ピン級暫定王者を獲得。2014年4月に国内で正式にプロデビューを果たすと、国内外の強敵を相手に快進撃を続けWPMF・WMC・WBCムエタイと女子世界王座の三冠を制覇。2020年2月の『RISE』初参戦ではAyakaに生涯初のダウン&KO負けを喫してしまったが、今年4月の『ムエローク』ではムエタイルールでAyakaにリベンジ成功。BOM女子ピン級初代王座も獲得した。
7月には『BOM』で初のオープンフィンガーグローブマッチに挑み、女子二冠王MIREYに勝利するも、9月に2度目のRISE参戦でRISE QUEENアトム級王者・宮崎小雪に延長戦の末に判定2-0で惜敗した。今回は初めての48kg以上での試合で、BOMピン級王座(-45.53kg)に続いてのBOM2階級制覇(他のタイトルを含めればピン級、ミニフライ級に続いての3階級制覇)を狙っての試合。しかし前日計量では46.78kgと2kg以上のアンダー。
RINAは19歳でキックボクシングを始め、アマチュア時代には10連敗する苦い経験をしたが、2016年7月にプロデビュー。鼻を骨折して一時は引退も考えたが、2019年7月に復帰。2017年12月に『Bigbang』で現RISE QUEENミニフライ級王者・寺山日葵(判定負け)、2018年5月に『Krush』で現rush女子フライ級王者・壽美(判定負け)とも拳を交えており、今年4月の『ムエローク』ではぱんちゃん璃奈と2度対戦している祥子JSKをヒジ&ヒザでアグレッシブに攻めての判定勝ちを飾っている。NJKFミネルヴァ・ライトフライ級5位で戦績は8勝4敗3分。
1R、右ローを蹴る伊藤に体格で上回るRINAは前へ出てミドルからパンチを放っていく。伊藤はその突進にジャブを合わせ、ミドルを蹴る。
2R、RINAはやはり圧力をかけてパンチとローで前へ出る。それに伊藤はポジションを素早く変えてジャブを打ち、前蹴り、左右ミドルを蹴っていく。かわして打つ、蹴るの伊藤のテクニックが冴えた。
3R、RINAが蹴ると的確に右ミドルを蹴る伊藤。RINAは伊藤にミドルを蹴らせてキャッチし、ストレートを見舞う。さらに組むとヒジの連打。しかし伊藤は焦らず左右ミドルを蹴り、ジャブを突く。伊藤は首相撲でコカしてもみせた。
4R、RINAの攻撃をかわして自分の攻撃を当てていく伊藤。ジャブ、前蹴りをRINAの突進に合わせ、蹴りをもらってもすぐに蹴り返す。蹴りをキャッチしてのコカしも見せた。
5R、伊藤は首相撲でコカし、体捌きと足さばきでRINAの突進をかわしてミドルを蹴る。RINAが近付いてくると組みで動きを止め、RINAに攻めさせない。相手をコントロールする戦いをしっかり続け、伊藤がテクニックで体重差を制しての判定勝ちで2階級制覇に成功した。