▼第5試合 65.8kg契約 5分3R
×宇野 薫(UNO DOJO)65.8kg
[判定0-3] ※27-30×3
○原口 央(BRAVE)65.5kg
“グレイシー一族最強の男”と言われたヒクソン・グレイシーの初来日、中井祐樹とジェラルド・ゴルドーの伝説の一戦など、1994年から2回に渡る無差別級トーナメント「VALE TUDO JAPAN オープン」を経て“世界の強豪を迎え撃つ”という新たなコンセプトで行われた「VALE TUDO JAPAN」。
その最初の大会となったのが1996年に行われた「VALE TUDO JAPAN'96」だったが日本勢が惨敗を喫し、専門誌の表紙に「日本最弱」というショッキングなコピーが踊ることとなった。
しかし、その歴史的敗戦から僅か21日後に行われた全日本アマチュア修斗選手権の決勝に勝ち上がった二人の若者が、後に世界を舞台に戦うことになる。
その一人が桜井マッハ速人。そして、もう一人の若者が宇野薫だった。1996年10月にプロデビューを果たした両者は「修斗 LET'S GET LOST ~失地回復~」で対戦。その2年後の「VALE TUDO JAPAN '98」で宇野は、ヒカルド・“リッキー”・ボテーリョに3R パウンドでTKO勝ちしている。
翌年の1999年5月には「修斗プロ化10周年記念大会」で“修斗のカリスマ”佐藤ルミナにリアネイキドチョークで一本勝ち。世界王座に就くと、1999年に行われた「VALE TUDO JAPAN '99」では、“日本vsブラジル”7対7で副将を務め、アンドレ・ペデネイラスとフルラウンドの死闘の末ドロー。2000年12月にはルミナとの再戦をKO勝ちで勝利、修斗王座を返上した。
そこから宇野は海を渡り、ジェンス・パルバー、BJペンとUFCのタイトルを掛けて激闘を繰り広げ、DREAM、修斗後には2度目のUFC参戦。2013年6月には、VTJ 2ndからVTJ6thまで4大会に出場している。
そして5年ぶりの「VTJ」再開。今回のコンセプトの一つとして“世界で戦ってきた男”たちと、“これから世界で戦うファイター”たちの激突が掲げられており、宇野薫(UNO DOJO)はまさにそのコンセプトに相応しいファイターだといえるだろう。2021年5月の前戦では内藤太尊に2R KO負けを喫しているだけに、新世代を相手に再起を遂げることが出来るか。
その宇野に用意された“これから世界で戦うファイター”はGRADIATORフェザー級王者の原口央(BRAVE)だ。
近年、各団体のベルトを総なめにし、格闘技界を席巻している宮田和幸代表率いるヘラクレス軍団「BRAVE」の一員である原口は、9月26日に大阪で行われた「GRADIATOR 15」でMIKEが保持するフェザー級タイトルに挑戦。前回ロープローによるノーコンテストとなった試合の再戦を、今回は全局面で圧倒して完勝。GRADIATOR新王者に就いたばかりだ。
今後が注目される日本MMA界のホープを相手に、宇野はいかに戦うか。
2021年でデビューから25周年を迎え、46歳になり、対戦相手は最前線を走るトップランナーでなくとも良いのではないか? との周囲の声を他所に、年齢を一切言い訳にせず、ひたすら自らのMMA道に挑み続ける宇野薫。
我々はどの時代にも、何度も見せられた奇跡の大逆転を目にすることになるのか。それとも新星・原口が残酷な現実を突きつけるのか? 第1弾の発表からVTJらしい残酷すぎるマッチメイクが決定した。
1R、サウスポー構えの宇野。前足を上げて近づき、ダブルレッグからクラッチし、リフトしてテイクダウンは原口! 下からスイッチで立ち上がる宇野。詰める原口は右で差してダブルレッグに切り替えテイクダウン!
金網まで這う宇野は上体は金網に立て、クオィーターネルソンで左脇を差し上げるが、足をまたぐ原口はサイドに。しかし、宇野はケージウォークから亀に。背後についていく原口に宇野はアームロックを狙い、正対したところでブザー。
2R、跳びヒザでアプローチする原口はダブルレッグテイクダウン! 金網で座る宇野にネルソンから首を狙う原口。背中に乗せて上になる宇野だが、クラッチを解かない原口。宇野が金網背に立とうとしても、原口は引き出してテイクダウン! サイドバックに以降し、ドミネートする原口。バックからコントローする。背後の原口にヒジを突く宇野はスイッチから正対を試みるが、させない原口ががぶり。正対した宇野だがブザー。
3R、左の蹴りからダブルレッグも押し戻される原口。宇野の立ち際に、すぐに距離を潰す原口はスタンドバックにつく。アームロック狙いの宇野をコントロールし、離し際に左右を振る原口。宇野の打ち返しにすぐに組んで、また離しては左右連打。そしてダブルレッグに切り替えテイクダウン。宇野の立ち際にバックにつくと、宇野は前に落とそうとするが、落ちない原口はバックから4の字ロック。リアネイキドチョークも、後ろ手を剥がす宇野。正対から立ち上がろうとするが、原口はパウンドラッシュ! 足を効かせようとする宇野だがブザー。
判定は3-0(30-27×3)で3Rを通してコントロールした原口が勝利。
レジェンド超えを果たした原口だが、「憧れの宇野選手と対戦できたことは嬉しいですけど、練習してきたことが出せず、ただ勝ちに行くだけの試合になってしまって、まだまだだなと思います。もっと練習してまだまだ上を目指します」と厳しい表情で語った。