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2021年4月17日(日本時間18日)米国ラスベガス「UFC APEX」にて『UFC Fight Night: Whittaker vs. Gastelum』が開催された。
メインのミドル級戦では、元ミドル級王者ロバート・ウィテカー(ニュージーランド・1位)が、185.5ポンド(84.14kg)でパス。対するケルヴィン・ガステラム(米国・8位)が185ポンド(83.91kg)でパスした。
“ブリッツ”の異名を持ち、剛柔流空手をベースとするウィテカーは、TUFウェルター級優勝から、2014年11月にミドル級転向し、以降10勝1敗。2017年7月にミドル級暫定王座決定戦でヨエル・ロメロに勝利し、UFC世界王者に輝いた。
唯一の敗北は、2019年10月のにイスラエル・アデサニヤとの同級王座統一戦。2R KO負けで王座陥落したが、2020年7月にダレン・ティル、10月にジャレッド・キャノニアをいずれも判定で下し、2連勝中だ。
当初はパウロ・コスタと対戦予定だったウィテカーだが、コスタがインフルエンザにより欠場。代役のガステラムと対戦することになった。
ガステラムはTUF17ミドル級優勝後、本戦ではウィテカー同様にウェルター級で参戦。2016年12月からミドル級に転向し、マイケル・ビスピン、ホナウド・ジャカレイに勝利も、イスラエル・アデサニヤ、ダレン・ティル、ジャック・ハーマンソンに敗れている。3連敗を喫したが、2021年2月の前戦ではイアン・ハイニッシュに判定勝ちで再起を遂げた。
ウィテカーvs.ガステラムは、2019年2月にタイトル戦を行う予定だったが、ウィテカーが計量後の試合当日に腸ヘルニアの緊急手術により欠場で中止となっていたカード。今回はコスタの欠場により、ガステラムがスクランブル参戦。2年越しの対戦が実現することになった。試合直前の両者のコメントは以下の通りだ。
◆ロバート・ウィテカー「正直言って自分は全ての面で彼を上回っている」
「最初に予定されていた試合は取り消しとなり、2人にとって最悪な結果となってしまった。だけどそれから自分はファイターとしても人間としても成長した。だから今週末オクタゴンで前よりもっと強くなっている危険な相手との対戦を楽しみにしている。
ガステラムは非常に危険なファイターだし、どの分野でも闘うことができる。彼はレスリング、組み技、そして打撃と相手を倒すパワーを持っている。危険な相手で非常に試合の組み立てがうまい。彼に敬意を払いながら闘いたい。
正直言って自分は全ての面で彼を上回っていると思う。打撃、組み技、そしてレスリングでも彼より優れている。動きでも彼を圧倒できると思う。身体能力でもレベルが違う。試合の流れを掴んだ方が有利になるだろう」
◆ケルヴィン・ガステラム「今はもっと戦術的にスキルを使って戦いたい」
「2人とも成長していると思う。ウィテカーは良くなったがそれは自分も同じだ。2人ともより成熟して頭を使った試合ができるようになっている。2年前は彼をノックアウトしようと思っただろうけど、今はもっと戦術的にスキルを使っていきたい。
彼は非常に良い選手だ。もちろん彼がチャンピオンになる前からずっと彼との試合を待ち望んできた。彼のスタイルは非常にエキサイティングで、オクタゴンで2人のスタイルがぶつかり合えば非常にエキサイティングな試合になるだろう。自分は全ての面で彼より優れていると思う。ボクシング、キックボクシング、グラウンド、レスリング、柔術すべてでね。どの分野でも彼より少し上回っていると思う。頭をつかって注意深い試合運びを心掛けたい。1位の選手を倒せば自分が1位になるんだ」
なお、セミファイナルで行われる予定だったライト級のジェレミー・スティーブンスvs.ドラッカー・クロースは、クロースが「首と手に違和感を感じ、朝に眩暈・頭痛もあり」(本人のSNSより)ドクターチェックの末に欠場、試合は直前に中止となっている。
また、キャッチウェイトで実施予定だったザラ・フェイリンvs.ジェジアニ・ヌネスの一戦もフェイリンが約3.6kgの大幅体重超過。体重管理に問題があったとされ、中止となっている。