▼第3試合 DEEP JEWELS フライ級(56.7kg)5分2R
○奈部ゆかり(リバーサルジム新宿Me,We)56.90kg
[判定3-0] ※20-17×3
×ミッコ・ニルバーナ(AACC/今成柔術)56.70kg
奈部
「自分は昨年怪我をしてしまって、1年半ぶりの国内戦になりますが、ほんとうはプライベートでも仲がいいミッコ・ニルバーナ選手、しかも『倒します』と言ってくれたので、すごく嬉しい気持ちになっています。自分と戦いたいと言ってくれてありがとうございます。でも明日はしっかり自分の強さを見せたいと思いますので、応援よろしくお願いします」
ミッコ
「プロ3戦目になりますが、バックボーンとか経験とか関係なく、強い人間が勝つと思っているので、明日はすべてひっくり返します。応援よろしくお願いします」
約1年5カ月ぶりの試合に臨む奈部ゆかり(リバーサルジム新宿Me,We)。
奈部は柔道出身で高校生の時に富山県大会優勝、インターハイではベスト8。名門・国際武道大学の柔道部に所属し、韓国に柔道留学も果たしている。2015年5月にDEEP JEWELSでプロデビュー。2018年6月に渡辺華奈に判定負けも、以降、アミバ、高森惟舞、藤森祥子、ゲオチャイ・ザ・ロケットを相手に4連勝。MMAでは7勝3敗1分で、敗れている相手は渡辺、村田夏南子、杉山しずかと強豪のみ。
2019年10月のゲオチャイ戦以来となったのは「前回の試合で負った怪我の手術で、膝の前十字靭帯再建と半月板を摘出しました。時間があったので、プロレス観戦やタイマッサージの資格習得などいろいろなことに挑戦してました。あとは運動できず好きなものを食べる…という生活が続いて、周りが心配するくらいすごく太りましたね(笑)」との理由から。
ブランクの不安はあるかと聞かれると「もちろんあります。自分が休んでいた間もチームメイトはしっかり練習をしていたので、久しぶりに練習に参加した時はみんな強すぎて、当たり前の事ですが、こんなにも差が出るんだとショックを受けました」と、ブランクを感じたことを隠さない。
しかし、「新しい技術をというより、出来ることを丁寧に正確に行うことに重点をおきました。動きの確認が中心です」と元に戻る作業をしてきたという。
「膝の手術後の安静期間とコロナ自粛期間が重なっていた時期もあったので、退勤して真っ直ぐ家に帰る生活をしてました。最初は快適だったんですが、やはり物足りなくて『あー、格闘技がしたい。Me,Weのみんなに会いたい』って思っていましたね。格闘技はまだまだ辞められないなと再認識しました」と、格闘技の大切さを改めて自覚する期間になったようだ。
そして迎える今回の再起戦。対戦相手はミッコ・ニルバーナ(AACC)。DEEP JEWELSのアマチュア試合で藤田翔子に2勝、2019年6月にはブリットニー・ジョンソンからも勝利を収めた。2020年10月大会でプロデビュー戦を行い、柔道出身のゆりなを2R2分51秒、パウンドによるTKOに仕留めると、12月大会ではARAMIにも判定3-0で勝利している。AACCらしく打撃も寝技もバランスよく使いこなし、女子としては大型のため今後が期待されている選手だ。
1R、右を当て詰めて払い腰テイクダウンは奈部! すぐにリアネイキドチョークに入るが、後ろ手を剥がして横に落としたミッコ。すぐに詰めて左で差してヒザを突く奈部。
再び払い腰でテイクダウンを奪う奈部はすぐにバックに回るが、立ち上がるミッコ。なおも三度払い腰で投げる奈部! 右は差しているが奈部の鉄槌の防御で前に。バックに回れず。
2Rも左で差して金網に詰めるのは奈部。ミッコは前転して足関節狙いもヒザを抜いて立つ奈部。ダブルレッグに入る奈部はそこからバックテイク。そのクラッチをアームロックに掴むミッコが体を入れ替えるも、ここで奈部は左で差して押し込み。
またも前転から足関節を狙うミッコだが、バービーで足を後方に飛ばす奈部がボディロックからテイクダウン。すぐに立つミッコを何度も崩して立ち上がるミッコに背後からヒザ。最後のミッコの潜りヒザ十字狙いも潰してゴング。
判定は3-0(20-17×3)で奈部が勝利。見事、怪我からの再起を勝利で飾った奈部は、マットの上で「ありがとうございます。Me, Weの藤田選手とともに圧倒的な勝利を見せたかったですけど、皆さん、戻ってきました!」と元気一杯にあいさつした。