2026年5月30日(土)中国・マカオのギャラクシー・アリーナで開催される『UFC Fight Night: Song vs. Figueiredo』(U-NEXT配信)のバンタム級(5分3R)で、朝倉海(ジャパントップチーム)と対戦するキャメロン・スモザーマン(米国)が、U-NEXTのインタビューに応えた。
前日計量では、バンタム級に戻した朝倉海とともに135.5ポンド(61.46kg)でパス。
スモザーマンは、26年1月の『UFC 324』でリッキー・トゥルシオスと対戦予定だったが、前日計量を135.5ポンドでクリアも、体重計から降りて壇上で足をもつれさせて前のめりに倒れて救急搬送、試合を欠場していた。
今回の計量も目にクマを作り減量に苦しんだ顔つきだったが、無事パス。体重計を下りるときに両手を上げてわざと倒れそうになるパフォーマンスまで見せて笑顔を作り、計量会場は笑い声に包まれている。
計量前の試合2日前インタビューでは、前回の転倒について「今回はいい感じだよ。体重もバッチリ。(1月の計量で倒れて)あのとき俺は大丈夫だったよ。映像を見るまでは、まだ戦おうとしてたくらいだし。自分で“そんなに悪くない、大丈夫”って思ってたんだけど、動画を見たらあまりに見た目が酷くて“思ったよりヤバかったんだな”ってなったよ(苦笑)。その後、俺のスマホの通知が、1日か2日くらいずっと鳴り止まなくてさ。(倒れた)動画も何百万回も再生されてるのを見たよ。かなり恥ずかしいけど、同時にめちゃくちゃ面白くもあってさ。まあ、この世界にいたらつきものみたいなもんだよ」と語り、「今回? また気絶するかどうかは、そのうち分かるんじゃない? そうならないといいけどさ」と、パフォーマンスを予告するくらいには減量に自信があったようだ。
12勝のうち6つのKO・TKOと1つの一本勝ち、5つの判定勝ちというオーソドックス構えのストライカーのスマザーマン。慎重に立ち合うタイプで、左ボディ打ちから右フックの対角線攻撃を得意とし、Fury FC王座を獲得した23年2月のピーター・カルバレロ戦では、オーソから右前蹴りをそのまま前に着いてスイッチし、右フックを見せておいての左ストレートでKOという空手のような足運びの緩急をつけたコンビネーションも見せている。
「俺は見ていて楽しいファイターだと思うよ。俺の動きは見ている人を盛り上げるために狙ってやってるから、偶然とかハプニングじゃないんだよね。試合をショーにするために戦ってるからさ」と、ときにトリッキーな動きは、プロファイターとして意識して行っているという。
初めてのアジアでの試合に向け、時差ボケ対策でファイトウィーク前にマカオ入りした。
元Fury FC王者でMMA12勝6敗、UFC1勝2敗。DWCS2023では風間敏臣に敗れたハラランボス・グリゴリオウに1R KO負けしたが、欠場選手の代役でUFCと契約。直前で10kg落として臨んだ初戦でジェイク・ハードリーに判定勝ちしたが、2戦目は11勝2敗のセリー・シディに、3戦目は22勝6敗のリッキー・シモンにいずれも判定負けを喫している。
スモザーマンは「デビューする前から“自分がUFCにふさわしい人間だ”っていうのは分かっていたから、(UFC入りは)すでに知っていたことを自分自身に証明した感覚だったよ。それに、2連敗している今でも、キャリアのどの時期よりも自分に自信があるんだ。ちょっと皮肉な話だけどさ。しっかりと目標を見据え続けて、プロセスに忠実であり続けられたと思ってる。いま、僕は基本的には正しいことをすべてやれている実感があるんだ。だから今回の試合に向けて、準備は万端だし、勝ちから学んだのと同じように負けからも学んできたよ。結果じゃなくて、そのプロセスを信じてるんだ」と、敗戦が大きな学びになっているという。
「DWCS以降、一番成長したのは、ファイターとしてというよりも、人間として、内面的な部分だと思ってる。一人の人間として、男としての成長が、より良い戦い方につながったし、今もいい戦いをするための助けになってるんだ」と、精神面での成長が、自身の進化に繋がっているとした。
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最初からお互いKOしに行く、でも海もテイクダウンを狙ってくると思う
そして、今回対戦する朝倉海について以前から“ファンだった”と明かした。
「彼のことは好きだし、ファンなんだよね。俺が格闘技のトレーニングを始めたばかりの頃に、彼が……確かMMAを始めて最初の数カ月くらいの頃だったと思うんだけど(※RIZIN5戦目)、堀口恭司をノックアウトしたんだよ。それを見て“おいおいマジかよ、最高だな!”って思ってさ。だから、自分の対戦相手として彼の名前を聞いた時は“あの男と同じやつなわけないよな”ってなったよ。
俺にとっては、まさに夢が叶ったようなもんだよ。この世界を夢見始めた時に思い描くようなことが起きてるんだから。子供の頃に見ていたような相手と戦えるなんてさ。ある意味、若い頃に彼の動きを真似しようとしたりして、彼から学んできた部分もあるからね。だから彼のファンだし、純粋にリスペクトしてるんだ」と、UFCタイトルコンテンダーだった堀口を、RIZINで右ストレートで初回KOに下した朝倉に魅了されたという。
UFCで同じく2連敗中の朝倉にとって、今回はRIZIN時代の階級に戻す、UFCバンタム級での初戦になる。
スモザーマンは、「彼がどう来るかは、まあ予想はしてるよ。RIZINでも135ポンド(バンタム級)で戦っていたのは知ってるけど……ただ、一般的に言って、RIZINの選手たちはそこまで身体が大きくないと思っていて、欧米の選手ほどは減量をしていないんじゃないかな。本来はそうあるべきなんだけどさ」と、ハイパー減量&ハイパーリカバリーにおいて差があると指摘する。
「だから、彼は俺が今まで戦ってきた誰よりもスピードがあるだろうと予想してる。でもその反面、俺のパワーは彼が経験したことのないレベルのものになると思ってるんだよ。彼もハードな練習を積んできただろうけど、こればかりは再現できるものじゃないからさ。俺が彼のスピードを完全には再現できないのと同じで、彼も俺のパワーは再現できないはずなんだ。それに、俺だって彼らが思っているよりはスピードがあると思うしね」と、海のスピードに対して、自身のパワーがアドバンテージになるとした。
「最大の脅威は……やっぱり彼のスピードかな。それと、彼は自分を諦めないんだよね。たとえ試合で劣勢になっていたとしても、絶対に諦めずに戦い続ける。そこが一番の脅威だと思ってるよ」と、海のスピードとメンタルを警戒している。
「俺はいつも言ってるんだけど、相手がグラップラーだろうが柔術家だろうが、どんなファイターだって本当はノックアウトを狙いたいものなんだよね。だから俺たちも最初からお互いをKOしに行くと思うよ」と、打撃戦を予告するが、互いにとっての難点であるグラウンドについて、スモザーマンは自身が圧力をかけた場合、朝倉海がテイクダウンを仕掛けてくる可能性も指摘する。
「俺が今まで戦ってきた相手は100%、最終的にはタックルを仕掛けてきたんだよ。だから彼もテイクダウンを狙ってくると思うし、寝技の展開も見られるんじゃないかな。俺もいつも通り、寝技から逃げるつもりはないから、ファンにとってはめちゃくちゃ面白い試合になると思うし、試合が終わる頃には、お互いに戦う前よりももっと多くのファンを獲得できていると思ってるよ」と、寝技になっても対応する自信をのぞかせた。
互いにUFC契約の崖っぷちにいると考えている。
「現実的に見て、この試合はお互いにとって“今後のキャリアを左右する(イチかバチかの)大勝負”だと思ってる。俺にとっても、彼にとっても、絶対に落とせない試合なんだよ。彼は俺よりも多くの実績を残してきているから、そういう意味では、俺の方が少しハングリーかもしれないし、その気持ちで戦うつもりだよ。
でも、ただ試合に出るためだけに契約するヤツなんていないさ。彼だって、ただファイトマネーを稼ぐためとか、UFCに来たって言うためだけにここにいるわけじゃないはずだ。勝つために来てるんだよ。だから、お互いにこの勝利をどれだけ必要としているかが、試合を見ればファンにも伝わるはずさ」と、互いの勝利への渇望が明暗を分けると語る。
朝倉海のファンだと明かし、日本文化にも親しみを持っているという。
「日本のファンのみんなに言いたいのは、俺がみんなの愛するスター(朝倉海)と戦うのは分かってる。でも、俺は日本が大好きなんだよ。まだ行ったことはないんだけど、俺の人生のバケットリスト(※死ぬまでにしたいことリスト)に入っているくらいなんだ。この試合のあとも日本に行く計画を立てているからさ。だから、俺が彼を倒したあとも、俺のことを嫌いにならないでほしいんだよね。やるべきことはやるけどさ。でも、試合が終わったら、俺のことも応援してくれると嬉しいな」と、朝倉海を倒しても嫌いにならないでほしいと、日本行きを計画する28歳はいう。
「日本はなんていうか、とにかく文化が素晴らしいよね。俺は大のアニメファンだし、ネットとかで見ていても、日本のみんなはファッションセンスが抜群だと思うんだよ。一番好きなアニメは……ベタだと思われるかもしれないけど、俺をアニメの世界にハマらせてくれたのは『NARUTO -ナルト-』なんだよね。だからやっぱりそれが一番お気に入りかな。今は他にもたくさんのアニメを観たけれど、やっぱり最初に観て、ずっと追いかけ続けてきた『NARUTO』が、俺にとっては特別で一番好きなんだよ」と、NARUTOファンを公言する。
「それに食べ物も最高だよね。寿司とかラーメンとかさ。日本からアメリカに伝わってきたものは全部、こっち(米国)でも大人気なんだよ。あと、スキンケアも凄すぎるよね。本当にクレイジーなレベルだよ。みんな日本のスキンケア商品を探し求めてるくらいだからさ。本当に素晴らしいよ。だから本気で日本に行ってみたいんだ。この試合のあとで、俺とカイがお互いにボーナスをもらって、日本へ遊びに行けたら最高だなと思ってるよ。あっちで一緒に練習するのもアリだしね」──朝倉海とスモザーマンは、ファイトオブザナイト級の試合を見せるか。そして最後に手を挙げられているのは?