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【DEEP JEWELS】アトム級GPで大島が富松に45秒一本勝ち! パクがにっせーに判定勝利、青野が佐藤をドミネート、体重超過のさくらは緊急搬送で試合中止に。奈部が復活勝利、HIMEプロ初勝利、ケイトが敗れる

2021/03/07 17:03

▼第5試合 DEEP JEWELSアトム級(47.6㎏)GP一回戦 5分2R
○青野ひかる(ストライプル新百合ヶ丘)47.50kg
[判定5-0] ※20-17×3, 20-18, 20-16

×佐藤絵実(毛利道場)47.30kg

青野
「3年ぶりの再戦、デビュー戦以来の再戦になるんですけど、3年間で成長したところをしっかり見せて勝ちます。応援よろしくお願いします」

佐藤
「このトーナメントに出られることになってすごく嬉しく思います。40歳になって今の私をすべてぶつけたいと思います。応援、よろしくお願いします」

 青野ひかる(ストライプル新百合ヶ丘)は日本大学レスリング部出身で、2013年東日本学生女子選手権48kg級優勝、2014年全日本社会人レスリング選手権大会48kg級優勝などの実績を持つ。2017年12月にDEEP JEWELSでプロデビューも、佐藤絵実に逆転一本負け。以降、桐山安奈、古瀬美月、ARAMIを相手に3連勝したが2019年3月にベテランの富松恵美に一本負け。

 その後は2連続一本勝ちを収めるも2019年12月、ハム・ソヒの妹分パク・シウにTKO負けを喫した。再起戦となった2020年7月のリオン戦ではTKO勝ち、10月には前DEEP JEWELSアトム級王者・前澤智とのタイトルマッチに挑んだが、得意のテイクダウンで試合を優勢に進めるも3Rに逆転一本負けで王座奪取に失敗した。

「タイトルマッチに負けて、その直後に佐伯代表から今回のトーナメントの話を聞いて。その時は出るのを辞めようかなって気持ちが強くて。気持ちの切り替えが全然できなくて…」と、最初は今回のトーナメントに出るのをためらったという青野。

 しかし、「そう思っていたんですが『出れば1%でも可能性があるから、失うものは何もないんだからチャレンジしてみなよ』って言われて、じゃあ出てみようかなって気持ちになりました」と、デビュー当時からのコーチであり、選手活動も二人三脚でしてきた渡部修斗に背中を押されて出場を決意したという。

 前澤戦を経て学んだことは、「あんなに勝っていたのに一瞬で試合に負けちゃって。何が足りないんだろうって。1週間くらいずっと考えていたんですが、何も頭が回らない状態でした。それで練習を始めてからいろいろな人からアドバイスをもらって。自分なりに立ち直ってまた頑張ろうって気持ちになりました」と、ショックで当初は何も考えられなかったが、周りからのアドバイスで何かをつかんだようだ。

 その前澤戦だけでなく、デビュー戦から青野は序盤に圧倒しながらも逆転負けをすることが多く、あと一歩のところで足踏み状態が続いている。それを聞くと青野は「いつもなんかそうですよね(苦笑)。そういうのを今回断ち切りたいです! 強くなったところを見てもらいたいです」と、このトーナメントで過去の自分を払しょくしたいとした。

 1月31日に行われたトーナメント組み合わせ抽選会では次々に対戦カードが決まり、7番を引いた青野はそこしか空いていなかった第1試合の赤コーナーへ。そして8番の佐藤絵実(毛利道場)が自動的に第1試合の青コーナーとなって1回戦での対戦が決まった。

「あの枠を選んだのは、あそこしか空いていなかったので(笑)。でも、一番戦いたい相手が佐藤絵実選手か富松恵美選手だったので、富松選手が大島沙緒里選手の隣に行った時は“ああっ…”と思ったんですけれど、最後まで残ったのが私と佐藤選手だったので“これは来たな”って思いました」と、望み通りの結果になったとする。

「“えっ、やったー!”って思いました。一番行きたかったところに行けてよかったです。リベンジ戦なので楽しみです」と青野が言うように、2017年12月のデビュー戦でのリベンジマッチとなる。

「あの時は本当に何もできなかったので、今の成長している姿をちゃんとぶつけたいと思います」と、デビュー戦とは全く違う成長した姿を見せたいとする青野。

 他の6人については「アトム級とミクロ級のトップ選手が集まっているのと、いずれやるだろうなって思っていた選手ばかりだったので、ここを乗り越えていかないとチャンピオンにはなれないなと思いました」と、臨むところだとする。

 その中でも一番の強敵は「パク・シウ選手ですね。決勝でリベンジできるのが最高の形です」と、2019年12月に敗れたパク・シウの名をあげた。また、富松には2019年3月に敗れており、これまでのキャリア6勝4敗の中で黒星を喫した相手(引退した前澤を除く)全員と今回のトーナメントで当たる可能性もある。

「優勝する自信はあります。過去の自分を断ち切ります。全員にリベンジできるので物凄く楽しみですし、トーナメントなのでしっかり勝たないと意味がないのでしっかり勝ちます」と、青野は言葉を結んだ。


 当初出場が決まっていた永尾音波(AACC)は怪我で欠場となり、佐藤絵実(毛利道場)がトーナメント出場のチャンスを得た。1回戦では青野ひかる(ストライプル新百合ヶ丘)と2017年12月以来の再戦が決定(2R1分43秒、佐藤が腕十字で勝利)。

 佐藤は小学生の頃に剣道を始め、中、高校時代には山口県大会で優勝を果たすなど県内の有力選手として活躍。大学卒業後に剣道を辞めると共に結婚して二児の母となるが、総合格闘技を始めて1年半で韓国のROAD FCにてプロデビュー。当時人気を誇ったソン・ガヨンと対戦した。プロ2戦目にしてDEEP女子フライ級の絶対女王しなしさとこと対戦して連敗を喫したが、2017年6月にプロ初勝利を飾ると青野ひかる、古瀬美月ら若手ホープから一本勝ちを奪って4連勝。

 しかし、2019年3月のDEEP JEWELS後楽園ホール大会でアム・ザ・ロケット、10月にパク・ジョンウン、2020年2月に「DEEP JEWELSミクロ級初代王座決定トーナメント」1回戦で再びアムに敗れて3連敗中。

「今回は出場する予定ではなかったんですけれど、永尾選手の欠場でお話をいただいて『これは出る運命なんだろうな』と思って、思い切って挑戦することにしました」と、出場を決めたという佐藤。

 トーナメント組み合わせ抽選会では8番を引いたため対戦相手を選ぶ余地はなかったが、「トーナメントで優勝するためには誰と当たっても勝たないといけないので、特に誰とやりたいというのはなかったです」と誰でもよかったとする。
 自動的に青野との対戦が決まったことには「対戦相手が青野選手と決まって、“ああ、ここでまた対戦するんだ”って正直思いました」と言い、「とにかくテイクダウン力とキープ力がずば抜けているなって感じなので、3年前に一度対戦していますが、もう別人だと思って戦います」と前回勝ったという驕りはない。

 トーナメントメンバーを見て「単純に皆さん強いので勝ちたいと思っています」と、このメンバーの中で勝ち上がりたいとするが「まだ優勝は意識していません。青野選手との初戦に全てをぶつけていこうと思っています」と目の前の試合に集中。

 今回は約1年1カ月ぶりの試合となるが「前回まではとにかくフィジカル負けしている部分が凄く多かったので、とにかく走り込みとフィジカルトレーニング、あと基本をしっかりやってきたのでそれを試合に出せたらいいなと思っています。あと私、40代になったので(笑)。40代は少し違います」と、1月31日に40歳となったことで違う自分を見せたいと語った。

 1R、いきなりダブルレッグの弾丸タックルは青野。ハーフから佐藤に背中を着かせ、右で脇差しパス狙い。左腕で枕に巻きこつこつとパウンドを放つ。

 2R、低いシングルレッグでテイクダウンし、足をさばいて片足をパスガードする青野。「ハーフでいい」の声に青野は固めようとするが、腰を切りクローズドに入れた佐藤も下から腕十字狙いで鉄槌も。

 いったん体を離し、足をさばく佐藤に横三角絞め狙いは佐藤。頭にかかった足を外した青野はサイドから上四方に移りノースサウスチョーク狙い。さらにマウントへ。左脇に頭を入れて肩固めに入るが、佐藤も左ヒザ裏で左手と右手でクラッチして防御。

 判定は5-0(20-17×3, 20-18, 20-16)で佐藤の防御に極め切れずもドミネートした青野が勝利。準決勝戦進出を決めた。

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