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【DEEP JEWELS】アトム級GPで大島が富松に45秒一本勝ち! パクがにっせーに判定勝利、青野が佐藤をドミネート、体重超過のさくらは緊急搬送で試合中止に。奈部が復活勝利、HIMEプロ初勝利、ケイトが敗れる

2021/03/07 17:03

▼第7試合 セミファイナルDEEP JEWELSアトム級(47.6㎏)GP一回戦 5分2R
○パク・シウ(TEAM MAD)47.60kg
[判定5-0] ※20-17×5

×にっせー(フリー)47.35kg

パク
「(日本語で)こんにちは、パク・シウです。明日、試合楽しくしたいです。よろしくお願いします」

にっせー
「沖縄から来ましたにっせーです。明日は優勝候補と言われている選手と戦えて嬉しいです。明日はバチバチ殴り合いしましょう。よろしくお願いします」


 優勝候補と目されているのが、キム・ドンヒョンやハム・ソヒなどのMMAトップファイターが所属するTEAM MADの一員であるパク・シウ(TEAM MAD)だ。


 シウはテコンドーをバックボーンにMMAとキックボクシングでも活躍。日本勢とは2018年5月に『GRACHAN 35』で沙弥子に判定負けも8月の『DEEP 85』ではパンチ&ロー、ヒザ蹴り、左ミドルで富松恵美に大差の判定勝ち、2019年12月には青野ひかるをTKOでマットに沈めている。2020年12月にはDEEP女子ミクロ級王者・大島沙緒里からも判定勝利を収めた。

 すでに今回のトーナメントに参加する3名から勝利を奪っているシウは、「特にトーナメントという意識よりは、いつもの試合と同じ感じでしたね」と、トーナメントということは意識せずワンマッチとの認識。

 1月31日に選手参加で行われたトーナメント組み合わせ抽選会では1番を引き、第3試合の赤コーナーを選んだ。その理由は「実は、ABCD(第1試合がA~第4試合がD)の位置がよく分からなかったので(笑)。特に意味はありませんでした。赤コーナーを選んだ理由は、今までの試合が青コーナーばかりだったので、今回は赤コーナーで選びました」と、特にこだわりなく選んだようだ。


 2番を引いたにっせー(フリー)がパクの隣を選んだため、いきなり対戦相手が決定。にっせーの印象を聞くと「ショートカットで私と少しイメージが似てるかな? と思いました(笑)」との答え。

 トーナメントに出場する全選手を見渡して、「アトム級の女子選手が多いということと、バックボーンとかそれぞれ得意な所が違うんだなと思いました。これから戦う選手がたくさんいるんだなとワクワクしてきました」と、優勝まで3試合戦えることが嬉しくて仕方がない様子。

「私は自分の根性を信じて行動しています。常に自分を乗り越えて試合に臨むので、練習をすればするほど心と身体がより強くなりますね。そのため、私は自信があります」と、根性と厳しい練習を乗り越えて強くなった自分でトーナメントに臨むとした。

「私は生まれつきの強い人ではありません。日々厳しい努力を重ねて、昨日の自分より今日の自分の方が一層強くなっていると思うので、前回の試合よりは成長できたと思います」と、また成長した姿でリングに上がる。今回の大会に向け、日本に滞在し、山本美憂と練習を積んできた。


1月31日に選手参加で行われたトーナメント組み合わせ抽選会で、優勝候補と目されているパク・シウ(韓国/TEAM MAD)の相手に、自ら名乗りをあげたのがにっせー(フリー)だった。

 にっせーは、沖縄在住で高校時に半年レスリングを学んだ後にMMAジムに入門。2018年9月のDEEP JEWELSアマチュア大会での活躍が佐伯繁DEEP代表の目に留まり、2019年3月の後楽園ホール大会でプロデビュー。KOTORIに敗れはしたものの好試合を展開した。9月大会では山崎桃子を腕十字で破りプロ初勝利を飾ると、プロ3戦目にして女王しなしさとこと対戦。しなしをパウンドでTKOに仕留めた。しなしは2017年3月以来、日本人選手に敗れたのは実に11年ぶりでにっせーは一躍注目の的に。


 その後、しなしが保持するDEEP女子ミクロ級(-44kg)王座への挑戦が決定していたが、しなしが新型コロナウイルスの影響による練習量の低下から試合ができる状態ではないと判断、王座を返上したため2020年9月に大島沙緒里と王座決定戦。しかし、1R2分10秒、大島のハンマーロックに敗れて王座獲得はならなかった。

 再びタイトル獲得のチャンスが巡ってきたにっせーは「ミクロ級の自分を選抜してくれてとても嬉しく思っています」とコメント。なぜ抽選会で自ら進んでパク・シウとの対戦を臨んだのかと問われると「私は強い人と戦いたくて格闘技をしています。アトム級トーナメントに出場している8名の中で1番強い人は誰か考えて、チームで相談して第一候補はパク・シウ選手を選ぶと決めておりました。運が良かったです」と説明した。誰もが1回戦での対戦を避けたがるはずのシウを選べたのは“運が良かった”と言ってのける。

「パク・シウ選手は打撃・寝技どちらもできるファイターだと思っています。とても強いと思っています」と、その強さはもちろん分かっている。「優勝というか、まずはパク・シウ選手に勝つことを考えています。パク・シウ選手に勝ったら自然に優勝に近づくと思うので、勝って次につなげたいと思います」と、パク・シウに勝つことが優勝への近道だと考えている。

 GPについては「強い人がたくさん出場していると思いました。アトム級初参戦で強い人がたくさん居るトーナメントに出場出来てとても嬉しいです」と、上の階級の強豪たちと戦うのが楽しみだという。

 前回の自分とは違うところはと聞かれると、にっせーは「全て違うと思います。フィジカル・戦い方すべて変えたので、前回からの成長を見てほしいです」と、生まれ変わった自分に自信を持っている。

 1R、ともにオーソドックス構え。詰めるシウに左アッパーを狙うにっせー。左前蹴り、右カーフキックを突く。ワンツーからラッシュしたシウに左にサークリングするにっせー。走って追うシウは、組んできたにっせーを払い腰テイクダウン! ここはすぐに立ったにっせーだが、なおも崩したシウが上に。立ち上がるにっせー。

 左ミドルを当てるシウ。右バックスピンキックを見せたにっせー。シウはにっせーの右の蹴りの打ち終わりに右で差して組むと、首もがぶりヒザ! 首を抜き、シウの首を掴み低い首投げに行くにっせー、頭でマットに着き、投げられないシウばバックに回りゴング。

 2R、ワンツーからヒザを突くシウ。左右ラッシュににっせーは金網背に。距離を取るにっせーにシウは左ストレート! 下がるにっせーに右の三日月蹴りを蹴るシウ。にっせーも右を返す。


 左で差して後方に崩すシウに残すにっせー。クリンチボクシングで右を突いて、今度は右差しに切り替え前方に崩してテイクダウン! マウント&パウンドもにっせーも凌いでゴング。

 判定は5-0(20-17×5)で圧倒したシウが勝利。優勝候補本命らしい強さを見せた。

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