▼バンタム級 5分3R
×清水清隆(世界フライ級1位/TRIBE TOKYO M.M.A.)
[判定0-3] ※30-27,29-28×2
○平良達郎(世界フライ級3位/THEパラエストラ沖縄)
セミファイナルは、清水清隆(TRIBE TOKYO M.M.A.)vs.平良達郎(THEパラエストラ沖縄)の「バンタム級」戦に決定。
当初、このカードは青木真也が現在の格闘技シーンに更なる光を当てるため自身が企画・プランニングするABEMAの番組「AOKI PROJECT」で“今一番見たい対戦カード”として3月21日の後楽園ホール大会でマッチメイクされた一戦だった。しかし、新型コロナウィルス感染拡大による緊急事態宣言の為、3月大会が中止に。8カ月の月日を経て、今大会で、1階級上の当日計量にて実現する。
清水は、コロナ禍の真っ只中に行われた5月のプロ修斗無観客大会に出場し、小堀貴広(ゴンズジム)に2R KO勝ち。7月にはグラップリング大会「GTF.4」-60kgトーナメントにも出場し、グラップリング専門職を相手に決勝進出を果たしている。
PANCRASE在籍時には5度の王座防衛記録を持つフライ級屈指の実力者は、2019年5月には扇久保博正の持つ世界バンタム級王座に挑戦するも偶発的なバッティングにより、4Rテクニカル判定負け。しかし、ONE両国大会の修斗vsPANCRASE前哨戦として行われた9月の「Road to ONE CENTURY」では、PANCRASE4位の秋葉大樹を1R2分15秒、左ジャブでKOに下し見事復活。前田吉朗、石井逸人、ショージン・ミキを全て1R KO・TKOに葬り去りっているパンチ力は健在だ。
40戦を超えた今、正にキャリアの頂点を迎えようとしているTRIBE TOKYO M.M.A.のベテランは、試合決定に「対戦相手に対して特にありません。コロナ禍の状況で試合を組んでくださった方々、応援してくださる方々に応えて必勝します」とSNSに意気込みを記している。
対するTHEパラエストラ沖縄所属の平良は、アマチュア修斗から現在まで無敗の快進撃を続ける注目の新世代のトップ選手。
元世界王者“修斗ジャンキー”松根良太に育てられた平良は“打・投・極”のトータルバランスに優れた新世代のファイターで、同級には師匠・松根の弟弟子、絶対王者・扇久保博正(パラエストラ松戸)が君臨しており、扇久保に続く次世代のエースとしての期待も高まる。
修斗では大竹陽(1R 三角絞め)、親川龍(1R ギロチンチョーク)、関口祐冬(判定)、大翔(1R KO)に勝利し、聖地・後楽園ホール初登場となった2020年1月の開幕戦では、ONE Championshipでも多くの世界王者を輩出しているチーム・ラカイのジャレッド・ライアン・アルマザン(フィリピン)を一方的な内容で2R KO、プロ6戦無敗をマークした。10カ月ぶりの試合に向け平良は、「常に全力で。応援宜しくお願いします!」と投稿している。
清水清隆が平良を返り討ちにするのか。それともプロアマ通して無敗の快進撃を続け、今最も注目されている新世代の平良達郎が世代交代を果たすのか。マッチメーク当時、青木真也は、「清水さんと平良さんを組み合わせたのは、平良さんは今いい時だし、清水さんは紆余曲折を経てここまで来ている。そういうものをぶつけ合えるのは価値があると思う」と語っている。
1R、バンタム級契約。対峙すると大きさが際立つ平良。ともにオーソドックス構え。サイズ的には大きい平良。左ボディストレートを突く。右ローは平良。さらに左インロー。清水もステップして右ローを打ち下ろす。右ローを返す平良。右から左フックの対角で飛び込む清水。かわす平良も左で入るが空振り。中央取る清水は左! バランスを崩す平良はすぐに立ち上がる。
互いに間合いの取り合い。左ローを突く平良に、清水は思い切って右で飛び込むが、平良はかわす。
2R、左ローを突く平良、更にダブルレッグからバックテイクへ。腕を手繰る清水だが、引き込む形で平良はバック奪取! 4の字ロックからリアネイキドチョークを狙うが、清水は後ろ手を引きはがす! 4の字ロックからお竜ロックで清水の左足を伸ばす平良。
亀になり立ち上がる清水。前転でグランドになり腰をずらして正対し、立ち上がる清水! スタンドで左フックで前に出る清水にスタンドバックを奪う平良。そのままバックに引き込み、シングルバックでキープ。平良がラウンドを取った。
3R、右ローをカーフで打つ平良。清水は飛び込み際に組まれる展開をどう打開するか。左フックは清水も外す平良はシングルレッグへ。切る清水。しかし入り際に右を当てるのは平良! 清水も右を当てるが、連打は出来ず。左ローを打つ平良。清水は左の飛び込み! さらに右ボディストレートも平良はヒザを打ち返す。
追う清水に離れて左ローは平良。勝負をかけた清水は左フックを放つが、かわして左を打ち込んだ平良が上に。清水は下のままホーンを聞いた。
判定3-0(30-27,29-28×2)で勝利した平良はパラエストラ沖縄の旗を背に、「まず僕との対戦を受けてくれた清水選手、ありがとうございます。こうして1位の清水さんに勝てるようになったのも松根さんはじめチームのみんなのおかげです。3位の僕が勝ったので、次の挑戦者の椅子をもらっていいですか。僕は修斗のチャンピオンになりたいです。暫定王者との統一戦が行われるか分かりませんが。来週の沖縄大会もツイキャスでぜひご覧ください」と、アピールした。