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レポート

【UFC】日本縁のファイターが続々登場! ロクサンが接戦制し、DEEP王者マルティネスは新鋭に敗れる。メインはウォーターソンが勝利

2020/09/13 06:09

▼ヘビー級 5分3R
○アレクサンドル・ロマノフ(モルドバ)261lbs/118.39kg
[2R 4分22秒 肩固め]
×ロッキー・マルティネス(グアム)258.5lbs/117.25kg

 ともにUFCデビューのヘビー級戦。DEEPメガトン級王者のマルティネスはMMA15勝5敗2分の34歳。RIZINではジェロム・レ・バンナに一本勝ち、ミルコ・クロコップにはヒジ打ちによるカットでTKO負けを喫したが折れないハートとハードワークの試合で日本のファンの支持を得ている。グァム在住で、今回は急遽のオファーを受けてオクタゴンデビューを決めた。

 対するモルドバのロマノフはMMA11勝無敗の29歳。5KO&6一本勝ちという驚異のフィニッシュ率を誇る。4月、7月、9月5日のUFCデビュー予定がいずれも新型コロナウイルスの影響でキャンセルとなっていた。188cmの長身、191cmのリーチも規格外だ。

 スキップをしながら入場したマルティネス。対するロマノフは、“キングコング”の異名通り、コールに胸を叩いてドラミングを見せる。

 1R、サウスポー構えのロマノフは右ローを打っておいてからダブルレッグテイクダウン。パウンドを落とすも立ち上がるマルティネスの117kgの巨体を見事にバックスープレックスで投げ切る。

 投げられたマルティネスも下から足関節狙いも、後ろを向いて外したロマノフは、すぐに押さえ込み。肩固め狙いから強烈な袈裟固め、それを耐えるマルティネスが立ち上がると、金網に詰めて左跳びヒザ蹴りを突き刺す。

 ノンストップの攻撃のロマノフは、さらに金網に詰めてシングルレッグで引き出してテイクダウン。怒涛の攻めでラッシュする。ハーフガードからアメリカーナを狙い、マウントから鉄槌連打、さらに両手でのダブルパンチ。マルティネスの腹にヒザを置きニーオンでピン留めし、鉄槌。上からヒジも打ち込む。マルティネスの左腕を足で押さえ、鉄槌。続くストレートアームバーは危険な角度になるが、マルティネスは凌いで脇を挙げて防ぐ。

 2R、左ミドルを腹に突くロマノフ。相撲経験もあるロマノフは電車道で反対側のケージまで押し込みテイクダウンを奪う。ハーフガードのマルティネスだが背中を着かされる。肩固め狙いからマウントを奪うロマノフ。荒々しいパウンドを連打する。マルティネスはガードを固めるが、動けず。サイドポジションに移行したロマノフは、肩固めへ。しばらく耐えたマルティネスだが、息が荒くなり、タップした。

 試合後にコーチを後方に投げてハグしたロマノフは、直前の試合を受けたマルティネスを招き入れて、オクタゴンの中で12連勝の記念撮影に共に収まった。

アレクサンドル・ロマノフ「ヘビー級の全員に言いたい。この俺がやってきたぞって」

「ヘビー級の全員に言いたい。この俺がやってきたぞってね。誰とでも戦いたい。気分は最高。次の試合も準備万端さ。明日だろうと次の土曜日だろうと、どっちでもいい。俺はいける。初めての試合じゃないし、ただのUFCデビュー戦だ。経験豊富なファイターだと思っているし、調子もすこぶる良い。この後はベガスでチームと一緒にお祝いするけど、その後は家に帰って家族と一緒に祝いたい。家を離れてもう長いからね。子どもたちにも会っていないし、少なくとも1週間か2週間は家族と過ごしたい。家族、友達、チーム、ファンにメッセージがある。みんなの時間もそうだし、いろんなことを与えてくれて本当にありがとう。自分のやりたいことができて本当に幸せだ」

▼キャッチウェイト 5分3R
○ジェイリン・ターナー(米国)163.5lbs/74.16kg
[2R 4分20秒 リアネイキドチョーク]
×ブロク・ウィーバー(米国)164lbs/74.39kg

 ともにダナ・ホワイトContender Series出身。MMA15勝5敗のウィーバーはUFC1勝1敗。BAMMAからBellator、DWCTSを経てオクタゴン入りを果たした。ウェルター級からライト級に戻したターナーは、UFC2勝2敗。191cmの長身に、192cmのリーチを誇る。

 1R、ともにサウスポー構え。右インローを突くウィーバーに、左アウトサイドロー、前手で触り、右フックから左ストレートでダウンを奪うターナー! しかし、ウィーバーは下から足関節を仕掛け、背中を見せたターナーを追って左右を振る。

 2R、速い右ジャブはターナー。前蹴り、さらに近づくと首相撲ヒザも突き上げる。ウィーバーの左の前進に右をかぶせてダウンを奪うが、ターナーは追い打ちに行かず。ウィーバーを立たせて右フックを当てる。さらに金網に詰めて右ストレートを当ててダウンさせたターナーは、バックから首に腕を巻き、パームトゥパームで絞め上げ、タップを奪った。ターナーはUFC2連続KO・TKO勝ち。

ジェイリン・ターナー「25歳と若いし、このスポーツで、UFCで、自分がやりたいことを再評価しないといけないと思ってきた」

「覚悟は決まっていたし、やってやろうと思っていた。先週にはティアゴ・モイゼスと戦うはずだったのにダメになった。キャッチウェイトの試合を用意してくれたから、行く気だった。誰が相手だろうと気にしない。戦う準備はできていた。最初のラウンドで仕留められたら、もっとド派手な結果にできたんだろうけど、ケージの中で過ごす時間はいいもんだからな。自分の経験にもなる。自分が証明すべき力は見せられたと思うけど、もっと実力を示していかないと。

 改善の余地は常にある。今回の試合を500回くらいは見ようと思っているんだ。自分のちょっとした部分もあら捜しする。すでに取り組んでいきたいと思っているのはもっと力のある打撃を打てるようになること。もっとパンチを打って、もっと手数を増やして、今よりうまくカウンターを当ててペースを維持できるようになること。俺的には一撃必殺のウオークオフKOだったと思うけどね。誰かを落として打っていっても起き上がってしまうことが何度もあったから、とにかく落ちていることを確実にしたかった。ハーブ(レフェリー)はまだだと思ったみたいで、相手に戦うチャンスを与えた。それはレフェリーの決定権だから、俺たちはそれに従う。ここに来ることをずっと夢見てきた。25歳と若いし、このスポーツで、UFCで、自分がやりたいことを再評価しないといけないと思ってきた。トップに上り詰める覚悟はある。今でもティアゴ・モイゼスと戦いたいと思っているし、きっといい試合になるはずだ。俺の経歴にもいいだろう。どのくらいで癒やして戻って来られるかを見てみるよ。11月か12月か、そのくらいかな」

▼ウェルター級 5分3R
○ブライアン・バーバリーナ(米国)170lbs/77.11kg
[判定3-0] ※30-27×2, 29-28
×アンソニー・アイビー(米国)169.5lbs/76.88kg

 MMA14勝7敗、UFCでも5勝5敗と五分の戦績のバーバリーナ。2016年1月にセイジ・ノースカットに肩固めで一本勝ちしているが、10KOを誇るストライカーでもある。MMA8勝3敗のアイビーは6月の前戦でUFCデビューもクリスチアン・アギレラに59秒KO負け。

 ケージに押し込みテイクダウンを狙うアイビー。尻餅を着かされるバーバリーナは金網を使って立ち上がり、サウスポー構えから左フックをヒットさせる。アイビーも下がりながらワンツーを当てるが、バーバリーナは退かず。最終ラウンド、クラッチを組んでテイクダウン奪うアイビー。パウンドを打つが立つバーバリーナは、アイビーのタックルにギロチンを合わせてスイープ。立ち上がるアイビーはダブルレッグでテイクダウン奪うが、バーバリーナはそこに下からストレートアームバー、キムラを狙う。

ブライアン・バーバリーナ「今年中にもう2試合できたら」

「長い道のりを経て今日の勝利にたどり着くことができた。痛みや苦痛も乗り越えてここまできたんだ。それだけこの一勝がうれしい。序盤から相手がテイクダウンを中心に攻めてきたのが分かった。それと同時に相手はテイクダウンに力を使いすぎて疲れているようにも見えたね。俺はしっかり相手の動きを見て、一発を狙っていたよ。しっかりラウンド間で戦略のアジャストもして、第3ラウンドではレスリングを有効活用するように心がけた。できるだけ早くまた試合がしたい。今年が終わるまでに2試合できたらうれしい」

▼女子フライ級 5分3R
○サビーナ・マゾ(コロンビア)125.5lbs/56.93kg
[3R 3分57秒 リアネイキドチョーク]
×ジャスティン・キッシュ(ロシア)125.5lbs/56.93kg

 1R、オーソドックス構えのマゾに、サウスポー構えからスイッチするキッシュ。右ローを前足に突く両者。リーチのあるマゾは左ジャブ。右ロー・右ハイ。右前蹴りでキッシュの左目尻から出血させる。その蹴り足を掴んだキッシュがテイクダウン。インサイドガードに入れた柔術茶帯のマゾが手首を掴んで蹴り上げたところでブザー。

 2R、圧力をかけるマゾにオーソドックス構えから右バックフィストを狙うキッシュ。さらに右前蹴りを腹、右ローも突く。そのキッシュの入りに前足を挙げてヒザ蹴りのモーションを見せるマゾ。サイドキックでレバーを打つと、首相撲ヒザでコントロールする。

 3R、ジャブから右ハイを連続でヒットさせるマゾ! キッシュも得意のサイドキック。バックフィスト。マゾは右を見せてからそのまま右ハイをアゴに当ててダウンを奪うと、起き上がろうとしたキッシュのバックに回りリアネイキドチョーク! タップを奪った。

サビーナ・マゾ「前回の試合で1Rの入りを一番変えたいと思っていた」

「試合の序盤からキックを打ちながら、距離を取って、相手を徐々に追い詰めていこうとしたんだけど、彼女は本当にタフな相手よ。最後のラウンド終盤にはもうすでにキックを浴びていたと思っていたし、グランドのスペースを開けたの。もちろん、最初からパンチとキックの応酬になるってことは分かっていたし、最初のラウンドはまさにそうだった。テイクダウンを取られたけど、すごく激しい試合だったと思うし、結局は私が一本を取ったわ。最初のラウンドがすごかった。正直、私にしてみればペースがちょっと遅くなったみたいに感じたし、第3ラウンドでキックがいい感じに当たった。最初から激しかったけど、ペースにはまったく問題なかったし、他のラウンドでは私の方が押せているのも分かっていたけど、最初からずっとノンストップだったわ。自分の思い通りにスタートできたと思っているし、もちろん、どんな相手も違っているし、リアクションも違うし、最初のラウンドもすべてのラウンドも別々のゲームプランを用意してくる。でも、私は自分が1Rで思い通りにできたと思っている。前回の試合で一番変えたいと思っていたのがそれなの。とりあえず対戦相手を用意してくれれば私は戦うわ。もっと経験を積みたい。もっともっと高みに行きたい。特に誰かということはないけど、戦いたいって人がいたら受けて立つわ」

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