▼女子ストロー級 5分3R
○ヴィルナ・ジャンジローバ(ブラジル)115.5lbs/52.39kg
[1R 1分44秒 腕十字]
×フェリス・ヘリッグ(米国)116lbs/52.62kg
ブラジルのジャンジローバは柔術黒帯。2018年3月に魅津希と激闘の末、スプリット判定で勝利しInvictaストロー級王者に。続く2018年9月にジャナイサ・モランジンに肩固めで一本勝ちし、14戦無敗でUFCへ。元王者のカーラ・エスパルザ相手にテイクダウンを奪われ判定負けでMMA初黒星を喫した。前戦ではUFCデビュー戦のマロリー・マーティンを相手に2R、リアネイキドチョークで一本勝ちしている。
対するヘリッグは女子ストロー級の15位。キックボクシングベース。2016年7月からUFC4連勝も、2018年4月にカロリーナ・コバケビッチにスプリット判定負け、同10月にミッシェレ・ウォーターソンに判定3-0で敗れ、現在2連敗中。今回はヒザの負傷からの1年10カ月ぶりの復帰戦となる。
1R、左を見せながらダブルレッグテイクダウンはジャンジローバ。ハーフから足を効かせるヘリッグの立ち際をバックを奪うとリアネイキドチョーク狙い。正対するヘリッグからマウントを奪うと腕十字へ。クラッチを組み直してタップを奪った。
2連勝のジャンジローバはランキング入り確実に。中国のジャン・ウェィリーを頂点とし、日本の魅津希、村田夏南子が参戦するUFC女子ストロー級の高き頂きを駆け上がるか。
試合後にポルトガル語で勝利の喜びを語ったジャンジローバは、公式のインタビューに、「みんなもご存知の通り、私はBJJのスペシャリスト。インタビューでも言った通り、プランAとプランBがあって、今日はプランAがうまくいった。これまで誰にも言ったことはないけど、キャンプ中にちょっと問題があって。前歯を無くしたの。もう絶対に失いたくなかったから、できるだけ早く決めようと思ってた」と、補強したばかりの前歯にダメージを負わないよう、早期決戦を図っていたことを明かした。
さらに「フェリスはランカーだったから、来週には私がランキング入りしているといいけど。この階級で名を上げたと思うし、出来ればUFCがもっと私のことをケアーしくれて、トップ10の対戦相手とやらせてくれたらいいんだけど。ランキングに入っている選手なら誰でもいい。トップ5でも、UFCが用意してくれる試合なら喜んで受けるつもりだけど、ランキングを駆け上がって行きたいから、上位の人とやれたら最高」と上位陣との対戦を熱望。
「とにかくランキングを上げることに集中しているから、誰でもいい。空いている人なら、喜んで受けて立つ。時期としては、別に明日でも戦える。正直、ほとんどダメージはないし、来週でもいいかな。でも、(コミッションが定める)試合間隔を開けなければダメでしょうから、それが終わればすぐに戦いたい」と、約8カ月間隔で試合を行っているペースを上げたいとした。
▼フェザー級 5分3R
○ダニー・チャベス(米国)146lbs/66.22kg
[判定3-0] ※29-28×3
×TJ・ブラウン(米国)146.5lbs/66.45kg ※体重超過
UFCデビュー戦のチャベスはキックベースながら柔術黒帯。現在3連続1R KO中。対するブラウンも柔術茶帯。
1R、ともにオーソドックス構えから。チャベスの右カーフキックにダウンするブラウン。チャベスは深追いせず。立ち上がるブラウンはサウスポー構えに前足を変える。
2R、サウスポー構えから左ハイを狙うブラウン。しかしチャベスの右ハイが伸びてくる。ブラウンは右で差して押し込むがチャベスが突き放す。
ブラウンは左ミドルを当てると右ストレート! しかしチャベスは右を当てるとブラウンの低いテイクダウン狙いを切り、がぶり。頭を横に出して立ち上がるブラウン。サウスポー構えからの左ミドルはヒツト。バックフィストも見せる。
3R、やはりサウスポー構えのブラウン。ダブルレッグはチャベスがしっかり差し上げ切ると下になったブラウンは外掛けで足関節のトランジションから立ち上がる。
左右を振り前に出るブラウン。オーソからワンツー。チャベスの左ローに構わず前に。さらにダブルレッグも切るチャベス。しかし手数が減る。声を挙げながら前に詰めてヒジを打つ。
しかしチャベスはヒザ着きながらダブルレッグテイクダウン! 残り30秒ほどをバックコントロールから投げを連続し、ブザー。判定は3-0でダウンを奪ったチャベスが勝利。MMA4連勝でオクタゴンデビューを勝利で飾った。
試合後、勝者チャベスは公式のインタビューで、「このために14年間トレーニングしてきた。ここで戦っているなんて最高の経験だし、最高の瞬間だ。初めてオクタゴンに入った時はみんな緊張して落ち着かないと言うけど、自分の今までの経験があってここに来られたと感じでいたし、自信があったから、僕はそんなことは感じなかったな。ベテラン選手と対戦して最高な気分だよ」と喜びを語った。
THE WARRIOR! 🇨🇴
— UFC (@ufc) August 16, 2020
The judges score it 29-28 for Danny Chavez! #UFC252 pic.twitter.com/TPT50RzG02
ニューヨーク州クイーンズで生まれ、7歳のときにコロンビアのボゴタに行き、父と出会った彼はケネディの町に14歳まで住んでいた。コロンビア系米国人として、「チームやチームメイト、それにラテンアメリカやコロンビアといった大きなグループがサポートしてくれて素晴らしい気分だ」と、コミュニティのバックアップに感謝の言葉を述べると、「俺と俺のチームは試合のためにいつも良いゲームプランを思いつくんだ。そのプランとはアウトボクシングとキックで相手の利き足を奪って止めることだ。3Rで向こうの経験が助けになったと思う。俺は3Rちょうど中盤でフェードアウトし始めていたんだけど、それから試合にのめり込んでいって、乗り越えられるようになった」と、ピンチを越えて、相手の利き足を攻めることが効果的だったと語った。
「年が明ける前にもう一度戦いたい。それは確定だと思うけど、そんなに長く休むつもりはないよ」と試合を欲したチャベス。コロンビア戦士のUFC2戦目はいつになるか。