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【ONE】スタンプがキック王座陥落、秋山成勲が5年5カ月ぶり勝利! 三浦彩佳がTKO負け、山口芽生は判定負け。江藤公洋が一本勝ち

2020/02/28 18:02
【ONE】スタンプがキック王座陥落、秋山成勲が5年5カ月ぶり勝利! 三浦彩佳がTKO負け、山口芽生は判定負け。江藤公洋が一本勝ち

(C)ONE Championship

2020年2月28日(金)、シンガポール・インドアスタジアムにて、ONE Championship「ONE:KING OF THE JUNGLE」が開催された。

同大会は新型コロナウイルスの感染拡大を受けて無観客試合で行われ、日本から秋山成勲、三浦彩佳、山口芽生(V.V Mei)、江藤公洋の4選手が出場。秋山がKO勝利、江藤が一本勝ちを決めたものの、三浦がTKO負け、山口が判定負けと王座挑戦を照準に定めていた女子2選手が難敵相手に敗れる波乱があった。

また、メインイベントでは、二冠女王スタンプ・フェアテックス(王者/タイ)が、2018年10月のキルビー戦で王座獲得以来1年4カ月ぶりのキックルールで、日系米国人のジャネット・トッド(挑戦者/米国)と対戦。スプリット判定でトッドが接戦を制し、新王者となった。キックルールで王座陥落したスタンプはONEで初黒星を喫した。

MAIN CARD:

▼第11試合 メインイベント ONEアトム級(52.2kg)キックボクシング世界選手権試合 3分5R
×スタンプ・フェアテックス(王者/タイ)52.2 kg, 1.0187
[判定1-2]

○ジャネット・トッド(挑戦者/米国)51.55 kg, 1.0066

メインイベントはキックルールで、ONEキックボクシング&ムエタイ王者のスタンプ・フェアテックス(王者/タイ)が2019年6月大会以来の立ち技の試合(※キックルールでは2018年10月のキルビー戦で王座獲得以来。MMAでは2020年1月10日にTKO勝利したばかり)として、日系米国人ファイターのジャネット・トッドとの再戦に臨む。

両者は2019年2月にオープンフィンガーグローブ着用のムエタイルールで対戦しており、スタンプが判定勝ちしているが、1年4カ月ぶりのキックルールがどう影響するか。スタンプはMMAでも3連勝中だ。

トッドは母親が日本人。流ちょうな日本語も話し、日本でも出稽古経験を持つ。宇宙工学のエンジニアの仕事もこなす才女でもある。スタンプ戦以降、キックルールで2戦、ムエタイルールで1戦の3試合を連続勝利。日本でエカテリーナ・ヴァンダリーバを右ハイキックでKOするなど、うち2試合でKO勝利を挙げている。

「タイトルの防衛は、取りに行くより難しい」と語るスタンプに対し、トッドは「自分がタイトルにふさわしいことを証明したい」と王座奪取を目論む。

コーナーのないケージでのボクシンググローブマッチ。米国国旗をマントにモンコン姿で入場のトッドに対し、スタンプは無観客のスタジアムでもいつものダンスに笑顔で入場。

1R、ともにオーソドックス構え。ワンツー右ローから入るトッド。すぐに右ローを返すスタンプ。さらにワンツー、右ローはトッド。左フックも当てる。トッドの右ローをカットするスタンプ。右の前蹴りはトッド。互いに右ロー。スタンプも右ロー。スタンプもワンツー&右ロー、左ジャブでとらえる。右のパンチはトッドが優勢。

2R、ワンツーを振るスタンプ。さらに右ローを走り込んで当てる。右に回るトッドは左ミドル。スタンプもすぐに右ローを蹴り返す。右ハイを当てるトッド! 右ストレートを振るスタンプ。さらに右ロー! トッドの左がかすめる。ワンツーから右ローはスタンプ。トッドもジャブ、右ミドルまで繋ぐ。

3R、ワンツーから右ハイまで繋ぐトッド。スタンプも右を返すが強打狙いに。左ジャブを当て右ローを当てるスタンプ。左ミドルをブロック上に当てるトッド。スタンプもワンツーから右ローに。トッドは右のパンチに左ミドルをヒット! さらに腹に右ミドルをヒット! スタンプの動きが一瞬止まる。追うスタンプの右が空を斬る。

4R、観客を味方につけられない無観客試合。ともに自身を鼓舞してチャンピオンシップラウンドに向かう。左ジャブの刺し合い。さらに左ミドルの打ち合いも互角。右ローはスタンプ。2発目はヒザを引いてかわすトッド。しかし右ミドルをスタンプは返すとワンツー&ロー。しかしトッドもワンツー&右ハイを返し、首相撲からヒザも。ゴングにスタンプは両手を挙げるが観客の後押しは無い。

5R、ワンツー&右ローはトッド。しかし近距離ではスタンプは右ストレートをヒット! トッドもスピーディーに左フックから右で飛び込む。ワンツーの打ち合いの右はトッドが優勢。スタンプは打ち合いで左を返す。リズム良く打ち込むおんはトッド。左を当てるとスタンプの打ち返しはかわす。足が出てこないスタンプ。右ローもトッドは右ハイ! 疲労が見えるスタンプ。ワンツースリーと打ち込むトッド! ゴングにスタンプはハグする。

判定は2-1のスプリットでトッドが勝利! リヴェンジを果たした勝者は両手で顔を覆い、涙を流してベルトを肩にかけた。

トッドはケージのなかで涙を拭いながら「接戦だったのは分かっている。とても幸せだわ。(同じキック経験者の)夫が(相手の)ビデオで見てくれました。友人たちにも感謝します」と感激の言葉を語り、マット上で夫のダスティンと熱いハグをかわした。

立ち技二冠女王のスタンプはキックボクシングで王座陥落。ONEで初黒星を喫した。MMAと併せての三冠の夢は破れ、今後はどこに向かうか。

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